ＹＡＹＡ　＆　ＡＮＧＥＬＩＮＡ　　ＴＨＥ　ＳＰＯＩＬＥＤ　ＢＲＡＴ　ＭＯＶＩＥ
　
09年：ＧＭＡフィルムズ／ＡＰＴエンターテインメント
監督：マイケル・トゥヴィエラ
主演：オギー・アルカシド
　　　 マイケル・Ｖ
　　　 アイコ・メレンデス
　　　 ジョマリ・イリアーナ
　　　 イサ・カルサド
　　　 レオ・マルティネス
　　　 ロクサンヌ・ギノオ
　　　 ジョジョ・アラハル
　　　 ダイアナ・メネセス
　　　 テス・ボン
　オギー・アルカシドとマイケル・Ｖの共演だとコメディーに決まっているが、ともに女装しての女性役で、しかもオギーは少女との設定にアクの強さがきわまる。この手の志の低いナンセンスなバカバカしさが大好きなものにすれば、客観的なでき以上に高い評価を与えたくなる。マイケル・Ｖは物語を立案のうえ、ラモン・ロコ、チト・フランシスコ、セザール・コスメと脚本も執筆する。
　まずは歩く少女のうしろ姿をカメラが追いかけ、演じるのがチビっこに撮影のカメラ・アングルで身長を低くみせるオギーとわかってマヌケな予感が走る。オギーの役のアンジェリーナは悪戯がすぎる問題児の女の子で、ヤヤ、つまり子守りを困らせまくる。自宅が吹っ飛ぶ火事の大騒動を巻き起こし、レジーン・ヴェラスケス演じるヤヤが髪の毛をこがし、顔を真っ黒に救急車で運ばれる。プライヴェートでオギーと愛人関係にあるゲスト出演のレジーンが楽しそうにくだらない役をこなす。
　ジョマリ・イリアーナとアイコ・メレンデスという、やはりプライヴェートであれこれゴシップのたえない夫婦が演じる両親が新しいヤヤを募集し、次々にアンジェリーナのおふざけに負けて退散のあと、マイケル演じるヤヤのロサリンダ・ロセロの登場で本筋に入る。
　前半はアンジェリーナの意地悪にロサリンダが翻弄ながらも、なんとか慣れていき、アンジェリーナが原因の騒動をあたふたとフォローで進み、それでもクビになるまでが描かれる。意外にも学校では同級生のタニャ（サブリナ・マン）にアンジェリーナがやられっぱなしで、担任の教師のクルース（ロクサンヌ・ギノオ）がタニャに丸めこまれ、校長（レオ・マルティネス）もアンジェリーナをトラブル・メーカーと勘違い。いったんロサリンダが去ってアンジェリーナがさびしさを感じ、ロサリンダも落ちこむ。
　学校へ送ったとき、アンジェリーナが服の紐を車のドアにはさんだためにロサリンダが校庭で下着姿に脱がされ、あわてて逃げ帰ったり、アンジェリーナの入浴でロサリンダのもつタオルなどがアンジェリーナのハダカをたくみに隠せば、アンジェーナが動いてロサンリンダのパンツのお尻を露出が視覚的なおかしさで、実際は男のマイケルがブラをつけていたりが笑いを誘う。授業中にタニャがはなった輪ゴムの束をアジェリーナがはね返してクラス全員に命中や、ロサリンダと買いもののスーパー・マーケットでアンジェリーナがショッピングのバスケットの中身を入れかえがギャグをなし、オカマの実演販売人（ジョジット・アロンソ）に仕かけたアンジェリーナのおふざけは大爆発につながり、スーパーがきのこ雲をあげて倒壊。逃げるアンジェーナとロサリンダが誤まってタイヤに石を置いて駐車中のプロパン・ガスの運搬車を動かしてしまい、運搬車が坂道の下にある鳥のペット・ショップへ激突でまたも爆発の惨事。焼き鳥になった肉が飛んでくる。動物園の課外授業ではタニャがゴリラに悪戯をアンジェリーナのせいにし、冤罪のアンジェリーナをしかる校長をダチョウが襲う。重傷で入院の校長へ謝りにきた病室でアンジェリーナがずっこけ、ベッドで動けない校長に宙を舞った注射器が矢のごとく降りかかる。家に警官（ジョジョ・アラハル）が現われたのをアンジェリーナとロサリンダがスーパーを爆破の捜査とおびえるが、両親の友人の警官で、結婚式への招待。アンジェリーナのウソでロサリンダがドレスを子ども用にと切り刻み、実は自分の着るものだったため、式での衣装がヘンなミニスカにさまがわり。教会の鐘の塔によじ登ってアンジェリーナが結婚式にもドタバタを持ちこむ。
