ＳＩＳＩＤ
（ダイヴィング）
　
01年：セイコ・フィルムズ
監督：ジョーイ・ロメロ
主演：アスンタ・デ・ロッシ
　　　 レーモンド・バガチング
　　　 ロデル・ヴェラヨ
　カレン・モンテリバノが全裸で豊満なオッパイを堂々の丸だしにしながら、騎乗位でセックスするショットから始まり、エロティックな作品への期待が高まる。白いビキニ下着姿もキュートで、けっこう美人だし、まずカレンにチュッチュッチュ。
　カレンは自動車のセールス・レディーで、レーモンド・バガチング演じるカメラマンが車を買わないから相手しなくなり、あっさりフラれたレーモンドが自己紹介のナレーションを語ってきて物語へと入る。レーモンドの一人称によるドラマなんだなと認識するも、そのようでいて、そうではなく、やっぱりそうだったのかという構成がユニーク。
　結婚式の撮影でモナ・サト演じる花嫁が「かわいく写ってない」といってカネを払わず、「元が悪いから」でケンカになるあたりは苦笑い。レイモンドの過去に別れた女性との思い出挿入でダメ男ぶりを暗示するとき、エレイン・ディゾン、マヴィク・エンリケス、ロサリンダ・ロサルの三名のうち、エレインがシャワーを浴びながらの愛撫で乳首のアップまでみせてウハウハ。ロサリンダにハダカがないのは意外だし、サーヴィス不足かな。
　クラブのダイヴィング・ショーの撮影を頼まれて、いよいよ本題へ。水族館のように横から内部をのぞけるガラスのプールが店内にあり、ここで水着になって泳ぐ女性が、待ってました、アスンタ・デ・ロッシ。青いビキニで熱帯魚と一緒に水中で戯れるも、バストの谷間といい、ウェストのキュッとしまったくびれといい、パンティーの食いこんだヒップラインといい、まったくみごとなプロポーション。しかもアトラクションの途中でブラをはずし、オッパイを惜しげもなくプラプラで、早くも興奮が頂点に。いやはや、レイモンドでなくても魅了されるに決まっているじゃないか。欲をいえばクラブのママさんをカラ・クリステルが演じているから、カラにヌードのシチュエーションがないのはなぜ？
　レーモンドの家でのセックスにつながり、アスンタは斜め正面からのアングルでパンティーを脱ぐと全裸。照明でお股のあたりを暗くしているものの、チラリとのぞくのは前貼りか、陰毛かでカッカ燃えてくる。
　すごい。
　レーモンドがアスンタに他人の体験談の回想を話すことで、突然、映画は主人公を交代させ、三人称にしたいわけ？　とのひねり演出を試みる。
　アーチー・ヴェントサ演じる裏のありそうな金持ちが、娘の通学のために運転手を探し、ナンディン・ヨセフ演じる友人に相談すると、ナンディンは本物の親子以上に深い絆で結ばれているロデル・ヴェラヨ演じる自分の義理の息子を推薦。ここからはロデルのエピソードに転じる。
　アーチーから娘を紹介されてみれば、なんとアスンタ。はたしてレーモンドが相手しているアスンタと同一人物なのか、別人なのか？　の疑問を提示したまま進行。
　今度のアスンタはセーラー服に似た制服で清楚さを強調するも、実は酒好きのじゃじゃ馬さを秘める。ロデルとの間にロマンスが生まれるのは当然の流れだが、酔ってそれぞれの部屋から電話するとき、アスンタが「ハダカになってる？」なんて挑発的な発言をしてゾクゾク。しかも受話器を持ちながら本当に脱ぎ始め、黒いブラのフェロモンがムンムンなのに、スカートへ手をやると、えっ、下も！　と鼻血がでそう。黒いパンティーの露出でビンビンを招くと、そのまま間髪入れずにブラをはずしたではないか。
　キャーッ、もう、オッパイをモロだしなんだから。
　電話を切ってシャワーへ入る動きへと続き、ロデルがパンツをおろしてみたくもないお尻をさらすも、アスンタがパンティーに手をかけたところで浴室へ消えるのは残念かな。
