ＷＡＮＴＥＤ：ＧＲＯ
　
99年：タウルス・フィルムズ
監督：ロリー・ベルナルド、ロベルト・デロス・レイエス
主演：リタ・マグダレナ
　　　 カトリナ・パウラ
　　　 アマリア・ジョーンズ
　　　 ポッポ・ロントク
　　　 ヴォン・セラ
　　　 ライラ・ロレナ
　　　 アリエル・レイエス
　　　 ニック・アラディン
　　　 デニス・コロネル
　　　 ラセル・アンジェラ
　リタ・マグダレナ、カトリナ・パウラ、アマリア・ジョーンズの三人がＧ.Ｒ.Ｏ.、つまりディスコ・パプのダンサーを演じるのだから、これは期待せずにはいられない。しかもちゃんとそれに応えてくれて、開巻すぐにリタが光沢素材の水着でセクシーなところをみせまくる。そのあとリタは食いこみ紐Ｔバックで踊る姿を真下から撮影したシーンもあり、堂々の貫禄ぶり。ダンサーという役どころをすっかり自家薬ろう中にしている感がある。
　容姿的な面でリタに一歩譲るものの、あとの二人も頑張っていて、オッパイ・スケスケの網Ｔシャツで踊るカトリナや、食いこみＴバックのアマリアもなかなかの迫力。トップレスになって、オッパイを腕でチラチラ隠したり、みせたりするシーンも、けっこう興奮を誘発する。ロリー・ベルナルドとロベルト・デロス・レイエスの共同監督は、ステージを撮るテクニックにまずまずの手腕を持っているようだ。
　プライヴェートの設定におけるヌードもリタの挑発的ともいえる肢体が二人に勝っていて、ベッドに横たわる彼女を背後からなめるように撮るショットは、芸術的とも思えるお尻に舌なめずり。トップレスにＴバック下着で逃げだして外を走るシーンにもフェロモンを爆発させている。アマンダもベッドの上にまだ幼い娘を寝かせ、自らは化粧室で座位になってセックスするシーンに、相手との激しい指使いがインサート的に加えられ、お尻のアナルまでみえそうで、かなり濃厚なエロスを感じさせてくれる。これに比べるとカトリナは騎乗位の体勢になって腰を動かすシーンで、撮影のヘタさから画面の下のほうにパンティーをはいているのがバレるのが損をしている。シャワー・シーンでのスッピンの顔が意外とブスだったりして、いつもはカワイイだけに、アレッという印象。
　プール・サイドのシーンでは、カトリナとアマンダのほか、クラブのマネージャー役のライラ・ロレナまでもが年がいもなくといったら失礼だが、水着姿になるのだが、どうせなら濡れて貼りついて身体の線をくっきり浮きあがらせてほしかったところ。
　まあ、彼女らのセックス・アピールを堪能できるのだから、ストーリーにはそれほどぜい沢はいわない。三人がそれぞれの事情でＧ.Ｒ.Ｏ.となり、恋をしたり、騙し騙されたり、ケンカしたり、仲直りしたりして、各人の生活を取り戻すまでが型どおりに描かれてゆく。決してＧ.Ｒ.Ｏ.の本音に迫っているとは思えないが、彼女たちの生活のいったんがうかがえて興味深い。バコロドが舞台になっているから、“ゴールデンフィールド・コマーシャル・コンプレックス”がでてくるあたりも、ニヤッとする点。
　三人の性格づけは、当然ながらリタが強い女であるのはもちろんだが、フラれて自殺未遂するカトリナをその対照的位置においている。子持ちの設定のアマンダには、もう少し母性本能的な要素が足りないように思える。
　もっとも深く人間を描くドラマではないし、それを期待しても裏切られるだけなので、軽い気持ちで楽しんだほうが得な作品だろう。