ＴＵＳＯＮＧ　ＴＷＯＳＯＭＥ
（とらえがたい二人）
　
01年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：ベン・フェレオ
主演：ジャンノ・ギブス
　　　 アンドルー・Ｅ
　　　 ジョアンヌ・キンタス
　　　 ジャッキー・フォースター
　　　 ヴィクトリア・アン・ロンドン
　　　 デーヴィッド・ブネヴァクス
　　　 デクスター・ドリア
　　　 チンゴイ・アロンソ
　すさましいナンセンス・パワー炸裂で、お下劣コメディーとして相当にきわまった作品、との評価を与えたい。アンドルー・Ｅの主演作でも、とくにバカバカしく笑えるといえよう。
　ジャンノ・ギブスとの共演だが、まずは田舎で豚の交尾依頼と勘違いしたアンドルーが、セシル・“ダビアナ”・イニゴ演じるウルトラ肥満女に迫られるエピソードから始まり、マニラへでてきてオシッコが我慢できなくなり、公園で隠れて噴水のように放尿すると飲料水に勘違いする者がいたり、インチキ媚薬にひっかかったりといったくだらないギャグを繰り広げる。ジャンノもマニラへでてきて、あやしい悪霊払いの中国人に扮したり、女装して食い逃げしたりなど、変装芸で笑いをとる。とくに二人がであったあとの、アンドルーが下痢を我慢できなくなり、公園で野グソするのだが、たまたま弁当におかずのなかった警察官三人組が、ウンコを入れた袋を食べものと思いこんでアンドルーから取りあげるエピソードが強烈。全体的に下ネタをフル活用しているが、まあ、なんとお下品な、とあきれてしまう。
　プールの監視員になるシーンで、水着のジョアンヌ・キンタス、ジャッキー・フォースター、ヴィクトリア・アン・ロンドンがいてオッと視線を奪われ、とくにジャッキーの胸元など興奮もののうえ、二人からジョアンヌが「おかあさんですか」と聞かれてムッとする表情におかしさがあるが、まだ女優陣は顔見世の段階。プール・サイドで二人が股間にソーセージを入れて巨砲のフリをするギャグが続き、ここまでストーリーとはほとんど関係のない構成で約40分ほど。早くもアクの強い個性に圧倒される。
　金持ちの娘であるジャッキーとヴィクトリアの誘拐事件が起き、やっと本題に入る。誘拐犯の前でブレーキが間にあわなくて車でぶつかったり、美人の二人もひょうきんなキャラクターになっていて、けっこう頑張っている。
　身代金の受け渡しのとき、お金の入ったケースが舞いあがって黒人の運転する小型トラックの荷台に落ち、そのトラックがアンドルーとジャンノのつとめる洗車スタンドにきたため、アンドルーがケースを発見。ニュースで誘拐事件のことを知って、たくみにジャッキーとヴィクトリアに接近。ボディー・ガードになるといった展開なのだが、それぞれアンドルーとジャッキー、ジャンノとヴィクトリアに恋が生まれるのはいうまでもない。
　ジョアンヌ演じるもっとも信頼されている秘書が実は黒幕で、再び誘拐を指示。連れ去られた二人のためにアンドルーとジャンノが隠していたお金を提供のうえ、同時にアジトへと乗りこんで救出するのだから、後半はパターン通りの内容だといえよう。でも輸送されるトラックに立って縛られたジャッキーがオシッコを我慢できなくなり、ピッタリのシーンズをつたわってもらしたオシッコが、車の下につかまって追跡中のアンドルーの顔にチョロチョロとかかり、下ネタはちゃんと顕在。ジャッキーみたいなあこがれの対象にもなる魅力あふれる女性に、こんなことまでやらせて、本当に嬉しくなる。救出のときにアンドルーとジャンノが手下のそっくりさんに変装し、マスクをビリビリッと『ミッション・インポッシブル』のようにはがすシーンにも、苦笑いが起きる。
　ただ救出したあとの対決がいささか長いのは、もっとコンパクトにしてほしいとの印象。
　またジョアンヌが自分から黒幕だとバラしてしまうのも、ストーリー的に違うんじゃないかとの不満が残る。
　アンドルーとジャンノが歌うシーンが二回挿入されるのはサーヴィス精神だが、一回目の洗車場では、デブラ・イグナシオ、シンディー・パベロ、エルナ・ラモスのバック・ダンサーがジーンズのホット・パンツでセクシー。ＭＴＶ風の表現で洗車の水をかぶって濡れるカットもあり、十分に納得。二回目はプロ・バスケット・ボールの競技場で“ビートニックス”というＰＢＡダンサーズと共演で、かなり映画の流れからは浮いているも、ファンには拍手ものだろう設定において、ラップなんてほとんど心地よく響いたことがないのに、アンドルー作曲の主題歌にけっこう乗れる。この二つのシーンがいささか近すぎるのが欠点で、もう少し映画の全体的な構成の中に散らせてほしかった、との惜しい部分もある。
　もっとも個人的にお気に入りの作品として成立するには、セクシーな要素が不可欠で、この部分をちゃんと満足させてくれるのは高得点をあげたいところ。
　ジョアンヌはメガネをかけて登場し、容貌的にジャッキーとヴィクトリアに負けていることを自覚しているのだろうか。確かにちょっとブスっぽいものの、このジョアンヌのことがなぜか好きで、いつも熱い視線を送っている。デーヴィッド・ブネヴァクス演じる恋人かつ誘拐の相棒と海岸で遊ぶシーンで、ピンクのビキニがキュート。プラプラ揺れるほどの胸ではないが、歩くうしろ姿でヒップがキュッキュッと動くのが挑発的。寝転んでデーヴィッドにオイルを塗ってもらうときはブラをはずさなきゃ、とのあと一歩の印象もあるが、デーヴィッドにタッチされるお尻のアップに興奮。
　ジャッキーはホント好みの美人なうえに、迫力のボディーだから、チュッ、チュッ、チュッ。海岸を走るときに短いＴシャツを着ていて、ビキニのボトムがホット・パンツ風なのはイマイチなものの、水からあがったらＴシャツが貼りついて、ビキニのブラがスケているのがなかめかしく、乳房がみえているよりも色っぽい。
　ヴィクトリアはこれが最初の大きな役で、パーティーへ行く準備のために着がえるシーンの、白い紐なしブラとハイレグ・パンティーがあまりに刺激的すぎる。ボディー・ガードとなったジャンノに入浴すると声をかけるときの、ボディーにピッタリとフィットしたピンクのスリップがドピューッもの。入浴シーンは泡で肝心なパーツがみえないことがわかっているから冷めているが、続くピクニックでのピタピタのレザーのホット・パンツに、お尻をクネクネするポーズで悩殺をくれる。海岸では今にもオッパイがこぼれでそうな紐ビキニで、走る姿のバストが信じられないくらい大胆にタプタプと揺れて、完全に欲望が頂点に。もう、このムラムラをどう処理すればいいわけ、といった感じまで追いこんでくれる。雑誌『ＦＨＭ』に載ったヌード写真が素敵なこともあり、ファン宣言をしたい。
　まあ、ナンセンスにプラスしてセクシーも合格点だから、みて損のない作品だろう。