　フィリピンを訪問のウェリントン公爵夫人が特別来賓で主席のイヴェントに際し、生徒の誰が花束をわたすかを決める授業では、アンジェリーナとタニャが知識を競い合い、インチキでタニャが勝つも、どんな内容をフィリピンの学校で教えているかがうかがえて興味深い。クルースが国民的ヒーローのホセ・リサールを「ホセ・リザール」と呼ぶのに、スペイン語ふうでなく、英語ふうの発音の浸透もわかる。
　ついにアンジェリーナがプラスティックの小玉を飲みこんだのをロサリンダがあわてて吐きださせ、跳ねた小玉を熱帯魚が飲むこむ。アンジェリーナの両親が大切にする高級魚なので、ロサリンダが熱帯魚にマウス・トゥ・マウスの人工呼吸で吐きだしに成功も、再び跳ねた小玉が骨董の花瓶を倒し、熱帯魚にぶつかって割れる。これでロサリンダが解雇とのユーモアを超えたブラックなネタの積みかさねで進み、アンジェリーナのら致で後半へ。
　ウェリントン公爵夫人の暗殺をたくらむグループにアンジェリーナがつかまり、ロサリンダが助けに向かう。ブラをゴムチューがわりに弾みをつけて石を飛ばし、グループのアホな部下のベルナルド（マイク・“ペクト”・チュア）に命中であっさり逃げるも、ロサリンダが誘拐犯と報道のシチュエーションはほどほどに、グループがアンジェリーナの両親を拘束のうえ、ウェリントン夫人へわたす花束に爆弾を仕こむとロサリンダが知り、アンジェリナが転んでタニャに当たったすきに花束をすりかえ、その花束をもってグループの女ボスのイヴ（イサ・カルサド）に迫る。銃をかまえるイヴがアンジェリーナを屋上に連れ去るや、怒りのロサリンダが追いかける。
　マイケル・トゥヴィエラ監督がテンポよく語ってあきさせないクライマックスづくりで、ロサリンダのスローモーションによるクン・フーがさほどワザとらしさを感じさせずに全体の流れにはまる。
　屋上にはミスター・ドーナッツの巨大な看板が立ち、ドーナッツのワッカの部分だけが穴のあいた構造。看板を固定のワイヤがゆるむのにアンジェリーナが気がつき、ロサリンダへ駆けよると看板が倒れ、イヴが下敷きも、ちょうどアンジェリーナとロサリンダがワッカの部分にいて無傷のギャグは、明らかに『キートン船長』（『キートンの蒸気船』）からのいただきで、やってくれる。
　結果、マイケルはアンジェリーナがあこがれる男子生徒のショーン・フィリップ役にくわえ、アンジェリーナを助けにいくかどうかを迷うときの意識の天使と悪魔、両者にチャチャを入れるボンガンボンガン・ボンボンなる意識の人物、金髪のカツラと白塗りのメイク・アップでウェリントン公爵夫人の合計六役をこなし、オギーはショーン・フィリップのヤヤのマリマルとニ役の、ともに芸達者ぶりを存分に発揮。引きのショットでのアンジェリーナはスウィート・ペレスとカイラ・マリー・パグナワンの少女の子役が吹きかえる。
