ＷＯＲＫＩＮＧ　ＧＩＲＬＳ
　
84年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：イシュマエル・ベルナル
主演：ヒルダ・コロネル
　　 　ジーナ・パレニョ
　　　 リオ・ロクシン
　　　 チャンダ・ロメロ
　　　 カルミ・マルティン
　　　 マリア・イザベル・ロペス
　　　 ベイビー・デルガド
　　　 ロベルト・アレヴァロ
　　　 トミー・アブエル
　　　 エドゥ・マンザノ
　　　 ロメオ・リヴェラ
　　　 ラウル・アラゴン
　グランド・ホテル形式で働く女性たちを描くドラマ。
　銀行と商社という二つの会社が舞台になり、ヒルダ・コロネル演じるのが銀行の次期副頭取候補で、ロイ・アルヴァレス演じる芸術家の愛人を持つも、ロイにはほとんど生活力がない。
　リオ・ロクシン演じるのがヒルダの秘書で、同じく副頭取の座を争っているトミー・アブエル演じる重役の子を妊娠している。
　銀行にはもう一人、カルミ・マルティン演じるのが色仕かけで玉の輿を狙う秘書で、第三の副頭取候補であるボスのラウル・アラゴンとできている。
　一方、商社のほうはチャンダ・ロメロ演じるのが有能な社員で、ロメオ・リヴェラ演じる夫との不和から辞職を申しでるも、かえってエディー・アレナス演じる社長によって管理職に抜擢される。チャンダはロベルト・アレヴァロ演じる不倫に陥りそうな相手とよろめき状態にある。
　ベイビー・デルガド演じるのがチャンダの同僚で、仕事先のトミーとの結婚を狙っている。
　マリア・イサベル・ロペス演じるのが受付嬢で、ジョエル・ラマンガン演じるオカマのブローカーから売春を斡旋されるながら、断っている状況。
　ほかにジーナ・パレニョ演じるのが両方の社に出入りする貴金属品のセールス・レディーで、おカネを貯めるのを目的のトップにおき、トニーをターゲットにベイビーの動向をうかがっている。
　との七名を主人公に、ジーナ、リナ、チャンダの決して裕福とはいえない、ベイビーのデリア・ラソン演じるお高い母のいるめぐまれた家庭描写を含みながら、ヒルダが副頭取に就任のほか、リオが未婚の母になる決意をかため、カルミが新しいボスとの恋愛を成功させ、チャンダが夫のために会社での地位をふって職場を去り、ベイビーがトニーと結婚し、マリアが売春を積極的に受け入れ、ジーナがトニーから慰謝料の獲得に成功という、各人なりの生きかたでシメるまで、破綻なく無難に展開していく。そういう意味で構成がよく練られていてなかなかうまいのだが、よくできましたね以上の印象が起きてこない。イシュマエル・ベルナルの実力を考えれば、適当に流したレヴェルにおさまっている。
　でも全体的にコメディー・タッチで、ジーナがベイビーを探るとき守衛を買収の様子や、忍びこみで腰を痛め、メイドに「サロンパスちょうだい」といっているなど、けっこう愉快。とくにドジ秘書をコミカルに表現のカルミが賞賛にあたいし、デスクのまわりをガチャガチャと崩しまくり、プリンターのリボンを顔にからめ、そこそこ笑わせてくれる。中でもエドゥ・マンザノ演じる新しい上司がマジメな二枚目タイプで、いつもカルミの大げさな誘惑ポーズにひるみ、たまたまカルミを家まで送ったとき、車のドアにスカートが引っかかってビリビリと破れ、カルミのパンティーが丸だし。「キャーッ」と叫ぶカルミを守りながら、オロオロと玄関までガニ股歩きするおかしさは、思わずハッハッハと声をあげそう。
　ベヴァリー・サルヴィエホ演じる歌うトミーの家政婦など、脇にもユーモラスなキャラクターを配している。
　チャンダが昇給し、それを喜ばないロメオに「やっと車が買えるよ」といったり、カルミが電話番号を調べるとき、こっそりメガネをかけ、フィリピンでは美人の条件にメガネはマイナスなんだなと推測させるといった興味深い要素も登場。
　ヒルダが厳しい性格の女性でリオをしかるながら、リオがもてあそばれたとわかるや、トニーに怒鳴りこむ部下への思いやりを持ち、ココ・トリニダッド演じる頭取が信頼を向けるのに納得を与える。内気な弱さから男子社員たちによるウワサの標的だったリオが、ついにくだらない男どもをぶちかまし、堂々と社員食堂をでていくのを女子社員たちが拍手で送るといった人間描写にも注目点がみられ、説得力を高めるのは事実。
　また適度に盛りこまれたセクシーなシーンが退屈を呼ばず、むしろドキドキ興奮のときめきをくれるのが嬉しい。ヒルダがロイとのセックスのあとで胸にシーツをあてているのは、ロイがパンツ一丁なだけに露出不足ながら、オマケ程度のもの。ここでもカルミがやってくれる。ラウルとのセックスでまんがティックに大声をだし、腰のまわりにシーツを巻くと、脚をあげて太腿をあらわにしながらカラむのが挑発的。ラウルが副頭取レースで劣勢と知るや、取り引き先の会社へ乗りこみ、ジョニー・ウィルソン演じる担当者をメロメロに誘惑で事業を決めさせるとき、黒いビキニ下着が大胆ではないか。とにかく紐パンティーなのでギリギリの感覚がそそり、思わず鼻血をだしそう。先に述べたエドゥとのエピソードにおける白いパンティーみせもウハウハなうえ、前かがみの姿勢で胸の谷間をチラつかせ、エドゥが本能的に横目でのぞきこむシチュエーションなど、さながら小悪魔のお色気。ダンス・エクササイズではリオ、ベイビー、ジーナとともにレオタードを披露し、カルミだけお尻のドアップがあるから、ムズムズを我慢できない。笑いとの同居ではジーナも頑張っていて、無理やりトミーを押し倒す逆レイプもどきでパンティーをだしながら脚をバタバタ動かすのがバカっぽく、途中でベイビーが訪ねてきたので半裸となって対応し、いやがらせが強烈。パラッとオッパイを突きつけるポーズはバックからの撮影で乳首がみえないものの、ブヨブヨのボディーにアッチャー、とあきれるのみ。純粋に鼻息を荒くさせてくれたのはチャンダとマリアで、ロベルトとのセックスを決意するながら、やっぱりダメと謝って帰るチャンダはベッドに全裸で座り、オッパイを手で隠し、お尻の割れ目がみえる寸前だからよだれがたれてくる。ブラをつけた胸元のパワーもはかり知れない刺激。マリアは客をとり始め、オレステス・オヘダなどが演じる男たちから下着にむかれたり、ボディーに氷のかたまりをぬられたりでスゲーッ。クッションを抱いた全裸が視線を奪う。会社で出会ったクリス・ミチェレナ演じる青年と本気で愛し合うも、ロベルト・カンポス演じるクリスの父が顧客の一人だったため破綻する過程で、デートにクリスとプールへ行くと、超ビキニの水着が濡れて貼りつき、生つばゴクリの迫力。ロベルトとはシャワーで愛撫を繰り広げ、もう乳首が今にもオットットにウヒャーッ。
　ほかにジーナが情報を集めるＯＬの中や、ベイビーの友人たちの中にカワイコちゃんがいて、女優の魅力が映画にふくらみを加えたといえる。
　たぶんに個人的な趣味だが…
　と長所がそこそこ目立つのは確か。
　まあ、よしとしよう。