87年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：イシュマエル・ベルナル
主演：グロリア・ディアス
メラニー・マルケス
ジャクリン・ホセ
ディーナ・ボネヴィー
ダン・セシリオ
エドゥ・マンザノ
リッキー・ベルモンテ
ダンテ・リヴェロ
ジョージ・ハヴィエール
ロネル・ヴィクトル
ニーニョ・ムーラック
ジョベル・サルヴァドル
マンジョー・デル・ムンド
ミニー・アギラー
イシュマエル・ベルナルが好評だった『ＷＯＲＫＩＮＧ ＧＩＲＬＳ』の続編をつくったが、女性たちの生きかたをみつめた前作と違い、ただのドタバタ喜劇になっている。味わいは少ないし、一般的評価は低いだろうが、くだらなさ大好き人間にすれば、それなりに楽しめる仕上がり。
デパートの従業員たちによるデモを背景に、女たちが大暴れで、けっこう笑えるギャグを含む。メラニー・マルケス演じるカネ持ちとの結婚を狙う最新ファッションのモダン・ガールをリッキー・ベルモンテ演じるレストランのオーナーがみそめ、メラニーの気どった演技がユーモラス。エドゥ・マンザノ演じるデパートの副社長からも口説かれ、コミカルな動きを示す。エドゥの自宅で不注意からインテリアを次々に壊すのがクスクスものだし、ワインで乾杯のとき、グラスを思いっきりぶつけてガチャン、にふきだしそう。ディーナ・ボネヴィー演じるミンダナオからでてきたメラニーの従姉妹が、偶然の連続でボコボコなめに合いまくり、マニラは恐いと逃げだすまで、ケガだらけに変わっていくのが愉快なら、リッキーのレストランに職を得て、歌うウェイトレスの仕事ぶりも笑わせてくれる。
ダン・セシリオ演じるＴＶレポーターの強引さや、ジャクリン・ホセ演じるデパートの売り子の控え目ぶりが多彩さをつくり、ジャクリンがデモに加わっての変貌がひとつのドラマ。
グロリア・ディアス演じるリッキーの妻がデモの先頭に立ち、刀を振りまわす大げさ芝居は、ちょっとはずしているかな。グロリアとダンの女性対決は、けっこうリアルっぽい皮肉。
五名の主役女性のほかに、肥満体型のミニー・アギラーがエドゥの秘書を演じ、デパートのイメージ・ガールを探してジャクリンに猛アタックのエドゥが自分を候補に入れたと勘違い。プロモーション写真を撮って、その気になるのが定番のズッコケながら、ワン・ポイント的バカバカしさを加える。
男たちからも、ジョージ・ハヴィエール演じる軍隊の士官がジャクリンの夫で、自分の足を撃つドジに始まり、なぜかディーナと引かれ合って、嫉妬でジャクリンに殴られるなど、やはり災難続きにコント・キャラを提供。エドゥのドスケベさが、マジメな二枚目の顔つきだけに冴え、ＴＶのカラオケ・コンテストに飛びいり出演で、はずしまくるトニー・アンヘレス演じる少佐や、おマヌケなレネ・レキエスタス演じるハリキリ少佐が、イマイチながらも、低脳っぽさを助長する。
途中、ダンテ・リヴェロ演じる左翼がグロリアにイデオロギーを説いたり、マルコスとイメルダの支持者たちが登場で政治的な風刺を盛りこみ、デパート前が爆発でクライマックスへ。停電になったあと、全員による商品の投げ合いでスラプスティックが頂点を築く。この意味なしランチキ騒ぎに、ノーテンキ・パワーがみなぎる。とにかく画面奥でメインと違う芝居をみせているものがいたり、イシュマエルの多角的表現がおかしさを倍増。
なるほど、やるじゃないか。
確かにこれをホメるのはヒンシュクかもしれないが、個人的にそこそこ気にいった。
また、ダンがすごく美人で、好みのタイプなのにときめきをおぼえる。デモに参加中のロネル・ヴィクトル演じる神父をホテルへ連れこみ、取材で誘惑のとき、シャツのボタンをはずして胸をはだけ、バックのアングルだからオッパイがみえないものの、ドキドキをくれる。長身のメラニーは短パンやハミケツぎみショギング・パンツで細いおみ脚を強調し、視線を奪いまくる。リッキーとのベッドで、リッキーが小さなビキニ・パンツなのに、シャツを着たままが残念。グロリアにもベッド・シーンがあって、革命をとなえるマンジョー・デル・ムンド演じる同志とセックスになり、いささか露出不足ながら、嬉しい限り。スカートから太腿が大胆にのぞくショットもでてくる。一番ファンのディーナにそそるシチューションを欠くのは、さすがに不満とはいえ、かわいさで許す。
女優の魅力もたっぷりの充実した内容。
とくにウハウハだったのはジャクリンで、エドゥの執拗な説得によってモデルを引き受け、スティル撮影がプール・サイド。スリップ姿で肩紐をエドゥがおとし、ジャクリンが戻すのを何回も繰り返す。パンティーがでる位置まですそをまくるかでももめたあと、ついには全身がビッショリ濡れてスリップがボディーにペタリと貼りつく。下はパンティー一枚でノー・ブラだから、乳首がくっきり浮きでていて、これは我慢できない。もう、まったく、オッパイ丸みえよりもカッカ燃えまくる。
ウルトラ・セクシーだ。
今や実力派としてみごとな演技を披露するジャクリンが、若き日の乳首をおがませた作品として、いつまでも記憶に残したい。