　途中、ロサリンダがハングルを話し、アンジェーリナも応える会話に字幕を挿入は、フィリピンでの韓国ドラマの人気をにじませるが、ＢＧＭは中国ふうだし、ロサリンダの衣装も中国っぽく、これは確信犯的な間違いだろうか。イヴは暗い倉庫みたいなアジトに盆栽をいくつも飾り、アンジェリーナがそのひとつの鉢を割って激怒にベルナルドなどの手下が振るえ、猛烈なキャラクターの女性が定番ながら、フィリピンでカネもちが愛好する盆栽の形がうかがえる。屏風らしきものも立てるが、ちょっと描かれた絵がヘンなのがご愛嬌。
　ロサリンダがデニス・トリーリオの大ファンで部屋にポスターや写真をベタベタ貼り、デニスに悩みごとを語りかけるが、隣人役でデニス本人がゲスト出演し、ドアをノックにうるさいと相手にせず、二枚目のデニスがとぼけた雰囲気をかもす。
　女優の魅力がそれなりにウハウハをくれて、いちばん美人のロクサンヌ・ギノオが教師役なので地味なスカート姿のみは残念だが、太めの熟女のアイコ・メレンデスは俯瞰のショットや斜め横にとらえるショットでワンピースのドレスにバストの谷間で視線を引きつける。アンジェリーナの屋敷のメイドであるメイ・ダコノ役のシーナ・ハリリはけっこうかわいく、冒頭のレージンのヤヤが救急車で運ばれる奥で運転手のイスコ（ヴィクトル・アリワラス）とイチャついている。ロサリンダを紹介のときのエプロンの下に着るスカートが短く、パンティーがチラつきそうな太腿の色気を放つ。ヤヤの募集ではアンジェリーナの悪戯に卒倒で退散の役のアントネット・ガルシアや、刺青と喫煙で門前払いの不採用役のリタ・“タルト”・カルロス、履歴書にプロポーションがバツグンの水着写真をつけてきたのに、すごいデブ役のテス・ボンのほか、外国人で言葉が通じない役のダイアナ・メネセスがすごい。アンジェリーナが遊ぶ庭で水着になり、前かかがみのポーズでビキニのブラにバストの谷間を強調のうえ、小さなパンティーがお尻にくいこむ。まずまずの容貌だし、相当に誘惑的。スーパー・マーケットの事件をＴＶで伝えるレポーター役のリネット・スルバノはイマイチだが、先にＴＶのスタジオでアンカーのレポーターでチョイ役のジェニー・ファハルドは個人的に好みのタイプといえる。
　もっとも今回はイサ・カルサドにパワフルな悩殺をうける。部下どもへ指示の意味深なアジトの紹介で、黒い光沢のエナメルによる全身スーツを着ていて、とくにウハウハと趣味に合い、興奮を誘うコスチュームなだけに下半身が元気になる。胸元のジッパーを半分おろしてバストの谷間が挑発的にそそり、腰に前かけのごときもののついたデザインがマイナスながら、前かけの装飾は真うしろで左右にわかれる。椅子から立ちあがるショットで前かけがずれて開く中に黒い光沢素材のエナメルがピタピタにくるむお尻を突きだしてドアップに迫り、あまりのさわりたい欲求にボキボキの勃起。盆栽と屏風の空間では浴衣みたいな着物をはおるのが余計だし、全身スーツが光沢のエナメルでなくてタイツ素材は刺激ダウンでも、帯がほどけて着物がはだけ、くびれの曲線や長い脚のラインがくっきりに鼻息が荒くなり、よだれがたれる。アンジェリーナの両親を縛るバスで黒く光るエナメルの全身スーツに復帰は、いよいよ期待が頂点まで高まるや、ロサリンダが花束の爆弾を手に現われての対決からは上に赤いコートを着ていて本当にジャマ。格闘などの激しい動きでコートの切れ目にエナメルがピチピチに貼りつく太腿がみえると、思わずゾクゾクに我慢できず、ついつい右手が動く。絶品のスタイルのボディーがチラチラとのぞいて、まったく大事な部分の肌の露出がないにもかかわらず、カチカチ状態が最後まで続く。もしコートを着ずに全身スーツをモロだったなら、確実に快感のフィニッシュでイキはてたことは、ほぼ間違いない。
　初めてイサに燃えまくる。
　拍手。