ＴＵＭＢＯＫ
（打たれた状態）
　
11年：ＶＩＶＡフィルムズ／パーム・エーシャ・マニラ・コーポレーション
監督：トペル・リー
主演：クリスティン・レイエス
　　　 ライアン・アイゲンマン
　　 　カルロ・アキノ
　　 　アラ・ミナ
　　 　ＡＪ・ムーラック
　風水に題材をとるホラーながら、キリスト教ならではの悪魔のモティーフを加える。東西折衷のおもしろさがでるかと感じたが、さっぱり冴えない。
　Ｙ字型に交差する角のせまい内側をトゥンボクを呼ぶそうで、そこの三つの道路にかこまれてたつ建物には負の気が流れるとの設定。
　父のベンヤミン（ジャオ・マパ）が亡くなり、息子のロニー（カルロ・アキノ）が妻のグレース（クリスティン・レイエス）とともにバタンガスから父の残したマニラのコンドミニアムへ引っ越してくる。トゥンボクに位置するこの住居でグレースが悪夢をみる。
　とにかくトペル・リーの演出はささいな動作をこけおどしに使うパターンの範ちゅうに始まり、ヴォン・デ・グスマンの音楽がわざとらしく響く。コンドミニアムへくれば赤ん坊の泣き声を聞いたり、子どもの幻覚が現われたり、またもとあきれる展開。霊感のするどい盲目の少女がいるあたりも定石になる。またトゥンボクは風水で凶とグレースに告げた従姉妹のルメン（ＬＪ・モレノ）が殺人鬼の惨殺にあったり、グレースが住む部屋でベンヤミンの妻のリタ（アラ・ミナ）が幼い娘のユミ（チェスカ・サルセド）を殺した過去をグレースに教えた隣人のエルシー（マルー・デ・グスマン）が盲目の娘のイサイ（アビー・バウティスタ）とともに、やはり隣人のワード（ＤＪ・ドゥラノ）が妻のリセット（ウェンディー・ヴァルデス）を殺害に巻きこまれたり、グレースに就職の約束をくれた女性が心臓病で急死をグレースが秘書（ソンジャ・カリット）から知らされたり、主人公の周囲に不幸がおよぶ構成もアイディア不足といえる。さらにロニーとグレースにコンドミニアムを案内したマーク（ライアン・アイゲンマン）が悪魔で、実はロニーの実父。ロニーが人間でないため、妊娠のグレースの子も悪魔とは『オーメン』かよとバカさ加減がもたげる。アロイ・アドラワンの脚本がイマイチ。
　全体の密度が薄いせいか、冗長な印象を与える。
　警察のカメラマンのロニーが殺人現場を撮影のようすと、グレースがジプニー強盗に遭遇と、ルメンを埋葬の墓地の風景が興味をそそるくらい。ロニーの腕の傷口から虫がでる描写は気持ち悪いかな。
　クリスティン・レイエスはさすがにかわいく、冒頭でバスタオルを巻いた入浴あがりの登場にときめきがおきる。衣装は生脚の短パン主体で、白や黄色のシースルーっぽいシャツには黒いブラが浮かぶ。バスタブにヤカンでお湯をいれるときのバス・ローブは露出が少ないも、ベッドで寝転ぶかっこうで霊がシーツをめくり、黒い短パンのお尻をつきだすポーズが視線を奪う。ロニーとセックスでブラをはずすショットはお申し訳程度。どちらかといえば下半身にタイトな黒ジーンズがもっともセクシーに感じる。
　クリスティンの姉のアラ・ミナは特別出演で、いささか年をとったものの、ガウンをはおるボディーに魅力が衰えないなと目をみはる。
　ＬＪ・モレノはジーンズが似合い、いまだ性欲をそそるタイプ。アナ・カプリがグレースの叔母でルメンの母との役は驚きのキャスティングだし、白髪のメイク・アップで中年ふうにつくるも、ルメンにマッサージをうけるショットで背中をだす。
　雑誌モデル出身のウェンディー・ヴァルデスは太腿のあらわな短パンやヘソだしの短パンが誘惑的なうえ、ジーンズの短パンのさいは上が下着のブラだけ。
　ソンジャ・カリットはメガネ美人に思える。
　やっぱりクリスティンもいいが、個人的にアラが最高だなと確認する。