（報復）
(82)年：
監督：ニロ・サエス
主演：ルディー・フェルナンデス
ロルナ・トレンティノ
ローズマリー・デ・ヴェラ
ジョージ・エストレガン
フィリップ・ガンボア
レス・コルテス
ディック・イズラエル
デンショ・パディーリア
マニー・ルナ
バルド・マーロ
ヴァル・イグレシア
ルーベン・ルスティア
グレッグ・ロサノ
エルニー・フォルテ
アリータ・サン・ジェーゴ
ルディー・フェルナンデス主演のアクションもので、いわゆる復讐劇。それも家族の仇なのが、いかにも一般的なフィリピンふうの内容といえる。
銀行のガードマンのボーイ（ルディー・フェルナンデス）は昔の仲間のジョージ（ジョージ・エストレガン）から銀行強盗を誘われるも、きっぱり断わる。今は妻のミルナ（ローズマリー・デ・ヴェラ）と息子のジュニアをもうけ、世話焼きのおじさんのディキン（デンショ・パディーリア）が一緒に住み、貧しいながらも幸福に暮らしている。結婚記念日にオシャレな洋服を着てミルナが銀行にきて、ボーイの早退の願いを支店長のレイエス氏（ルーベン・ルスティア）がお祝いでこころよく聞き入れたとき、ちょうどジョージのグループが襲ってくる。銃撃戦でボーイが犯人のひとりを撃ち、その兄のディック（ディック・イズラエル）がミルナを人質にとって逃げる。アルカンタラ中尉（マニー・ルナ）のひきいる警察の捜査でボーイがグルと疑われるが、レイエス氏の信用で容疑者をはずれる。でもディックにミルナがレイプの暴行で殺され、葬儀で強盗のひとりのブンド（バルド・マーロ）にジュニアまで殺害で報復を決意。親友（フィリップ・ガンボア）に銃をもらうと、まずはジョージと別行動の仲間（レス・コルテス）を始末し、その分け前を銀行へ返すように親友へわたしたうえ、アルカンタラの指示で警察のアボルテ（エルニー・フォルテ）がつけるのをかわすや、一味のヴァル（ヴァル・イグレシア）がいるナガへ向かう。そこで偶然に下品な野郎どもにからまれるダンサーのシンシア（ロルナ・トレンティノ）を助けたあと、地元ヤクザのボスのヴァルをやっつけるが、自らも銃弾をうけ、たまたま通りかかったシンシアに今度は救われる。シンシアの機転でマニラから捜査にきたアルカンタラをかわし、傷がいえるまでシンシアと海岸の家に隠れ、フェリーでシンシアの叔母がいるイロイロへいく。当然、ボーイとシンシアに愛が生まれて、恨みをはらすのも忘れるかのとき、ジョージの一味がイロイロに降り立つ。部下の現地のヤクザに協力させて居所を探り、映画館の前で待ち伏せるも、反対に木材置き場の対決でブンド、ジョージ、ディックとやられ、ボーイがマニラへ戻ってみれば、親友とつるんだレイエス氏が裏の犯人とわかる。
レイエス氏がボーイを気にかける理解者のようで、若い愛人をつれるあたりであやしさをにおわせ、一応は脚本のフミルデ・“ミーク”・ロハスが逆転の構図をつくる。でも警察がジョージたちの隠れ家を襲撃で場所のわれる経緯がなぞなら、ジョージ、ディックなどのメインの五人が逃れて、雑魚ばかりが撃たれる。ジョージたちがイロイロにやってくる過程もごまかし、クライマックスのドンパチで、やはりしばらく雑魚ばかりに弾が当たる。全体的に作劇が大ざっぱなうえ、ニロ・サエスの演出がご都合主義を優先。
とても平均レヴェルに達しないが、ボーイに強盗の話をジョージが切りだす場が日本食レストランで着物のフィリピーナがいたり、当時の雰囲気を伝えるディスコや、子分たちをともなうヴァルが愛人のホステスと飲み、シンシアがステージで踊るのをながめ、客席をまわってヴァルの近くでセクシーさをふりまくのを愛人がにらむ店内のナイト・クラブといった風俗要素におもしろさがにじむ。
なんといってもロルナ・トレンティノの魅力にすべてが尽きて、グレーのビキニでダンスが破格の興奮もの。ほどよい大きさの美乳が誘惑的に迫り、パンティーが貼りつくヒップがそそるなら、ボーイをかくまう部屋では半被型のガウンに太腿が色っぽいし、アルカンタラの捜査をごかますときは白いガウンの短いすそから伸びる長い脚の太腿が視線を奪う。ボーイとひそむ田舎で洗濯の川は足下をまくるまでで、ボーイと歩くビーチが水着じゃなく、キスも着たままがアレレながら、イロイロの叔母宅へ移ってのベッドでセックスは、シンシアがボーイに乗ってボディーをなめるショットでロルナの乳首がポロリ寸前のあやうさにクラクラ。プールで遊ぶシーンは赤いワンピースのロルナが泳ぎ、水着を濡らせてプール・サイドへあがり、ガウンをはおるのが惜しいも、ペタペタに水着がくいこむヒップや、絶品のくびれに悩殺をうける。
ロルナ、素晴らしい。
ローズマリー・デ・ヴェラはボーイとベッドでバス・タオルをボディーに巻き、ディックのレイプで服をビリビリッと破られずにキスの強制ばかりで、イマイチかなと感じたが、警察の死体安置所で暴行跡の無残な遺体をみたボーイがプールで家族のデートを思いだす挿入がウハウハをくれる。ビキニやワンピーズ水着の女性たちが遊ぶ中、青いワンピース水着のローズマリーがバツグンのプロポーションでプール・サイドをさっそうと闊歩し、ジュニアを肩車でプールにいるボーイの近くに座り、引っぱられて水面へドボンでカーヴのラインのキュートなヒップをアップに刺激をくれる。
あとヴァルのマニラの愛人役はバス・タオルをボディーに巻くも、ブスっぽいが、ルスティア氏の愛人役とヴァルのナガの愛人役はともに美人で、演じる女優のどちらがアリータ・サン・ジェーゴか不明ながら、やはり二人ともバス・タイルをボディーに巻くまでの露出で、ローズという役名の後者は罠でボーイを誘うホテルでシャワー後、すりガラスごしにぼやけた裸身をみせる。叔母宅でシンシアを迎える従姉弟がまずまずの容貌で気にかかる。ボーイがヴァルを探してナイト・クラブにくるとき、ステージで踊るビキニの二名は本物のＧ．Ｒ．Ｏ．だろう。
なおクレジットに表記がなく、資料にも書かれていないために制作年度とプロダクション名が不明だが、ナガの街の映画館で上映中なのがマイケル・ウォドレーの『ウルフェン』で、ボーイとミルナがでかけるイロイロの映画館で上映中なのがスヌーキー・セルナとアルベルト・マルティネス共演の『ＮＯ ＯＴＨＥＲ ＬＯＶＥ』とジェット・リー主演の『少林寺』から察するに、おそらく１９８２年か８３年の制作と思われる。
主題歌をローズマリー・デ・ヴェラが歌う。
