ＶＩＬＬＡ　ＥＳＴＲＥＬＬＡ
　
09年：ＡＢＳ−ＣＢＮエンターテインメント／スター・シネマ・プロダクション
監督：リコ・マリア・イラルデ
主演：シャイナ・マグダヤオ
　　　 マッハ・サルヴァドル
　　　 ジェーク・クエンカ
　　 　ジェフ・アイゲンマン
　　 　ジョン・エストラダ
　　 　ジョン・アルシーリア
　　　 ロニー・ラサロ
　　　 ルビルビ
　　　 セリーヌ・リム
　　　 エンポイ・マルケス
　　　 ノエミ・オイネサ
　　　 リザ・ロレナ
　　　 ヤヨ・アギラ
　リコ・マリア・イラルデがこだわるジャンルのホラー。シャイナ・マグダヤオとマッハ・サルヴァドルの美人共演に期待が盛りあがる。
　資産家らしいエディー（ジョン・エストラダ）の娘のアナ（シャイナ・マグダヤオ）は、母（ヤヨ・アギラ）を幼いころに亡くした過去をもっている。恋人のデニス（ジェフ・アイゲンマン）とつき合うも、父にはないしょ状態で、父は事業仲間のデーヴ（ジョン・アルシーリア）の息子であるアレックス（ジェーク・クエンカ）との交際を命じる。デーヴが所有の古いリゾートの“ヴィリア・エストレリア”を処分することになり、そこの視察でアレックスがアナとでかける。宿泊の予定を聞いていないアナが怒るも、しばし滞在を拒めず、三日ほどの逗留のうちに家族の秘密を知らされる。
　占い師のマダム・レサ（リザ・ロレナ）に「人生が変わる体験が起こる」といわれ、リゾートの管理人のグスティン（ロニー・ラサロ）がアナを懐かしがり、アナにはまったく記憶がない。絵の得意なアナが女性の呪われたごときスケッチを描いていたなどのミステリアスな進めかたのうち、リゾートの家政婦のスージー（ルビルビ）の幼い娘で、片脚の悪いジェニファー（セリーヌ・リム）が存在しない友だちのダニカと話すのに怪奇趣味がでてきて、リゾートの脇の小屋にぬいぐるみが吊るしてあるのがみえるのや、ジェニファーがぬいぐるみの人形を抱くのが伏線。スージーがアナに「ダニカはプールで亡くなった」といい、ジェニファーにしかみえないダニカ（ノエミ・オイネサ）の霊がアレックスの横にでてホラー色を強める。どうやら放りっぱなしのプールが謎の鍵とにおわせつつ、デーヴの部下のアンヘロ（ドディー・アクナ）とレーモンド（リチャード・クアン）がリゾートの売却の立案で「明日、プールの水をぬこう」といっていたが、そのプールへ引きこまれて消える。ジェニファーの姉にあたるスージーの上の娘のジセル（マッハ・サルヴァドル）が夜にグスティンがライトをもってうろつくのを、娘のアンドレアが亡くなって以来「まだ娘が生きていると信じて、毎晩、探している」とアナに教える。アンヘロとレーモンドの失踪を適当に「どこかへいったんだろう」程度に片づけ、アナがバックミラーに映るダニカをみたうえ、プールに落ちてアンヘロとレーモンドを引きこんだ化け物に足をつかまれるサスペンスでグイグイと緊張感を高める。ダニカがぬいぐるみの人形をプールに投げ、ジェニファーが水に落ちて、あがってくると目つきが変わっていることでダニカがついたと暗示が不気味さをあおる。
　ただし後半の展開が感心せず、ジョエル・メルカドのストーリーのもと、ジョエル・メルカド、リコ・マリア・イラルデ、アドルフォ・Ｂ・アリックス・ジュニア、ジョン・パウレ・Ｅ・アベリエーラの脚本が甘くなる。
