ＷＡＬＡＮＧ　ＫＡＴＡＰＵＳＡＮＧ　ＩＮＩＴ
（終わらない暑さ）
　
（98）年：ティタニウム・エンターテインメント
監督：ジョーイ・ロメロ
主演：デイジー・レイエス
　　 　ルストム・パディーリア
　　　 アラン・パウレ
　　 　クリセルダ・ヴォルクス
　　 　フィリップ・ヘンソン
　　 　アンジェラ・ヴェレス
　ストーカーものといえるかもしれない。個人的にはこのストーカーという言葉が大嫌いで、はっきり変態とか痴漢と呼ぶべきだと思うのだが、そんなことはどうでもよい。片思いの果てに依頼殺人までしてあこがれの女性を手に入れようとする内容であり、心理サスペンスのジャンルに入るだろうか。でも全編に緊迫感が希薄で、さっぱりスリルが盛りあがらないため、まっ、ジョーイ・ロメロ監督などスタッフには申し訳ないが、駄作と割りきってもしょうがないように感じる。
　そもそも構成からして１１０分を越える必要などまったくなく、２０分ぐらいに編集して引き締めれば、もう少し退屈しなかったともいえよう。
　ストーリーはルストム・パディーリア演じるビジネス・マンが、少年時代、学生時代に相手にしてもらえなかったデイジー・レイエス演じる女性に、今は経済的に成功したことを背景に接近。アラン・パウレ演じるデイジーの夫の信用を得て、ビジネス・パートナーにするなどの交流のうち、事故を装って夫を殺害するわけである。ところが冷たくあしらったクリセルダ・ヴォルクス演じる恋人が、ジェリー・オハラ演じる自分の弁護士とできてしまい、すべてをデイジーにバラされ、あえなくオジャン。
　タクシー強盗を演出するなどしたきっかけの罠や、パーティーでアンジェラ・ヴェレス演じる女性にルストムを誘惑させる作戦などはけっこう面白いのだが、魚の養殖ビジネスに誘うあたりからもたついてしまう。実はパンガシナンでの養殖ビジネスは、個人的にも誘われたことがあり、興味深い描写ではあるのだが…
　最後にルストムの変質ぶりが表にでて、自らが紹介したピーウィー・オハラ演じるメイドを射殺するあたりから狂気は伝わるも、縛りつけられたデイジーが脱出しようとして争いになるときの迫力不足は、ただただ演出力の問題だと思う。
　デイジーのトラウマになっている、シャロン・コンデ演じる母を殺された事件の記憶も、うまく生かされていない。
　それにデイジーのファンのくせして、こんなことをいうのは矛盾かもしれないが、デイジーくらいの女性があこがれの対象というのは、どんなものか。
　とにかく、しょうもない作品である。
　まあセクシー・スターのクリセルダが、ルストムの入浴しているところへ入ってくるシーンから、色っぽい要素には期待がつのる。黒いパンティー一枚になり、フィリピン人は全裸で入浴しないのかと思っていると、そのパンティーが濡れて貼りつき、なかなか刺激的。セックス・シーンでは乳首がみえないぞとイライラするものの、あとでジェット・バスのシーンで、水着を脱がされ、オッパイがポロンとでてかわいい。
　アンジェラはまだ小さな脇役扱いで、容姿もイマイチ洗練されていないが、それだけにかえって悪女の雰囲気がある。ドレスの紐をほどくと乳首丸みえのうえ、黒いパンティー一枚で抱きあげられて、なんと大胆なと嬉しくなる。アンジェラ・ファンとしては拍手喝采。
　で主役のデイジーはどうかだが、パンガシナンの海岸での水着がワンピースなうえ、撮りかたもスケベじゃないから、パンチ不足。ルストムが欲望を燃やす設定だけに、もっとセクシーなショットを入れなきゃダメじゃないか、とジョーイ監督にアドヴァイスしたいくらい。ルストムを夢の中で誘惑するシーンでの白いスリップ姿も魅力薄。ただ、ついにルストムとセックスするシーンになると、シャツを脱がされ、白いブラの胸の谷間にルストムの手がのびて、その手がうしろにまわると、エッ、ブラをはずすわけ、ワーッ、どうしよう、どうしよう、どうしよう、みえちゃうわけと興奮が盛りあがってくる。なのにデイジーの腕で乳首が隠れたままで、そりゃあないでしょうと落ちこむが、続く背中をなめられるショットでは下半身にシーツがかけられているものの、やや半ケツで、お尻の割れはじめがみえているからドキドキ・ワクワク。
　１００％満足とはいかないが、そこそこデイジーにも楽しませてもらったから、みたかいはあったようだ。