ＴＡＬＡＨＩＢ　ＡＴ　ＲＯＳＡＳ
（雑草とバラ）
　
94年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：ホセ・“カカ”・バラグタス
主演：セザール・モンタノ
　　　 アンジャネット・アバヤリ
　　　 ダンテ・リヴェロ
　　　 ベンボル・ロコ
　　　 アルベルト・マルティネス
　　 　ラモン・クリストファー
　イヤというくらい相手の撃った弾がこちらに当たらず、こちらが撃った弾は相手に当たるというご都合主義アクションだし、ストーリー的にもバレバレの展開なのだが、けっこう楽しめる作品になっている。
　というのも、アンジャネット・アバヤリの魅力が爆発している点に尽きる。
　ミンダナオのどこかの田舎町が舞台で、アルベルト・マルティネス演じるのが市長。イスラム教徒との話し合いの時間を持っている。このアルベルトの両親が爆死し、ＡＪ演じる妹がイスラム・ゲリラに誘拐されてドラマが始動する。ゲリラたちは五百万ペソの身代金を要求してくるのだが、ベンボル・ロコ演じるリーダーと、ラモン・クリストファー演じる過激な兵隊との間の雲ゆきが怪しい。ラモンは今にもＡＪをレイプしそうな雰囲気だし、別の事件で誘拐していた日本人の人質（どうみてもフィリピン人だが…）を衝動的に射殺するあたりに殺気がみなぎる。
　まあ、一般的なカトリックのフィリピン人にすれば、ムスリムへの理解などないだろうから、こんな描きかたになるのは当然か。
　セザール・モンタノ演じる腕っぷしの強い囚人がいて、ダンテ・リヴェロ演じる警察署長が釈放を条件に、ＡＪの救出に雇う。セザールが巧みにゲリラのアジトへともぐりこみ、ＡＪを連れて脱出するまでを映画はテンポよくみせる。先に述べたようにあまりに敵の弾が当たらないからシラける面もあるのだが、中吊りにする罠にかかったＡＪを助けるときに、ＡＪのスカートがめくれあがって黒いパンティーがみえるのにウハウハ。ラモンがセザールと向かいあったベンボルごと撃つも、反対に川に飛びこんだセザールにやられてしまう。
　ＡＪがワガママ娘でセザールをうんざりさせるのは定番の人間関係。ただ気持ちの通じ合ってくる過程をしっかり描いていないから、恋仲になるのが早すぎるぞ、との印象を与えるのが残念。
　傷を負ったセザールが包帯にするからと頼み、ＡＪがスカートをしょうがなく裂くと、ワンピースがミニみたいなってしまってけっこうドキドキ。でも川の中で濡れているのにスケていないぞ、との不満が起こってくると、逃げきった先で水浴びするとき、ＡＪはスカートをまくりあげてパンティーを丸みえに。しかもストリップのようにシャツの袖を肩からおろすポーズをとると、指先でコイコイのしぐさをする。
　ウワー、ものすごく挑発的。
　濡れたパンティーの股間のアップはあるし、お尻に貼りついた形はキュートだし、水の流れに横たわって抱き合うときの肌が輝いているから、まさにＡＪ最高。
　みてよかった作品だ。
　物語は無事に帰還となって、一件落着しない。アルベルトが実は陰の主犯とわかって、またふりだしに。ＡＪは本当の妹じゃなかったことを教え、財産目当ての犯行だった。そういえば誘拐のシーンでベンボルとの間に意味深なアップのつなぎを挿入していたから、伏線だったわけだ。ミエミエだといえば、それまでだが…
　セザールのとっさの機転でＡＪと逃げると、車だけでなく、モーターボート、バイク隊まで動員してのチェイスとなり、とにかくテンポはよいのだが、またも敵の弾が当たるに決まっているだろうというシチュエーションでも当たらないから、ちょっと苦笑い。ホセ・“カカ”・バラグタス監督はうまい面もあるが、このあたりの違和感を解消できなかった点が惜しい。
　ダンテはうすうすアルベルトことを疑い始めていたのだが、生きていたベンボルがやってきて真相を証言したから、アルベルトの逮捕に切りかえる。これで解決だから、すごくシンプルな内容。
　とにかくＡＪが与えてくれる満足感は、クライマックスでまたもスケール・アップするのが嬉しい。途中にあるベッド・シーンが、これからというときにシルエットになってしまうのはイマイチなものの、セザールのために銃へ弾をこめるショットでの衣装からのぞくバストの谷間がダイヤモンド以上に輝いている。とどめはバイク隊の隊長につかまって銃をつきつけられたあとで、つめよるセザールと奪い合いになり、双方から引っぱられ、服がビリビリッと破れる。ボロボロになった衣装から黒いブラとパンティーがみえちゃっているのだが、自らも蹴りを入れるときに片脚をあげたポーズでお尻がアップに。やられた相手は服の残がいを引っぱって川の中へと落ちるため、ＡＪは完全に下着姿。
　思わず抱きつきたいくらい、完璧ともいえるプロポーション。
　おいしそう。
　そのあとアルベルトが撃った弾で車が爆発し、セザールとＡＪは川へとダイヴ。
　ということはサバッと濡れた下着のＡＪが浮きあがってくるんだと想像すると、興奮を抑えきれない。アルベルトとダンテの銃撃戦になるも、早くＡＪをみせて。
　いざ水からでてくるとＡＪは下に短パンのようなものをはいていて「アレッ、下着のパンティーじゃないわけ、そりゃヘンよ」と一瞬落胆するも、色っぽいことには変わりないし、ブラのほうはフェロモンがムンムンだから、十分にイカせてくれる。
　ＡＪのセクシー・パワーがほかのすべての欠点をフォローして余りある印象だった。
　なおアルベルトの愛人である秘書を演じているカレン・サラスはサブリナ・Ｍのことで、ソファの上で抱き合うシーンが用意されているものの、まだヌードは披露していない。