ＴＨＥ　ＶＩＲＧＩＮ　ＷＩＦＥ
　
00/01年：ＦＬＴフィルムズ・インターナショナル
監督：ホセ・Ｎ・カレオン
主演：ピエル・モレナ
　　　 レアンドロ・バルデモール
　　　 エース・エスピノサ
　　　 トントン・グチェレス
　　　 フリオ・ディアス
　　　 イッサ・イグナシオ
　　　 ジェフリー・サントス
　　　 ドン・ペポト
　　　 クロイド・ロビンソン
　ホセ・Ｎ・カレオン監督得意のセクシー・サスペンスである。
　豊満な肉体を誇るエロス・スターのピエル・モレナがヒロインで、結婚初夜に何度も夫を失ってしまうという、のろわれた女性を演じている。
　まず冒頭のタイトル・バックに水中を素潜りで散歩するピエルが登場。いきなりキャミとパンティーの下着からボディーをスケさせ、目がギラギラ状態に陥る。
　ピエルにはトントン・グチェレス、エース・エスピノサ、レアンドロ・バルデモール演じる三人の幼なじみがいて、誰がピエルを射とめても恨みっこなしの約束をする。さて、どういう口説きかたで三人はピエルを攻めるのかといった描写はまったくなく、あっさり事業家のトントンと結婚になり、あとの二人は落胆。その初夜に浴室からバス・タオルを巻いてでてきたピエルが、パンティー一枚になると、キュッと切れあがったヒップラインが美しい。そのときパメラ・オルティス演じる女が乱入してきて、トントンを撃ち殺す。泣き叫ぶピエルのオッパイのアップがあるのには、うわー、こちらも心臓を狙われたように嬉しいショックだー。
　一年後となって、ピエルはイッサ・イグナシオ演じる友人を訪ねてマニラへでる。ちょうどピエルが着いたとき、部屋の中ではイッサがセックスの真っ最中で、オッパイを全開に揺らしながら、騎乗位でもだえているのがやってくれる。イッサがセクシー・パブにつとめていると知って驚くも、別に悩むわけでなくピエルがそこのダンサーになるドラマの浅さは、エロティックなステージ・シーンを盛りこむためだから、とくに文句はない。ゴールドの装飾を加えたオレンジの下着で踊るピエルは、いかにも挑発的な視線がフェロモンをムンムンとさせるだけでなく、腰の動きがビンビンもの。終わるとイッサに「どうだった、これでいいの」なんて笑顔で聞くも、あんた、そりゃプロでも上級の部類でしょ。
　セクシーすぎる。
　イッサと部屋にいるときの、乳首がスケてみえる白いタンク・トップもドキドキを誘発で、今回のピエルはいつも以上に、よだれダラダラにさせてくれる。
　ジュニー・ガンボア演じる祖父の知人である、フリオ・ディアス演じる富豪が店へきていて、趣味の絵描き仲間のために、モデルになってくれとピエルに頼む。承知したピエルは海岸の岩の上に全裸で横たわるのだが、陰毛もみえていて、こんなスケッチ大会なら参加してみたい。
　今度はクレオパトラをイメージしたエジプト風のステージが登場し、エキゾティックなアレンジを加味した『ライク・ア・ヴァージン』（音楽を担当のハイメ・ファブレガスが実にうまい）をＢＧＭに、うしろが紐一本のＴバックでアートな要素を盛りこみながらも、勃起を刺激するかのように踊る。このあたりのピエルは、まったく『ＢＵＲＬＥＳＫ　ＱＵＥＥＮ　ＮＧＡＹＯＮ』のイナ・レームンドを上まわっている。フリオとデートになって海へ行き、透明度の高い水中をパンティー一枚で泳ぎ、濡れてパンティーがピタッと貼りついたお尻を突きだしたり、仰向けに浮きながら泳いで、顔とオッパイだけを水面に露出している姿など、やはり『ＢＵＲＬＥＳＫ　ＱＵＥＥＮ　ＮＧＡＹＯＮ』におけるホセ監督の美とエロスの共存が、ここでもたくみに表現されている。
　ピエルは親ほど年齢の離れているフリオと結婚するのだが、フリオが病気がちだった伏線はちゃんと描かれていて、初夜のときにシャワーを浴びている間に発作で亡くなってしまう。ピエルが浴室からでてきて、全裸のボディーをバス・タオルでふき、スリップを着るときに横から陰毛がのぞくのが、あまりにもおいしそう。
