ＳＨＡＭＥ
　
99/00年：リーガル・エンターテインメント
監督：マニー・カスタニェーダ
主演：イナ・レームンド
　　　 ジョン・アパシーブレ
　　 　アンジェラ・ヴェレス
　　 　ルイ・マナンサラ
　　　 パカイ・バリカ
　　　 パウラ・ゴメス
　　　 カルラ・ゲヴァラ
　女性の自立を描くというか、ＳＭ男から逃げる話なので、もう一つピンとこない。脚本のホセ・ハヴィエール・レイエスと監督のマニー・カスタニェーダはかなり練ったというが、ダメ男がいかにも極端すぎて、どんなものかと思う。
　でも日本でもそうだが、家庭内暴力はけっこう深刻なようで、現実にある題材なのだろう。
　イナ・レームンド演じる主人公が、父を亡くしたあとに家を借金でとられてしまい、さらに不当な要求をされる。ルイ・マナンサラ演じる金貸しのおばはんが、いかにもいそうな高慢ぶりを示し、納得のいく描写である。ジョン・アパシーブレ演じるイナのことを狙う男が、もうカネを取りたてないように頼むもののうまくいかず、その愛犬を撃ち殺して脅迫するあたりは『ゴッド・ファーザー』の小型版というか、『危険な情事』を思いだす。
　ジョンはイナの引越しを手伝うときのいい人ぶりから、だんだんと顔つきが変わってくるあたりがすごい。とくに変態を丸だしにしてからの目つきなど、そこそこすごみがあって好演といえる。
　イナが妊娠するも、暴行を受けて流産し、水子の血まみれの屍骸がでてくるところなど、気持ち悪さの中に、ジョンの罪が秘められている。
　結局、逃げようとしてもつかまり、親切な隣人に助けを求めるや、隣人にすら殺意をみせるジョンに対し、ついにナイフをつき刺すイナの行為は一応の納得がいく。それも一回刺しても生きていて、恐怖と怒りから何度も何度も刺すのは、当然の対応だろう。よく過剰防衛とか、正当防衛ではなく殺意があった、というようなことがこの手のケースの場合、問題になったりするが、たとえ殺意が芽ばえていても罪ではないという主張を伝えられたという意味では成功だろう。
　もっともだからといって、イナの精神的な自立かと考えると、かなり違うんじゃないのとの印象が残り、困ってしまう。アンジェラ・ヴェレス演じるジョンのなじみのマッサージ嬢かつ愛人が、反対の強い性格で、ジョンに大きな口をたたいて平気でからかうのと対照に描いたのだろうが、うまくコントラストをつくれたようにも思えない。
　まじでイマイチ、ピンとこない作品である。
　ただラストでイナとアンジェラが軽く心をかよわせる部分は、けっこう理解できる展開になっている。
　まあ映画のみどころは、何をおいてもセックス・シーンといえるかもしれない。最初にアンジェラとの立ちバックがあり、アンジェラがお尻をつきだして、ジョンがパシッパシッといかにもチンポが入っているようにピストン運動をする。終わって着がえるときのローブを脱いだ黒いパンティー一枚の姿も魅力的だが、せっかく服を着たのに、また脱がされてオッパイがポロンとでるところは興奮もの。店でマッサージするシーンでは、シャツを脱いだ際のアンジェラのオッパイがあまりに形のよいのに、ただただみとれるのみ。これは特筆ものの美乳だなあと思うや、続くアンジェラがジョンの身体に巻いたバス・タオルの中に手を入れてキンタマをもむ行為で、快感がヒシヒシと伝わってくる。アンジェラの乳首をさわるときの感触もビンビンにイメージできて、アンジェラ・ファンにはたまらない作品と賞賛できる。
　イナはジョンがベッドにしのんでくるシーンで、全裸のまま横たわり、腰のあたりの線がみごとなカーヴ。照明で陰毛はみえなくなっているが、ほどよい大きさのオッパイが誘惑してくる。ジョンは手でボディーをさすったあと、すぐに全身をなめ始め、舌がアナルのところへきたときはゴクリとツバを飲みこむ。正常位のセックスに変わり、激しさではなく、ゆっくりと挿入しているという感じでジョンが波打つように腰を動かす姿には、わざとらしさではないセックスの描きかたがしっかりとうかがえるようだ。アハーンなんてうめき声をあげず、ウッといった息づかいが伝わってくるあたりがみごと。
　海岸のシーンはイナのビキニがやや大きくて、ぶさいくだぞと感じるも、内気な女性との設定なのだからしょうがない。ほかの作品で極小ビキニを着たときのイナのセクシーさを知っているだけに、やや残念。でも胸の谷間やヒップラインはまずまずだし、セックスになったときの二人の腰と腰がピタッとくっついているカットや、オッパイのアップには感激。あとで暴力的に脱がされるシーンでは乳首のアップも含み、やってくれるじゃないですか。
　ジョンがフェラチオさせるシーンには口内発射でイナがゲーッと精液を吐きだす光景があり、いかにも変態的な視点なので、なるほど口にだすのは、やっぱり女性をバカにした行為なんだなあ、とあらためて納得する。日本の性風俗がどれほど奇形かを思い知るようだ。
　ほかにジョンが連れこむ女としてパウラ・ゴメスが出演していて、オッパイを大胆に露出が嬉しい。
　性表現がうまいという意味では、本当に拍手ものの作品かもしれない。
　あとヌードにはならないものの、イナの友人を演じたカルラ・ゲヴァラがなかなかかわいかった。