　でもクルーザーの中で飲みながら抱き合うシーンへとつながり、素っ裸のアスンタは乳首のアップまであるオッパイをこれでもかの全開で、もう我慢できるわけがない。座位でのお尻もペロペロなめてみたいくらいにおいしそう。
　こりゃ、すごすぎる。
　アスンタへカナダ留学の話がでて、悲観したロデルがナンディンとアスンタの狂言誘拐を実行。計画通りにいかず、アーチーとナンディンが相撃ちする結果を招く。怒ったアスンタが自殺すると脅すも、本当に事故で橋から落下。ロデルは逮捕されて服役し、釈放後にバイク便の仕事をしながらアスンタを探せど、どこへ消えたか行方知れず。
　以上のロデルによる体験をときどきレーモンドの発言をまじえて描くから、冷静に判断すれば時制が合わず、構成としてヘン。まあ、あえて変化球的な面白さを意識した確信犯だろうから、目をつぶろうじゃないか。
　たまたまクラブで泳ぐアスンタをみかけたロデルは、ついにめぐり会えたぞと舞いあがるも、アスンタには誰かわからない。ロデルが楽屋へ顔をだすときの、アスンタの白い下着姿がそそる。客として一緒にホテルへ行き、恋人のアスンタと同じ脚の刺青から「やっぱり」とロデルが叫ぶシーンでは、オッパイがこぼれる寸前のアスンタにスゲーッ。
　レーモンドとロデルがケンカになり、レーモンドがロデルをボコボコにしたあと看病。ロデルが恋人だったアスンタへの思いでメソメソ泣く純情さに、友情が生まれる。
　せっかくレーモンドとロデルがそれぞれ知るアスンタは、一人なのか二人なのかの謎に焦点が集まるも、ぞくぞくするようなサスペンスに結びつかないヘタさは、演出の力量不足。ひょっとしてアスンタはロデルに会っていたのに、ウソをついてるのかもよとの憶測から『去年マリエンバートで』を連想したが、もちろんあんな高級なものじゃない。
　映画は安易な解決策を選んでしまって残念。
　レーモンドの元ヘロデルから、もう一人のアスンタと再会したとの連絡がくる。じゃあ、脚の刺青の説明がつかないとあきれるけど、とくに深く突っこむのはよそう。
　いや、別に深くもないか…
　手紙の配達がくるとき、なぜかレーモンドは全裸でお尻をだしているから、女性ファンへの配慮と推測するも、さすがに余計。
　ロデルとアスンタが喜びのセックスを繰り広げ、先にパンティーをはきどったあとにワンピースを脱がし、ブラをはずすと、アスンタのオッパイがたとえる形容詞を探せないほどのド迫力で誘惑してくる。乳首がピンと立っていて指先でつねってみたいうえ、ああ、なんという弾力性。おそろしいまでにオーラすら放つ美乳。
　すごすぎるを通り越している。
　いきなりロデルとアスンタがバイク事故死し、レーモンドが検証を頼まれて、もう一人のアスンタが自分のそっくりさんの亡骸に対面するとの皮肉な結末を迎えるも、本当にこんなストーリーでいいわけ、との疑問がわいてくる。
　レーモンドとアスンタは愛の確証が得られずに別れ、アスンタは帰郷するためにフェリー埠頭へ。気がつけばレーモンドの一人称に回帰していて、ダイヴィング・ショーのヴィデオをみながら、やっぱりアスンタと結婚しようと決心するのだが、ヴィデオの中で泳ぐアスンタがまたボディーをくねらせ、トップレスのオッパイを突きだしてくるからウヒョヒョヒョヒョ。
　出航前までに駆けつけられるかのハラハラ感は、ありきたりなスリルの範囲内。待合室でレーモンドがプロポーズをするラストがまずまずで、愛の成就に周囲の客たちが拍手を送り、『クロコダイル・ダンディー』にも通じるホノボノ感。
　あと味がよくて、買える作品だ。語り口へのチャレンジ精神は、七割型失敗しているとはいえ、とりあえず狙いが評価できる。
　いいんじゃないか。
　もっとも内容より、アスンタのセクシー・ダイナマイトぶりが『ＲＥＤ　ＤＩＡＲＩＥＳ』を凌駕する大爆発で、間違いなく天国級と断言したい。