ＴＡＨＡＮ　ＮＡ…　ＥＴＯ　ＮＡ　ＡＮＧ　ＬＩＧＡＹＡ
（もうやめなさい…　幸せはもうここにあるのよ）
　
98年：トーラス・フィルムズ
監督：ロリー・ベルナルド
主演：リタ・マグダレナ
　　　 アントニー・コルテス
　　　 リア・アロンソ
　　　 ヴォン・セラ
　　　 アリッサ・アルヴァレス
　　　 エルウィン・モンテス
　　　 アリエル・レイエス
　　　 ジェク・チャヴェス
　　　 ジミー・コンセプション
　リタ・マグダレナ主演のセクシー・ドラマ。
　母が亡くなり、悲嘆にくれているルミン（リタ）のもとへ女地主のクララ（スーザン・レイエス＝スーザン・コルプスの別名）がきて、生前の借金返済の代わりにメイドとして働くことを命じる。そこでルミンはクララの息子のマイケル（アントニー・コルテス）に犯される。一方、恋人のナルド（ヴォン・セラ）を親友のクリスティー（アリッサ・アルヴァレス）に奪われる。妊娠が発覚で屋敷を追いだされてクリスティーを頼り、行商を始めるも、実は未練が残るナルドが抱きついてきたため、クリスティーにも追いだされる。地主宅ではクララのお気に入りの婚約者（リナ・レイエス）が訪ねてきてマイケルに迫るが、マイケルのほうはルミンが忘れられない。伯母（スシン・ヤソン）のもとで暮らしながら行商を続けるルミンに近所のエルウィン（エルウィン・モンテス）とアリエル（アリエル・レイエス）が目をつけてからむと、同じく近所のセルソ（ジェク・チャヴェス）が助ける。いよいよ臨月をむかえて伯母とクリスティーが産婆で無事に出産。男の子との知らせに、クララとマイケルがエルウィンとアリエルを使って赤ん坊を盗みだす。絶望のルミンは自殺まで考えるが、後悔を感じたエルウィンとアリエルが罪を告白でクリスティーとクララの屋敷へ抗議へいく。屋敷の使用人のボヨン（ジミー・コンセプション）とエミール（エミール・クリストバル）も反抗的になって、マイケルに愛されていないと悟った婚約者が去り、ついにクララが折れて赤ん坊を返しにくる。ルミンとマイケルが結ばれて終わり。
　安手のロマンス劇の典型ながら、結果的に悪人のいない構成で後味が悪くない。
　でもリタ・マグダレナの脱ぎっぷりにもったいぶりが目だつのに不満が盛りあがる。マイケルのレイプのときにオッパイが隠れ、水浴び前の下着姿はスタイルが浮き彫りでパンティーのラインがそそるが、それ以上に脱がない。ナルドと海で遊ぶ回想ではスリップ姿で濡れるも、やや遠景なので乳首のスケるのがうかがいづらい。バスタオルを巻いたうしろ姿からパンティーをはくショットは貼りつき具合に悩殺をうけるとはいえ、お尻丸だしの部分をカットしている、と肝心の露出を惜しむ。アリッサ・アルヴァレスは白い短パンだけのトップレスでしゃがみ、ナルドにキスするうしろ姿において、短パンの食いこみがよだれを誘うも、オッパイがみえないまま。クリスティーの攻撃に押し倒されたナルドがルミンと交錯するシーンはリタとアリッサのスカートをはいたトップレスが交互にでてくるが、やはり二人とものオッパイをモロにしない。リア・アロンソはマイケルにダブダブのパンティーの下着姿でアタックをかけ、こちらもトップレスで乳首が陰に消える、とお色気描写は落第点。
　余談ながら、最近まで恋人だった（今でもつき合ってはいる）カノジョは「ヴィア・ヴェロソに似ている」と何名かに指摘されたことがあり、ヴィア本人と会ったときにそのことをいったら、ともにレイテのタクロバン出身とわかった。なんてのはどうでもいいのだが、ツー・ショットを撮ったら、似てないこともないなあって感じ。セクシー・スターのパメラ・オルティスによれば、ヴィアよりも「リタ・マグダレナよ」との意見で、なるほどリタのほうが近いかもと思えてくる。少し整形で顔をいじればリタのそっくりさんになるかもね、と本作のリタをみて実感する。
　マタブンカイでバルサを借りて撮影したときのこと、いかだのこぎ手が「ロリー・ベルナルドの従兄弟です」と話しかけてきた。「美術監督で、ときどき監督したり脚本も書く人でしょ」と答えたら大喜びでうなづいていた。一緒にいた芸能関係者は誰も名前を知らず、フィリピン映画界でもマイナーな存在なんだなあと察した。