３　ＤＡＹＳ　ＯＦ　ＤＡＲＫＮＥＳＳ
ＴＡＴＬＯＮＧ　ＡＲＡＷ　ＮＧ　ＫＡＤＩＬＩＭＡＮ
　
07年：フィルムレス・フィルムズ
監督：カヴン・デラ・クルース
主演：カチャ・サントス
　　　 グウェン・ガルシ
　　　 プレシャス・アドナ
　　　 ブゴス・ダイゴ
　　　 エボン・ジョースン（リチャード・ジョースン）
　エロティックさがウリのディジタル作ながら、あまりにひどいでき。ホラーとしての要素も落第になる。
　カチャ・サントス、グウェン・ガルシ、プレシャス・アドナの共演で、まずカチャはそもそもがブスだったが、金髪のメイクが似合わず、ベタベタの厚化粧なうえ、太ったために色気が半減し、ただのデブ。グウェンは中国っぽい顔だちのせいか、日本人との設定なれど、刺青があるのとヘソピーをつけているのがわかっているため、まったく興味の対象外。プレシャスに期待がかかるも、やっぱりヘソピーが幻滅を招き、しかもカブンの表現のダメさ加減によって魅力がうかがえない。
　とにかく、あきれるばかり。
　同居する三名の女性を主人公に、キンバリー（カチャ）が妊娠でおろせないかと悩む冒頭をおき、教会で闇の三夜がやってくるとの知らせを悪魔の化身の偽神父からきく。 ニワトリを殺す儀式をロック・パーティーにかさね、終末的な退廃感をかもす。
　雨が降る音と停電で不気味さをあらわしつつ、第一夜は「悪魔がくる」とスリップのキンバリーがスリップのミチコ（グウェン）に伝えるイメージを冷蔵庫にあったスパゲッティーにムカデがわいているなどのこけおどしで高める。イサベル（プレシャス）は恋人とセックスにふける。闇の三夜は欲望がむきだしになるとの設定だが、雨の続く第二夜においてイサベルが憑かれたごとくピアノを弾き、キンバリーとミチコがレズを確認。「闇の三夜は終わった」というイサベルがミチコを連れ去る。第三夜にイサベルがキンバリーに襲いかかり、胎児をはらんだ腹を切り裂き、血がべっとりの内臓をとりだす。
　なにが最悪かといって、闇の三夜なので画面が真っ暗に近く、ほとんどなにもみえない。ロウソクをともし、ときどきその光で明るくなるも、第二夜からは黒い画面に会話ばかりがこだまし、第三夜の格闘は叫びと祈りの声のみ。第二夜のレズ・セックスが見せ場にもかかわらず、キンバリーとミチコのキスにはじまり、スリップのカチャとグウェンが脱ぎ、グウェンのお尻のアップを含む黒い下着や、トップレスでのオッパイのもみ合いとこすり合い、カチャの巨乳がゲインのあがった荒れ荒れの画質に、チラホラと点描的に浮かぶ程度。
　最低。
　スリップのキンバリーを切り刻むスプラッターの残酷描写も同様で、ディジタル撮影が暗さによわく、ただ真っ黒にしかうつらない特性のマイナスを計算せず、自己満足のバカな演出にシラけ、だんだんといらついて怒りがもたげ、脳みそがないのかとあきれにかわり、ついにはさじを投げ、こんなウルトラ駄作を平気で発表できるカヴンって野郎は心臓に毛のはえた大物かもと思えてくる。アルフレッド・アロイシュス・アドラワンの脚本だと、もうちょっとましかもしれない。
　イサベルのセックスで相手の男が立位に半けつなのに、バックの立位でプレシャスは黒いブラをつけたままなあたりから、カヴンはホモとうたぐる。ベッドの上でタバコを吸う、極端になえる行動のあとにオナニーでもプレシャスはタンク・トップにヘソだしの短パンまでしか脱がず、第一夜に恋人がきてもタンク・トップをとおす。一応、キンバリーが流産できないかとお腹をたたくシャワーでカチャが全裸のうしろ姿をみせるも、撮影のヘタさでお尻がボケている。
　ミチコがジーンズとブーツで歩きながら携帯電話で「バカ」といい、キンバリーといるときに「もしもし」とでて、いたずら通話に「スケベ」と吐きすて、キンバリーも「バカ」という日本語の中途半端な使用がイマイチなら、ミチコの部屋に日の丸っぽい貼り紙があるのがアホらし。だとスペイン国旗を貼るイサベルはスペイン系なのだろうか。
　すべてが短所のゴミみたいな作品。