ＴＡＧＯＳ　ＳＡ　ＬＡＭＡＮ
（肉体のすみずみに）
　
05年：エル・ニーニョ・フィルムズ／ヴィンセント・フィルムズ
監督：セザール・ＳＢ・アベーリア
主演：カト・デ・サントス
　　　 ヴィア・ヴェロソ
　　　 パオロ・リヴェロ
　　　 レネ・ロメロ
　　　 ルピン
　　　 ジョーナ・クリソストモ
　　　 クラーク・コンセプション
　ゆがんだ一家の人間模様。
　レネ・ロメロとヴィア・ヴェロソが夫婦を演じ、妻のヴィアがトニー・マナロ演じる議員のもとへ公然と通うのを夫のレネが認めている。カト・デ・サントスが娘を演じ、どうやら本当の父親はトニーらしい。そのカトにはジョエル・オルテガ演じるボーイ・フレンドがいるも、ジョーナ・クリソストモ演じる同級生とジョエルがセックスしたため、憤慨でジョエルと別れる。ずっと隠してきたがレネはホモで、パオロ・リヴェロ演じる使用人の若い男に肉体関係を迫り、拒絶される。ムーク・ペレス演じる男娼と知り合ってからはムークにはまってカネをあげ、女装も平気になって、それをみたカトがショックをうける。ヴィアとレネの夫婦喧嘩も絶えず、さみしい思いのカトをパオロがなぐさめ、二人に愛が生まれるも、セックスの現場にヴィアが踏みこんで非難し、レネがクビをいいわたす。ハイメ・パンゴ演じるパオロの従兄弟が手助けしてカトが家出で駆け落ちになり、仕事のないパオロはノノン・デ・アンドレス演じる貧しい新興宗教の神父のもとへ身をよせる。ヴィアの報告でトニーがジェーク・マドリガル演じる手下に捜索を命じ、カトのもとへヴィア、レネ、トニーがやってくる。対立の緊張した空気が流れるが、ルピン演じる息子ができているとわかってトニーが「孫だ」と喜び、全員が打ちとける。血のつながらない父のレネへの感謝をカトがあらためて感じる。
　くだらない内容だが、ヴィアとレネがカトを探してジョエルを訪ね、いかにも迷惑との態度をとるジョエルのしょうもなさが伝わる反面、カトとパオロがジョエルを頼り、浮気でビンタされた元恋人のカトに対し、ジョエルが返るアテのないカネを貸してあげるあたりの感覚がけっこう共感できる。セザール・ＳＢ・アベーリアの平板な演出の中でうなずける点といえる。ノノンへ銃を向けそうなジェークが、ついに撃たないのもよい。
　でもルピンが五歳くらいだから、そんなに長くカトは潜んでいたの、との時間的な無茶苦茶さが相変わらず。『愛と青春の旅立ち』やミュージカル『ＣＡＴＳ』の曲を流す安易さも手伝い、八十分に満たない小品と切り捨てて終わり。
　カトのセクシーさはまずまずで、ジョエルとのセックスでオッパイをだし、パオロとシャワーで抱き合ってもオッパイをあらわにし、パオロとのセックスではオッパイが大きく迫り、パオロと寝たのをみつかる朝、極細ひもＴバック一枚でオッパイの揺れるのがイケる。ミニスカや白パンがキュートなうえ、赤いビキニの下着のパンティーが股間に食いこんだ図に興奮。ただしヘソピーはいただけない。
　ヴィアはすっかり太めになったが、着がえで全裸のうしろ姿をおがませてくれる。キャミでベッドに入ってパンティーがのぞき、ややシースルーぎみを含む三タイプのスリップやミニスカなど、まだ健在ぶりが十分な刺激。
　あとジョーナがカトとジョエルのセックスをのぞいて自らもクラーク・コンセプション演じる友人とセックスを始めるとき、ジーンズのお尻を画面に突きだし、横からのカメラで黒いブラをとってオッパイをこぼす。カトにみつかるジョエルとのセックスで、上向きのオッパイをモロにする。
　もっとも全体的にフェチっぽい誘惑要素を欠くのがイマイチだった。