ＴＥＲＲＯＲＩＳＴ　ＨＵＮＴＥＲ
　
05年：ダブル・インパクト・フィルムズ
監督：ヴァル・イグレシアス
主演：エディー・ガルシア
　　　 ロナルド・ガン
　　　 デニス・ロルダン
　　　 ジェス・サンチェス
　　　 マリカル・デ・メサ
　　　 アルマ・ソリアノ
　　　 ラモン・クリストファー
　　　 アルヴィン・アンソン
　　　 ジョージ・イサアク
　　　 カミール・ロハス
　　　 ヴァル・イグレシアス
　　　 レーイ・ロルダン
　　　 エルニー・サラテ
　　　 ピアール・ミラソル
　　　 ボブ・ソレル
　　　 リト・レガスピ
　特殊訓練をうけた部隊がテロリストにら致された人質の救出に向かうアクション作で、グループを主人公に置くのがフィリピン映画には少数派の構成をなす。でも隊員のひとりを演じるヴァル・イグレシアスの演出がさっぱり盛りあがらず、おさむい内容といえる。
　コブラのマークをかかげるテロリスト集団がアラブの組織と手を組み、まずはフィリピン軍のヴェラノ将軍（ボブ・ソレル）を暗殺。続いてクルース将軍（リト・レガスピ）の娘のシーラ（マリカル・デ・メサ）を誘拐で、クルース将軍がテロリスト・ハンターの出動を告げる。六名の隊員にはシーラの恋人のナンディン（ロナルド・ガン・レデスマ）や紅一点のデラ・クルース（アルマ・ソリアノ）がいる。ティームはシンジケートの本拠をつきとめて急襲するも、シーラを盾にとられて降参し、拷問になる。組織のリーダーのマリック将軍（デニス・ロルダン）がシーラに欲望を抱き、ナンディンの目の前で指輪を贈ってキスにシーラが応える。それでマリックが油断のスキにシーラがティームを助け、マリックの愛人の女性テロリスト（カミール・ロハス）も嫉妬から裏切り、ティームの味方につく。
　途中、田んぼで農作業をよそった一味が撃ってきたり、椰子の木林を爆破でココナッツがバタバタバタバタッと落ちてきたり、実はテロリストの村だったバランガイで葉っぱを一面に敷きつめ、ご飯やおかずを盛ってみんなが手でわけながら食べるフィリピン・スタイルの歓待をうけたり、クルース将軍へヴェラノが処刑のヴィデオを送りつけるとき、殺されるのがアメリカ人っぽいなどが興味深いが、細部のおもしろさといえる。ケンカでナンディンを逮捕はロケ地の市長をゲスト出演させるきっかけにしか思えないし、コブラが存在位置を把握の監視用マイクロティップを開発で女性に埋めこむのをシーラが目撃や、そのプログラムをティームが持ち逃げはストーリーにからまず、つけたしのアイディアにすぎない。とにかく車のチェイスにはじまって、モーターボートとヘリコプターによる銃撃戦や小型飛行機まで動員のクライマックスがハデなだけで迫力を欠き、まったくサスペンスにつながらないのが致命的。ティームのリーダーを演じたエディー・ガルシアのすっとぼけた人間味にあふれるウィットさも冴えないままの印象におわる。
　女優陣では美人のマリカル・デ・メサがナンディンと夜のビーチのデートで水着じゃなく、昼のビーチで連れ去られるときは水着だが、ボトムの短パン型なのでそそらず、オッと目を開いたのがワンピースでパンティーののぞきそうなポーズをとる程度なので落胆が先立つ。連れ去り犯の女たちがハイレグ・ビキニなのに視線を奪われるくらい。女性テロリストたちはブスばかりなものの、ひとり気になる存在がいるが、ダダ・ミトラなのか不明。カミール・ロハスはミニスカの脚をみせるのみで、なぜかアルマ・ソリアノはいっさいセクシーさを抑えている。ヴェラノ将軍を毒の吹き矢で殺し、自らは投身自殺のヒットマン役のピアール・ミラソルは口パクの歌で踊るも水着にならず、黒いレザーのコートがかっこいいも、中途半端でイマイチ。カミール・ロハス、アルマ・ソリアノ、ピアール・ミラソルといった脱ぐしか魅力のない女優が脱がないんじゃ、相当に困ったもの。カミールやアルマは、マリック相手にいくらでもセックス・シーンを加えるシチュエーションがあったにもかかわらず…。
　なお、アラブのテロリストを演じたジョージ・イサアクが脚本で、制作監修にはホセ・‘カカ’・バラグタスとともにテロリストのひとりを演じたジェス・サンチェスの担当から、テロリスト役のラモン・クリストファーやアルヴィン・アンソン、ティームのメンバー役のレーイ・ロルダンや監督のヴァル・イグレシアスも含めて内輪のスタッフによる作品に思える。