ＷＯＭＥＮ　ＩＮ　ＣＡＧＥＳ
　
71年：ニュー・ワールド・ピクチャーズ
監督：ゲリー・デ・レオン（ジェラルド・デ・レオン）
主演：ジュディー・ブラウン（ジュディス・ブラウン）
　　 　ロバータ・コリンズ
　　　 ジェニファー・ガン
　　　 パム・グリアー
　アメリカ合衆国に配給されたフィリピンとの合作ながら、ジェラルド・デ・レオンの監督作だし、実質的なフィリピン映画と思われる。冒頭のプロダクションのクレジットやエンド・クレジットが欠落しているため、制作会社がどこかは不明になる。
　いわゆるエロティックな女刑務所ものの典型をなし、白人女囚のサンディー役のジュディー・ブラウン、ストーク役のロバータ・コリンズ、ジェフ役のジェニファー・ガン、黒人所長のアラバマ役のパム・グリアーのヌードが主体なのは、アメリカ合衆国の観客を意識におくゆえん。ただし個人的に白人女性は興味の対象外なので、白人の三名と一緒に脱走する女囚のテレサ役を演じるフィリピン女優であるソフィア・モランに興奮をおぼえる。監獄の部屋で水浴し、乳首やお尻が全開の素っ裸なら、アラバマのレズのお相手をつとめ、思いあがったといじめをうけるときも全裸をみせる。賞金目当ての山賊たちにつかまり、レイプにあうシーンでもオッパイがこぼれ、乳首がポロリとのぞく。
　本音をいえば女看守のフアナ役にマリッサ・デルガドが出演で、すでに肥満がはじまっているとはいえ、美人のころのマリッサにヌードを期待が一番の目的だったのに、脱がされる設定があるにもかかわらず、まったく肌をさらさないままに落胆。相当に残念と告白ながら、ソフィア・モランのすっぽんぽんでお世話になって、一応は満足にしよう。
　ほとんどの女囚役や、違法カジノと売春部屋をもつ船でのダンサーや売春婦役、一般女性役はフィリピーナだろうし、中には全裸のものがいる。
　まあ、刑務所にカトリックの司祭がきたり、フアナが十字架を手にマリア像へ祈るのが日常だったり、脱走の失敗で亡くなった女囚のためにサンディーとストークとジェフとテレサが祈りを捧げたいとフアナに申しでて、脱獄のチャンスを与えてしまったりとの宗教性が、さすがにアメリカ合衆国というよりも、フィリピン映画だなあと実感させる。アラバマに人種偏見のトラウマをうかがわせるあたりは、アメリカ合衆国向けの内容づけかもしれない。
　脇の多くはフィリピンの俳優が固めるが、クレジットに名前がなく、反対に聞いたことのないアメリカふうの名前が読めて、おそらく変名じゃないかと推測する。このうちサンディーに内部調査を頼む捜査官のアコスタ役のジョン・レガラは、クレジットのバーナード・ボディーンと同一で、ジェフを利用で投獄へ追いこみ、麻薬中毒のストークに獄中でジェフの殺害を命じる悪のボスたるルディー役のチャーリー・ダヴァオは、クレジットのチャールズ・デーヴィスと同一に思える。ソフィア・モランはホリー・アンダースかロバータ・スウィフトにあたり、ルディーの部下役のパキト・ディアスはドワイト・ハワードだろうか。
　ほかに山賊のリーダー役でボンバー・モランの顔がみえる。
　スタッフにも助監督のルーベン・ルスティア、音楽担当のティト・アレヴァロなど、フィリピン人の活躍が目だっている。

※　この作品は『女体拷問鬼看守パム』の題名でＤＶＤ発売されたことがある。