　友人のオタップ（エンポイ・マルケス）の運転でデニスが助けにきて、母の形見のペンダントをアナがプールで失くしたため、プールの中に化け物をみたというのに、アナとデニスがプールサイドでオタップをひとりにするのがヘン。プールから飛びでた化け物にオタップが「モンスターか？　エイリアンか？」と聞き、化け物が吹いた緑の液体をかぶって亡くなるのは、エンポイ・マルケスの個性を生かしたコメディー・タッチながら、スージーの一家が去るとき、ジェニファーがアナにもらった似顔絵を「私じゃない」と捨て、脚の歩行装置をはずし、ぬるぐるみの人形の首を切るこけおどしのあと、ジセル（エダ・ノラン）が今まで会っていた女性とは別人と判明の部分に意外性が乏しい。穴に落下のデニスがアンドレアのミイラ状の死体をみつけ、そのデニスをデーヴがあっさり射殺は、安易な銃の使用がどんなものか。ジセルを装っていたアンドレアがアナに「私の人生を台なしにした」と迫り、グスティンの部屋に隠されたマリア像を前にアナの記憶がよみがえる。ぬいぐるみの人形を抱く幼いアナ（チェスカ・ビリオネス）はエディーとデーヴがアンドレアを殺す現場をみていた。エディーがアナに「忘れるんだ」とさとしたものの、少年時代のアレックス（パトリック・モレノ）や母と幼少をすごしたリゾートへきたのに、夢遊病のごとくスケッチを描く以外、まったくアナの脳裏に想い出の断片すら浮かばないとは無理がある。ついにアンドレアの化身がプールからでてデーヴを殺害は予想どおりで、娘のかたきとグスティンがエディーを撃つ結末に驚きがたらない。三角関係のライヴァルで横恋慕のアレックスが案外と純粋ないい奴なのはプラスかな。
　リコ・マリア・イラルデは音楽や効果音で恐怖をあおろうとの前半の手法がセコいと思わせる。
　子役も含めて役者は大体が無難で、エディーとデーヴのキャラクターはストレートすぎる。スージー役のルビルビにはちょっとユーモラスな味つけがほしかったところ。
　シャイナ・マグダヤオとマッハ・サルヴァドルの魅力はどうかだが、まずシャイナはエディーの目を盗んでデニスと会う自宅でのラベンダーのジーンズがそそり、ワンピースでプールに落ちて、アレックスがマウス・トゥ・マウスの人工呼吸を試みようとのとき、濡れて生地がボディーに貼りつくショットを欠いて残念。シーツにくるまってハダカで寝ているのに驚き、浴室でシーツをほどいて背中に傷あとがあるのにジセルを装ったアンドレアが気がつくシーンで、シーツをはだける瞬間がムズムズと下半身への刺激をくれる。ベッドで寝ころぶ短パンの太腿にくわえ、アレックスとデニスのケンカに「やめて」と体をゆする際に短パンのお尻がプルプルとふるえるのや、木の長いすに寝ているかっこうでシャツに浮かぶバストの谷間、階段をおりるときの短パンのお尻のアップ、デニスの死体を発見で前かがみになるシャツにのぞくバストの谷間、父の死に泣く前かがみのポーズでのバストの谷間、プールをみつめるように立つマリア像にペンダントがかかるのをとろうと像をのぼるのをななめ下からのアングルでとらえた短パンのお尻とチョイ色気をかもす。グスティンに食事をだす一年後のエピローグで、ガウンのバストをしっかりとめているのが惜しい。
　マッハはバストの谷間がキュートなラベンダーのワンピースのみで、アナの背中の傷あとに気がつくときや、アナに「人生を台なしにした」と迫るときのバストがおいしそうながら、プールからサバッとでたり、エディーとデーヴにぬかるみへ落とされたりの濡れるシチュエーションでワンピースがスケず、期待を下まわるレヴェルに終わる。
　美貌はマッハのほうが少し上だけど、シャイナに性欲が起きた。