ＵＮＡＮＧ　ＴＩＢＯＫ
（最初のときめき）
　
96年：レオ・フィルムズ
監督：ジェリー・Ｏ・ティラソナ
　　　 エルウィン・トレス・ラナド
主演：ミヤ・ノラスコ
　　　 エリック・フルクトゥオソ
　　　 リタ・マクダレナ
　　　 レイ・“ＰＪ”・アベリアーナ
　　　 マイケル・アラノ
　　　 オデット・カーン
　　　 マリテス・サムソン
　ミヤ・ノラスコという女優はちょっと顔が平面的だし、やや太めだし、それほど好みじゃないはずなのだが、どうも気になってしょうがない存在。妙にそそる要素があって、ヌードがみたいという欲求をかきたててくれる。
　いわゆる初体験もののこの作品など、ミヤがヒロインとなれば、無視することができない。しかもＴバックの女王と個人的に名づけているリタ・マグダレナも共演ではないか。
　タイトルが終わるや、いきなりプールのシーンで、ビキニのミヤが登場。ウーン、魅力的。もっときわどい水着なら、さらに歓迎なんだけどなあ、と思っていると、リタが黒いワンピースで露出が少ないものの、濡れてピタッとヒップラインを浮かばせ、さすがに視線を引きつけてくれる。
　半ばにある二度目のプールでは、リタがビキニで水からあがるときにお尻のアップを含み、やっぱり大胆さではミヤを上回っている。友人たちとプール・サイドで踊るカットもサーヴィスとして歓迎だが、ここにミヤがいないのは残念。
　物語はラグーナ州のマジャイジャイに舞台をおき、パグサンハンの南に位置する風景が興味深い。オデット・カーン扮する地元の旧家の娘がミヤで、女学校へ通っている。エリック・フルクトゥオソ扮する青年が彼女をみそめ、最初は警戒されるが、気持ちをつかむことに成功。ほんとオーソドックスにデートして、手を握るようになって、初キスを交わして、という発展を描いていく。
　家の前で欲望を抑えきれなくなったエリックがミヤのオッパイをさわり、ミヤは振りきって家へ入ってしまうが、部屋でその感触を思いだすシーンが、もっともドキドキもの。黒い下着でベッドに横たわると、自分でブラの上から乳房を愛撫する。乳首がみえなくたって、こんなにも興奮をくれるシチューションは、あまりないんじゃないか。
　さすがミヤ。
　ただついにホテルで初体験のシーンはブラのまま抱かれるし、二度目のホテルで母親に踏みこまれるシーンはパンティーを脱いでいるものの、スリップを着ているから中身がみえない。結局ミヤのヌードは最後までおがめないままで、歯ぎしりしそうになる。
　まあ、身分の違いから母親に反対されて交際を許されず、妊娠してしまったものの、さらに引き裂かれていく内容は、あまりにも古風で感心しないが、若い二人のときめきのようなものはしっかり描けたと評価したい。
　これに本当はミヤのことが好きだったのに、ダメだとあきらめて、自分のことを愛してくれるリタとくっつくマイケル・アラノのエピソードが平行して描かれる。リタは妄想から寝られなくなって、夜にシャワーを浴びるシーンでスルスルと服を脱ぐと、横チチとおなじみのＴバックでオッと注目させたあと、ちゃんと全裸で浴びているから、待ってましたと拍手もの。マイケルとホテルへ行くシーンではまたもＴバック一枚になるうえ、小ぶりの乳房が丸みえで、とにかくみごと。
　他にリタは寮にいる設定だが、ケート・フェルナンデスとカテレネ・サルヴァドル扮するルーム・メイトのどちらかが下着姿になると、陰毛がよくはみでないものだというようなＴフロントのパンティーなのが鼻血ものだった。
　エリックにはマリテス・サムソン扮する姉がいて、レイ“ＰＪ”・アベリアーナ扮する強盗も平気な不良と正体を知らずにつき合っている中で、エリックと家出で山奥の家へ逃げたミヤを、レイがオデットにかけ合って暴力で連れ戻す展開は、初恋ものなのに荒っぽい感じがする。と思っていたら、オデットの家に押し入り、警察と銃撃戦を繰り広げるのは、いくらなんでも余計だろう。個人的に淡い物語でヌードは大歓迎だが、ヴァイオレンスは嫌いである。
　結局、青春映画として平均点まで達しなかったかもしれないが、ミヤとリタの魅力で、それなりに楽しんだというのが正直なところ。