ＴＡＧ−ＩＮＩＴ
（夏）
　
04年：ＡＴＢ−４フィルムズ
監督：ニール・“ブボイ”・タン
主演：マリエル・デ・パルマ
　　　 アルマ・コンセプション
　　　 ジョン・アパシーブレ
　　　 ラッセル・シモン
　　　 アラン・パウレ
　　　 アリオーナ・アモール
　　　 サリーナ・ポールマン
　　　 カリーナ・ソベル
　　　 マリア・イザベル・ロペス
　　　 クリセルダ・クリステル
　さびれたビーチ・リゾートで連続殺人が起こり、どこかアメリカやイタリア製の安手Ｃ級ホラーを連想させる。実際、それらとたいして変わらないできなのだが、出演者の魅力が輝きを与える。
　マリエル・デ・パルマ演じるパンティー一枚の女が謎の男に追いまわされてオッパイをあらわに夜道を逃げ、殺される幻想をみるのが冒頭。この幻想は途中にも二回でてくる。アリオーナ・アモール演じるサスペンス・コミックの作家が友人のマリエルの紹介ナレーションをしゃべり、全体の語り手的に登場。ラッセル・シモン演じる恋人とマリエルがＴＶに『エクソシスト』をかけながらセックスを始め、意味のないこけおどしが多いなあ、と不安になる。オカマのアクロバット・ショーが繰り広げられるクラブでマリエル、アリオーナ、ラッセルがサリーナ・ポールマンとフランス・ダリ演じるカップル、カリーナ・ソベル演じるアリオーナのレズの恋人、ジョン・アパシーブレ、マーク・ヘレラ演じる一人ものの男といった仲間たちと会い、マリエルの誕生日にアルマ・コンセプション演じるマリエルの姉がオーナーのリゾートへ行くことを決めてメイン・ストーリーへ入る。
　到着と同時に「携帯が入らない」といっているのが、隔離状況をつくるアイディアとしてセコい。リゾートにアラン・パウレ演じる怪しい使用人が働くのは常とう手段で、わざと鉈をもたせたり、実にありきたり。料理につかう鶏を殺すのにアルマが異端の宗教っぽい儀式をおこなうだけでなく、マザコン気味のキャラなのも同様。アランやアルマが無実なのは、最初からあまりにも明らか。マリエルに予知能力があるような暗示や、つかれたようにイラストを描く伏線のほうがまだうなずける。
　とにかくマーク、フランス、アラン、サリーナと殺されていく過程で、どれもハラハラしないのがどうしょうもなく、マリア・イザベル・ロペス演じる母とアルマが仲のよいのを、マリアと血のつながらないマリエルが嫉妬したトラウマが単純すぎる。アリオーナが作家との立場も生かされず、稚拙なミステリーであることよ。肝心の殺人鬼の退治が自滅なのは迫力不足の限度をこえ、ニール・“ブボイ”・タン監督は本気なのかとの疑問すらわいてくるレヴェル。
　もっとも女優陣のセクシー・パワーが素晴らしい見どころをくれる。
　マリエルはトップレスの幻想のほか、自宅でのラッセルとのセックスで乳首がアップのオッパイがすごく、正常位から騎乗位になってお尻がラッセルのチンポのあたりにフィットした密着感のある腰の動きにゾクゾク。リゾートへきてからはラッセルにガウンの帯をほどかれ、オッパイがバッチリに。ビーチでは赤い極小ビキニがスリムなプロポーションを浮きあがらせてキュート。確かに全裸を堪能したあとにビキニもないものだが、好みなので…　イラストをみたラッセルを誘惑のときだけ脱がないのが残念かな。サリーナはフランスと部屋でケンカの際にブラになって、巨乳をうかがわせる。フランスとのセックスはフランスが全裸なのにＴバックの黒いパンティーをはいているのがアレレ。しかもフランスがアナル・セックスしようとして「痛い」と怒り心頭の流れなのに、それじゃ紐がジャマでチンポがお尻の穴に入らないだろう、といいたくなる。まあオッパイはモロみえだし、はいてないも同然のちっちゃなパンティーだけにカッカ興奮だが…　殺されて木に吊るされるかっこうは、オッパイ丸だし。マリエルともめたラッセルとのセックスが暗くてみえないのは、相当に惜しい。カリーナはアリオーナの愛撫を嫌がるシャワーで美尻を強調した全裸。ふり返ると乳首がアップのオッパイが広がり、やはり巨乳がおいしそう。ジョンに甘い声をかけて挑発は更衣室のシャワーで、パンティー一枚になって濡れると薄い素材のパンティーがお尻にペタッと貼りつき、真に嬉しいドキドキをくれる。オッパイはまたも乳首がアップにキャーッ。ところでビーチにおける水着の中では白いビキニが視線を奪うのだが、これがサリーナとカリーナのどっちなのか、顔がうまくうつってなくて不明。あとオマケがあって、事件解決後にオカマのショー・クラブの前でアリオーナがクリセルダ・クリステル演じる娼婦を買い、ホテルへしけこむ。クリセルダは全裸でシャワーを浴び、うっとりするようなお尻をみせるも、オッパイの形がイマイチ。マリエル、サリーナ、カリーナはかわいいけど、クリセルダはちょっとブス寄りだから、ホント、ただのオマケ。若手の四人に対して中堅のアリオーナはなぜか控えめになっていて、着がえでの黒いブラと、カリーナにカラむシャワーでのオッパイがチラチラ程度の露出に、一体どうしたのって感じ。
　一番の驚きは、もう熟女に片足をつっこんでいるアルマが、久しぶりに肌をさらしている点にとどめを刺す。薄いシャツを着て浅瀬で戯れるのをジョンがのぞくシーンで、濡れたシャツから乳首がスケスケ。ジョンと結ばれたあとはビーチをハイレグ・ビキニで走ってオッパイを揺らし、ジョンと寝ころんでイチャつくと、ややお腹がたるんで横筋をつくるボディーが大人の色気を放つ。海へ入ってジョンと向かい合いながら抱きあげられるポーズでは、なんとブラをはずしているじゃないか。ほんの少しで乳首はみえないながら、めいっぱいパンティーが食いこんだお尻が下半身の爆発を招く。
　美人のアルマに拍手。
　なお、マークが立ってオナニーするリゾートのトイレが臭いそうに汚いのは、いつも多くのフィリピンの施設に感じる実態そのもの。ノエル・ガルシアの音楽が不協和音の使用で不気味感をだそうとするも、どこかジョン・ウィリアムズの『フューリー』やニーノ・ロータの『カサノバ』に似たフレーズを含んでいた。