ＳＩＮＡＳＡＭＢＡ　ＫＩＴＡ
(あなたのために祈る)
　
(85)年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：エディー・ガルシア
主演：ヴィルマ・サントス
　　　 クリストファー・デ・レオン
　　　 フィリップ・サルヴァドル
　　　 ロルナ・トレンティノ
　異母姉妹の愛憎劇で、俳優のエディー・ガルシアが監督している。
　冒頭にエディー自身が演じる上流階級の父が亡くなり、遺言によってヴィルマ・サントス演じる長女のもとに、腹違いの妹があずけられる。エディーのあとを継いでヴィルマが会社経営にやり手ながら、いたってクールな女性。成長した妹をロルナ・トレンティノが演じ、看護学校の学生で、いつもヴィルマの指図のままに動いている。フィリップ・サルヴァドル演じる医者がロルナにほれていて、ヴィルマのいいなり状態を皮肉ると、本気で怒るほどヴィルマに劣等感を抱いてもいる。ヴィルマがクリストファー・デ・レオン演じる仕事関係の男と交際を始め、たまたまクリストファーが街でロルナと接触し、強い印象を受ける。ロルナがヴィルマの妹だとクリストファーが知って…　とのシチュエーション。
　ロルナとフィリップが交通事故を起こし、ロルナが記憶喪失に。フィリップはロルナを看病しながらも、体を抱けないイライラから荒れてバーの女とつき合う。クリストファーはすっかりロルナに気持ちを奪われ、こちらも会えない不満で自暴自棄に陥る。
　とにかく後半はヴィルマとクリストファーの対立をダラダラみせたり、ヴィルマがフィリップにバー・ガールのことを、クリストファーにロルナのことを「安っぽい女だ」と忠告したり、薄っぺらな悩みで退屈さが優先するばかり。クリストファーとフィリップが殴り合うのみならず、記憶を取り戻したロルナがクリストファーの名を口にしたのでフィリップが平手打ちをくらわせ、部屋へ閉じこめ、バーで大立ち回りを繰り広げるなど、暴力的表現が気にかかる。ヴィルマとフィリップが銃を持ちだすラストにいたっては、殺人にこそ発展しないものの、何をかいわんや。ギルダ・オルヴィダッドのストーリーによるオルランド・ナドレスの脚本がイマイチだと感じる。
　前半にあるロルナのところへ親戚がカネのむしんにきて、ヴィルナに頼めないロルナが仕事を探したり、ロルナが引ったくりに合ったり、ロルナとフィリップの事故でひかれた子どもの治療がでてこなかったり、中途半端な部分がある点も同様。
　エディーの演出はストップ・モーション、目と口のクロース・アップつなぎなどで小細工を加えるながら、スタイルをつくるにいたらず、全体から浮いているため、かえって余計な印象を与える。どことなく語るのに精一杯といったレヴェル。
　しょせん素人だったといわざるをえない。
　もっともヴィルマとロルナの魅力が絶賛にあたいする素晴らしさ。ヴィルマはプールからあがり、濡れたワンピース水着がまぶしい。ボディーやお尻に貼りついていて、もうなでなでしたいじゃないか。ロルナは服の試着シーンでブラの上半身が視線を奪い、オカマのスタイリストにスカートをおろされると、パンティーがのぞくかにオットット。クリストファーがビーチで寝ころびながらキスする幻想の中では、青いビキニ水着のパンティーがお尻をキュッとくるんでいて色っぽい。フィリップと海で遊ぶバンカー・ボートでのワンピース水着は大胆さを欠くものの、酔ったクリストファーがバーで踊るビキニのダンサーをみつめているうち、ロルナに変わるイメージがウハウハ。お尻をくねらせ、腰をふり、オッパイが小さめで安産型っぽいロルナがガァ〜ンと悩殺してくれる。とくに圧巻は滝のある池につかるところで、スリップを脱ぎ捨て、ハダカの背中にゾクゾク。ひょっとして全裸かなと想像していると、フィリップがスリップを着せ、水から立ちあがらせてパンティーをはいているのがわかるながら、お尻にペタペタで丸みえ同然。そのお尻にフィリップが手をかけ、スケベねー。乳首がスケてないのは残念ながら、爆発寸前まで追いこまれる。セックス・シーンはヴィルマともども、露出を抑えていても満足度が高い。
　ロルナに熱いキスを。
　ほかにロルナの友人を演じたアイリーン・セレブレがちょっとかわいく、バーの女（イヴォンヌ？）がエキゾチックなセクシーさだった。