ＳＨＩＲＬＥＹ　（ＢＡＳＥＤ　ＯＮ　Ａ　ＴＲＵＥ　ＳＴＯＲＹ）
　
98年：アマリツ・フィルムズ
監督：ニール・タン、ヴィク・ベラロ
主演：アヤ・メデル
　　　 トントン・グチェレス
　　　 アーミー・オーストリア
　　　 レオ・ラバゴ
　　　 プリタ・カバウアタン
　　　 ヴィク・ベラロ
　　　 アンジェラ・ヴェレス
　　　 アレン・ディゾン
　　　 リタ・マグダレナ
　出稼ぎ社会フィリピンを背景に、家族の絆を問うドラマ。
　アーミー・オーストリア演じる年増のＧ．Ｒ．Ｏ．が日本へいきたくて、毎日、エージェンシーへ通いながら、ずっと許可の順番がくるのを待っている。同じように日本いきを希望するヴェヌス・ヴァルガ演じるダンサーと不運をなぐさめ合う。アーミーにはアヤ・メデル演じる年ごろの娘がいて、ベリア・フロレス演じる近所のおばさんがアヤを水商売へ誘うのを怒る。やっと念願のじゃぱゆきが決まり、自分の不在の間、プリタ・カバウタン演じる知り合いのクラブのオーナーにアヤのことを頼む。中年のプリタは若いツバメみたいなレオ・ラバゴ演じる夫や、トントン・グチェレスとアレン・ディゾン演じる前の夫との息子、アンジェラ・ヴェレス演じるアレンのガール・フレンド、リタ・マグダレナ演じる店のホステスなどと一緒に住んでいる。自分勝手な性格でアヤを家政婦として使い、約束の期日にアーミーが戻ってこなかったあとは、さらにつらく当たる。同居人たちはやさしいトントンをのぞいて全員ヘンで、リタはアヤの部屋へ平然と客を連れこんでセックスし、アンジェラはレイ・フェルナンド演じるプリタの運転手を誘惑。しかもランディー・タレンス演じるアレンの友人にも手をつけたのでアレンの追いだしをうけ、レイと去っていく。一度はトントンに処女をあげようとしたアヤだが、信仰心の強いトントンが途中で愛撫をやめる。一方でアレンが偶然に水浴びの際、チンポをみられたのをきっかけに食指を動かし、ベッドに縛りつけてアヤを犯す。傷だらけになったアヤに対してプリタが挑発したと怒り、レオにも襲われて、今度はわざとプリタにアヤがみせつける。そしてアレンがまたも迫ってきたとき、包丁でチンポを刺して逃げる。レオが銃を撃ちながら追いかけてくるのを、トントンが救ってくれる。しばらくしてアーミーが戻り、アヤが行方不明とわかる。 ヴェヌスが勤めるバーでダンサーになったアヤは人気が高く、ヴェク・フェリペ演じる中年のパパに、カネが足らないと腕時計を巻きあげる。アーミーが訪ねてきてショックを受けるや、アヤがはねのける。プリタ、アレン、レオがアヤを捜しだし、いきなりの銃撃をヴィク・ヴェラロ演じる客席からずっとアヤをみつけめていた男が助ける。アーミーがヴィクに会って、カナダへ働きいっていた夫で、アヤに父だと紹介。ヤクザの犠牲になったために自分も連絡がとれなかったのをわび、三人が家族と確認する。ヴィクのレオ射殺は裁判で無罪になる。
　ヴィク・ベラロとブボイ・タンの脚本にニール・タンとヴィク・ベラロの演出で、おそらく出演をかねたヴィクの企画にニール・“ブボイ”・タンが協力との構図だろう。実話にしてはフィリピン人の一般像からゆがんだ面が目だつながら、特殊であるがゆえに映画の題材に選ばれたということかもしれない。それにしても生活のためにアーミーが体を売る現場をアヤがみて、複雑な心境になるシーンが最初のほうにあるが、日本にくるフィリピーナの前歴は、みんなこんな感じなのか調べたいところ。プリタがアメリカへいったとの説明は、カネがあればアメリカへいきたがる傾向を示している。唯一、まともなトントンが性を罪悪視し、宗教色の強さもうかがえる。アヤがトントンと再会のエピローグは車の接触がきっかけで、アヤは新車に乗っていて、いつの間に稼いだわけとの疑問が起こる。ヴィクのカナダでの貯金？　アーミーのじゃぱゆきはヤクザがらみだったし、自分の売春によるもの？　との答えはなく、やっぱりつくり話のように感じる。
　アヤのセクシーさはほぼ文句なしで、パンティーをだしたまま寝ているかと思えば、水浴びへいき、オッパイもお尻も全開の素っ裸を披露。レスティー・ヘルナンデス演じる隣人にのぞかれる中、オッパイがアップになり、陰毛がチラつく。階段の拭き掃除でもパンティーがハミだし、アイロンがけでは汗がにじんで、ノー・ブラのシャツに乳首が浮かぶ。トントンの前でトップレスのときは張りのよいオッパイがプラプラとゆれ、乳首をアップでとらえる。アレンのレイプはシャツをビリビリっと破られて、乳首がドバッ。レオのレイプはボディーが隠れたまま、レオの半ケツのほうが優先で気持ち悪いも、二度あるステージがやってくれる。一回目は光沢ビキニでお尻フリフリをたっぷりみせ、楽屋でブラをはずしてオッパイをポロリ。メタリックな赤い三角ブラの二回目は、好みの衣装だけにドキドキ。全裸もいいが、着衣も捨てがたい。
　アヤと同様に大ファンのアンジェラはいつになくイマイチで、アレンとのベッド、レイとの抱っこ、ランディーとのセックス、いずれも暗くてぼんやりしかうかがえず、とくにレイとのトップレスでのオッパイはもっとはっきりおがみたいうえ、プールのシーンで水の中にいるのみになり、濡れたボディーを欠くのが著しく不満。ただしスボンをはいたスタイルがかっこよく、スラっと脚の伸びた下着姿もうっとりながめるばかりで、あたらめて個人的にミス・プロポーションだと納得する。
　ほかにリタの客とのセックスがほとんど暗示にすぎないのは意外だし、残念なものの、ヴェヌスのステージがイケる。光沢ビキニの三角ブラに、ハイレグの黒いパンティー。こちらも着衣の刺激でかなりの興奮をくれた。