ＳＵＫＤＵＬＡＮ
（極端）
　
98年：シャンテン・フィルムズ
監督：セザール・ＳＢ・アベーリア
主演：イザベル・レイエス
　　　 フェルナンド・モンテネグロ
　　　 カトリナ・パウラ
　　　 ジーノ・アントニオ
　　　 ヴィク・ヴァリオン
　　　 オデット・カーン
　　　 トニー・カレオン
　　　 ナティー・サンチャゴ
　　　 エルニー・フォルテ
　別れ別れに住んでいた親子がいて、母のほうは判事になっている。娘のほうはやんごとなき事情から殺人を犯し、いざ法廷に立ったとき、裁くのが実の母だった…　という『滝の白糸』の亜流じゃないが、大メロ・ドラマを真剣にやるセザール・ＳＢ・アベーリアはさすがである。しかもイザベル・レイエスを主演に、娘が犯罪に走るまでをエロティックに描くから、嬉しいじゃないか。
　フェルナンド・モンテネグロがリーダーを演じるグループにイザベルの弟がプールでガール・フレンドを紹介するあたりは、なかなかほのぼのとした雰囲気。ジャス・オリアス（？）演じる従姉妹の勤める事務所でイザベルが働くようになり、ジーノ・アントニオ演じるそこの上司と恋に落ちていく部分も、まずまずのロマンスもの。フェルナンドたちがマリファナを吸い、レイプなどの悪行を始めて雲行きが怪しくなる。イサベルの弟が仲間に入らないとフェルナンドたちからしごきに合い、困ってガール・フレンドに相談。彼女の父がエルニー・フォルテ演じる有力者で、フェルナンドの父であるトニー・カレオン演じる市長に話すも、これを盗み聞きしたフェルナンドが弟を殺そうとして、代わりにヴィク・ヴァリオン演じる父がやられる。フェルナンドたちの裁判になると、トニーによってノノン・タルヴォ演じる裁判官が買収され、証拠不十分で無罪に。キレたイザベルが密かに射撃の練習をすると、ノノンやフェルナンドを処刑していくわけである。
　実際はノノンを襲ってみると、既に証拠隠しでフェルナンドたちに始末されたあとだったり、フェルナンドにはとどめを入れてないから、仲間の三名はともかく、殺してないとの設定がちょっとこじつけかな、という気がしないでもない。
　まあ、ナティー・サンチャゴ演じるイザベルの叔母からオデット・カーン演じる裁判長がイザベルのことを娘だと知らされ、神に祈るシーンなどがあるものの、アナクロ的な心理葛藤のドラマに盛りあげを欠いたのは残念。オデットの存在感あふれる演技ばかりに感心した。
　それでセクシーな要素だが、まずリア演じるフェルナンドがプールでナンパする女性がホット・パンツ姿で登場し、あとでセックス・シーンへ続く。服のままプールで濡れて乳首をスケさせたあと、貼りついた青いパンティーを部屋で脱がされるのにウハウハ。チラリとマンコののぞきそうな股間がうつる。あとラヤ・ローセス、カルメーリア・パディーリアなどの脇の女優の誰がどの役かわからないのものの、弟のガール・フレンドがプールでオレンジのスパッツふうのビキニをみせてキュートなヒップラインで引きつけ、あとで白いブラの下着になってくれる。フェルナンドのおどしでタンク・トップがまくれ、乳首を恥ずかしそうにだす。フェルナンドたちに集団レイプされる犠牲者は、ブラをはぎとられてオッパイがポロリ。
　とはいっても、これらはいずれもオマケみたいなもので、フェルナンドの恋人を演じるカトリナが大胆なヌード要員としての役割りをはたすのがすごい。セックス・シーンが三度あり、うち二回はオッパイをジャジャーンと露出し、フェルナンドの浮気を目撃して怒るときは、あてつけにシャツをまくりあげるとオッパイをしばらくプラプラとだしっぱなし。弟に焼きを入れるシーンでも、ふざけてお尻を丸みえのかっこうで突きだすから、さすがに肉体が売りだけのことはある、と満足の納得。
　イザベルは数少ない主演作だけに、よりがんばっている。シャワー・シーンの全裸からキュートなオッパイがモロだしで、水がお尻の割れ目をつたわっていく肌の質感がそそる。ジーノとプールでデートのときには、ジーノがイザベルの手をとるしぐさでこげ茶色のビキニをはいた股間のアップが挿入され、今にも陰毛がはみでそう。ベッドではきちんとスッポンポンのボディーが誘惑してきて、ほんと素晴らしいプロポーション。服を着ていても刺激的なのが驚きで、黒いパンティーがスケたスリップ姿や、殺人へ向かうときの黒ずくめのパンツ・ルック、フェルナンドを誘惑するシチュエーションでの黒いボディコンなど、いずれもビンビンとフェロモンを送ってくる。とくに圧巻は刑務所に収容されてからで、トニーに依頼された女囚三名がイザベルの命を狙うのだが、ナイフで刺殺しようとするときにイザベルは水浴び中。パンティーをとってオシッコしたあとに囚人服を脱ぐと素っ裸。三人相手に格闘するからオッパイがプルンプルンと揺れるだけでなく、陰毛もバッチリみえている。蹴りを入れながら脚を振りあげるポーズでは、お尻の奥からオマンコがのぞきそう。ヘソのあたりを切られるなど、ボディーのアップになるショットではパンティーをはいているのが下にチラッと映っているものの、やや引いた俯瞰の構図では全裸を通していて、これはたまりません。
　イザベルの魅力が映画のほぼ全部であったようだ。
　なおトニーの妻役はクレジットに名前が落ちているが、シーラ・サンチェスだと思う。