　家族に歓迎されていたピエルだが、ジョアンナ・ゴンザレスとジョアンヌ・アラノ演じるフリオの娘のうち、上のジョアンナがハッとするほどの美人。他の作品でヌードをみてみたい。娘たちから引き止められたものの、やっぱり故郷へ帰ることにする。
　遺産分割のときに、ピエルのぶんが不動産と２００万ペソとなっているのが興味深い。
　また一年後へと時間がたって、警察官のエースがピエルと交際し、いよいよ三度目の結婚へ。その初夜にエースはかねてから追っていたジョフリー・サントス演じる凶悪犯の逮捕の機会がやってきて、ピエルが体を洗っている間に呼びだされる。くもりガラスの奥でシャワーを浴びるピエルのシルエットからしてそそるが、全裸のまま浴室からでてくるところが、どうしてこうもイカせてくれるの、と嬉しい悲鳴をあげたいほどの大胆さ。エースはジェフリーと一緒に流れ弾に当たって死亡し、いよいよこれはのろいか、との印象に。
　しばらく映画は失意のピエルを描くのだが、刑務所へ面会に行ってパメラと和解したり、祖父が亡くなって遺言通りに遺骨を海にまいたり、感傷的なエピソードをうまく盛りこんでいる。この俗っぽい感動の押しつけは低レヴェルだといえばそれまでだが、決して嫌いじゃない。
　パメラにまったく色っぽいシーンがないのは惜しい。
　残るはレアンドロだが、当然のなりゆきとして、ピエルとできた関係に。二人が自然の中でセックスするときのピエルのオッパイのアップや、海中を泳ぐときと崖っぷちで抱き合うときの全裸など、ウハウハの光景の展開で、またもイキそう。
　「三度も初夜に夫を失った花嫁」との見だしの新聞が紹介されたから、フィリピンではそんなことがトップ・ニュースになるのかとあきれていたら、「四度目の結婚」までフロント・ページをかざっていて、いやはやタブロイド紙のネタは日本の東スポといい勝負。
　なんてことはさておき、警察担当のマスコミだったレアンドロは、仲間から「死ぬぞ」と警告される。映画はララ・ディマンリグ演じる犯罪グループの女ボスがレアンドロを殺すように依頼するシーンを紹介し、いよいよ初夜を迎え、さて、どうなるのか、とのサスペンスの盛りあげがそこそこうまい。ピエルのヌードがみたかっただけの作品だけに、こうしたストーリーにハラハラ的な面白さをプラスしてくれれば、稚拙な逆転劇だとの不満があるかもしれないが、素直に佳作だと認めてしまう。
　それにしてもピエルの魅力爆発は、最後の最後でとどめを刺してくれる。レアンドロが夜の海岸でピエルのイメージをみるエピローグで、ななな、なんと全裸で海からガバッとあがってくると、陰毛をバッチリと全開にしながら、堂々と歩いてくるではないか。オッパイはプラプラ揺れるし、レアンドロの前まできて腰をかがめると、カメラは斜めうしろにまわって、みごとな横チチとヒップの線をとらえる。そして立ちあがると、全裸のプロポーションが息をのむほどの迫力。正面からのカットに変わり、オッパイがこれでもかと圧倒してくる。さらに海へと戻っていくうしろ姿が、お尻の動きを納得の限り堪能させてくれて、完全にまいりました、降参です。
　ピエルのことを好みのタイプじゃない、と以前にいっていた自分は、ここで猛反省。大ファンになりますから、どうか許してください。
　そしてこれからも、気持ちよくさせてください。
　というわけで、ピエルの今までの映画の中で最高のもの、と評価したい。いやあ、まったくヌード・シーンだけとれば、心ゆくまでたっぷりと満足しました。
　ただジェフリーの情婦役でセクシー・スターのロサンナ・マグダレナが出演していて、バス・ローブを着てキスの設定があるのに、脱がないままなのが残念だった。
　ほかにピエルの母親役でジーン・サブリッツの顔がみえる。