ＪＯＥＹ　ＧＯＳＩＥＮＧＦＩＡＯ’Ｓ　ＴＥＭＰＴＡＴＩＯＮ　ＩＳＬＡＮＤ
　
11年：リーガル・エンターテインメント／ＧＭＡフィルムズ
監督：クリス・マルティネス
主演：マリアン・リヴェラ
　　　 ルーファ・メエ・キント
　　　 ハート・エヴァンゲリスタ
　　　 ロヴィ・ポー
　　　 ソレン・ヒューサッフ
　　　 デニス・トリーリオ
　　　 アルジュール・アブレニカ
　　　 トム・ロドリゲス
　　　 ミカエル・ダエス
　　　 ジョン・ラプス
　ディーナ・ボネヴィーの主演による80年の同名作のリメークで、前の監督のジョーイ・ゴシェンフィアオをタイトルの冠につける。この題材は舞台化もされたが、とにかくアホっぽい内容。今回もアホさをそのままに引き継ぐ。
　ミス・マニラ・サンシャイン・コンテストのファイナリストの四名がクルーザーの火災で無人島に漂着の設定において、なにがアホかといえば、食べものはともかく、飲みものもない状況に陥る。水を飲まなければ人間は三日も生きられないことは、誰だって知る事実。この当たり前の常識を改変せずに平然と繰り返すわけで、監督・脚本のクリス・マルティネスが前回のスタッフと同様にサルなみの脳ミソ。
　水分摂取がゼロにもかかわらず、肌の表面にツヤを保つ女性五人と男性三人とオカマ一人がわがままにケンカし、愛憎劇を展開し、心理と肉体の対決をみせつけようと、ただのドッチラケにすぎない。あげくは自殺のオカマの人肉を食うにいたり、本来なら衝撃のはずが、まずは飢えより先に渇きでしょとあきれるのみ。
　サルなみ脳ミソの演出だからしょうがないか。
　いわゆるサヴァイヴァルの延長のごときシチュエーションにおいて、実際にサヴァイヴァルみたいな要素を盛りこみ、ＴＶの『サヴァイヴァー』で人気を得たソレン・ヒューサッフを出演者に起用がまったく効果をあげず、ロビンソン・クルーソーふうの人間観察ができない、しょせんは低級作。
　ならばマリアン・リヴェラ、ハート・エヴァンゲリスタ、ロヴィ・ポー、ソレンにルーファ・メエ・キントを加えた人気スターの共演にセクシー女優のお色気合戦を期待したものの、娯楽にすらパワーが弱く、本当にサル映画。
　とりあえずはコンテストの告知前の自宅のシーンでロヴィが演じるセラフィーナ・Ｌがプールで泳ぎ、うしろのあいたベージュのワンピース水着で寝転び、ルーファ演じる使用人のニンファが背中にローションをぬるとき、お尻の割れ目がはみだしそうで視線を奪うが、ロヴィは脇の刺青で魅力をさげる。漂着後はマリアン演じるクリスティナ・Ｇが赤、ハート演じるヴァージニア・Ｐが白、ソレン演じるプーラ・Ｋが青、セラフィーナ・Ｌがベージュのパーティー・ドレスをボロボロに着つづけ、ストッキングを脱いで漁を試みたり、ビーチでクリスティナ・Ｇとセラフィーナ・Ｌがとっ組みあったり、チキンの幻覚をみて海水を飲もうとしたりに、海で濡れてもドレスがタイトじゃないため、プロポーションが浮かばずに興奮度をさげる。一応はセラフィーナ・Ｌだけが水着を持っているらしく、ロヴィのみが水着を披露も、ヴァージニア・Ｐに片思いの同級生のアルフレド（アルジュール・アブレニカ）を誘惑でセパレーツのブラの肩ひもおろしがそそらず、撮りかたがヘタ。いやはやセラフィーナ・Ｌはパンティーをはぎとられるときでさえ刺激が少ない。また巨大アイスクリームの幻覚と扇風機にあたる幻覚のシーンは衣装が変わるながら、前者はフリルのスカートで挑発に遠く、ソレンは脇の刺青にガックリを招く。後者はゴールドのボディー・スーツでオッとうなったものの、しっかり全身のスタイルをうつさないばかりか、ほんの短い挿入的処理にあ然。一応はマリアンが生脚をたっぷりおがませるし、ミス・フレンドシップなのにもっともごう慢なセラフィーナ・Ｌに反抗のあと、救助のヘリコプターが去ったとニンファが勘違いでもだえるさいにルーファが股間までの生脚を露出も、水着を欠いたままに不満が残る。
　ふたたびコンテストのラストも四人のドレスばかりで、ソレンは黒いパンティーのチラつきを含むが、なぜに水着を着せないと怒りすらおぼえる。
　女性のエロスの表現も失格のサルなみクリスに落胆。
　まあ、エッチにこだわるこちらもサルのオナニー状態かもしれないけれど…。
　クリスティナ・Ｇと愛が芽ばえる船員のリカルド役のミカエル・ダエス、コンテストのスポンサーの一人をつとめるオカマのジョシュア（ジョン・ラプス）にかこわれるも、実はストレートでプーラ・Ｋとカップルになるカメラマンのウンベルト役のトム・ロドリゲス、アルフレド役のアルジュールのうち、トムは海パンを披露する。クリスティナ・Ｇの悪だくみをいだく恋人役のデニス・トリーリオは漂着のメンバー外。
　ほかにコンテストのスポンサーの一人であるシフト夫人役にアセニット・ブリオネス、プーラ・Ｋの母親役にデボラー・サンと前作の出演女優が顔をだす。コンテストの司会役をティム・ヤップとともにテッサ・プリエト・ヴァルデスが演じる。昨年のミス・マニラ・サンシャイン役にマギー・ウィルソンが美人ぶりをふりまく。クルーザーで騒ぐ女性役のカリラ・アキロスはコメディー・リリーフ。コンテストの告知前のキャンパスでヴァージニア・Ｋと話す友人役のクリスタル・ヘレラがちょっとかわいいし、うしろを歩く三人の女学生もまずまず。
　エンド・クレジットに前作と本作のセリフの同じシーンを並べてうつすアイディアは比較がおもしろいながら、駄作と駄作だから意味が薄いかな。