ＴＡＴＡＫ　ＡＮＧＵＳＴＩＡ
（苦悩の跡）
　
80年：フォー・Ｎ・フィルムズ
監督：ジェリー・Ｏ・ティラソナ
主演：ルディー・フェルナンデス
　　　 エース・ヴェルヘル
　　　 ジョージ・エストレガン
　　　 ジェニファー・コルテス
　　　 コンラッド・ポー
　　　 デンショ・パディーリア
　　　 アニータ・リンダ
　　　 マリオ・エスクデロ
　　　 グレッグ・ロサノ
　ルディー・フェルナンデスとエース・ヴェルヘルの共演によるアクションで、実に安易な内容。
　コツコツ働くレネ（ルディー）は母（アニータ・リンダ）を養っているも、怠け者の義父（マリオ・エスクデロ）がカネを母にたかり、その息子（グレッグ・ロサノ）が不良で悪の組織とつき合っている。貧乏でも家や車をもつ階層にあるエリック（エース）は妻のマルラ（ジェニファー・コルテス）が悪の組織のボスの娘なため、結婚に反対するボスの意向で部下のバルド（バルド・マーロ）に襲われる。また不良のサルヴォ（コンラッド・ポー）たちに妹をレイプのうえ、斬殺された過去を引きずっている。義理の父の不当な訴えで留置場に入れられたレネは、出所してみれば親友のグドイ（デンショ・パディーリア）が殺され、義理の息子ともめたときのケガが原因で母が亡くなったのを知る。エリックは妻が自殺し、背後に父の組織の存在を確信する。義理の父を刺殺で逃げるレネをエリックが助け、二人に友情が芽ばえる。共同で組織を襲ったり、サルヴォの一味を始末なものの、警察署長（ジョージ・エストレガン）にだんだんと追いつめられていく。いったんはレネがつかまるが、エリックの応援で逃げ、ついにはレネの援護でエリックがボスをやっつける。でもレネが撃たれ、署長たちとの追跡のうちにレネが息を引きとったとわかり、エリックが逃走をやめる。
　善良な市民が周囲の環境によって殺人者化するストーリーはフミルデ・ロハスの脚本で、人物像がシンプルすぎて深みを欠く。また酒場や路上など、しょっちゅう無意味な殴り合いをくり広げている印象が強く、リアリティーが乏しい。殴り合いや銃撃戦のたびに『コール・ミー』のインストゥルメンタルを流すのもシラけ、ジェリー・Ｏ・ティラソナの演出がヘタ。
　とにかく緩急のつけかたにリズム感がなく、途中であきてあくびを招く。
　女優だと濃い容貌のジェニファー・コルテスがビーチでワンピース水着になり、浅瀬で寝ころんでのキス・シーンをみせるも、濡れてボディーに貼りつくショットが遠景なために興奮度をさげる。エリックの妹役は名前が不明で、レイプのときに短パン型のパンティーとブラがそそり、サルヴォが手ブラにパンティーの女をいじめる光景がエリックの中で回想にダブって、手ブラとパンティーにむかれるながら、いささかデカパンっぽいパンティーがダサい。先に脱がされている女性役はおばさんみたいなタイプのブス。レネがエリックと一緒に義理の兄弟を退治のバーにはパンティー一枚のダンサーがいるが、顔と乳首が隠れたままで興味を呼ばない、といずれも満足に遠い。
　ハズレ映画だ。