ＳＥＸ　ＤＲＩＶＥ
　
03年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：ロベルト・ケブラル
主演：マウイ・テーラー
　　　 カチャ・サントス
　　　 ウェンデル・ラモス
　　 　アントニオ・アキタニア
　ＶＩＶＡホット・ベーブスとして売りだされたセクシー・スター七名のうち、中心的な存在であるマウイ・テーラーとカチャ・サントスの共演作。映画は最初からいかに二人のボディーを刺激的にみせるかに主眼をおいていて、ソフト・ポルノ・タッチの青春ドラマになっている。それだけに嬉しい作品。
　マウイがＳＥＸへの興味とおそれを語る冒頭でジュヌヴィエーヴ・ロベールの『カジュアルセックス？』を連想したが、まったく違う内容だし、あれよりははるかにマシだった。でも映像に凝るばかりの薄っぺらさからは、マイナスの意味でのスタイリッシュな傾向をうかがうことができる。マウイの初ヌード作である『ＧＡＭＩＴＡＮ』にも通じる要素だが、実際、ロベルト・ケブラル監督と共同で『ＧＡＭＩＴＡＮ』の監督だったクァーク・ヘナレスが脚本を書いている。黄色い四駆に乗ってマニラからサガダへ向かうロード・ムーヴィーなのが、ちょっと興味をそそることもあり、ドラマへの期待もじゃっかんながら起きてくるものの…
　アル・タンタイとピンキー・アマドールが両親を演じるマウイの家庭描写が、いかにも中流独特のあたたかみを欠くムードなのはまずまず。モデルの仕事をしながらも、まだ処女との設定のマウイが、ジェイ・ガルチトレナ演じる恋人からのベッドへの誘いを拒み、いい加減イヤになったジェイがマウイを捨てる。それで撮影の際に緊張感が抜けっぱなし、とのきっかけの部分も、こんなもんかな。
　カメラ助手のカチャが、だったらジェイのでかけた先のサガダへ私たちも行こうと誘って、旅が始まるわけである。
　途中、バイクで旅するウェンデル・ラモス演じる男をカチャが運転中に挑発し、ウェンデルが横転事故を起こしてショックで記憶喪失になってしまうとは、きたぞ、きたぞ、強引なシチュエーション。ウェンデルはアントニオ・アキタニア演じる男から追われているのだが、アントニオが手下と一緒に殺人していく過程は、ほとんどリアリティーが感じられない。たまたまロデオのかっこうでパレードする街のフィエスタに遭遇し、ステージでカウボーイがショーを繰り広げているところへウェンデルたちが逃げこんでアントニオが発砲。誤ってカウボーイの一人に命中して倒れると、観客たちが演出だと勘違いして拍手、なんてコメディーなのかマジなのか。
　マーク・ラピッドとアルディー・アキノ演じる刑事がからむも、バーで頼んだホステスが気に入らず、店を変えればまた同じホステスが…　とこちらも捜査以外の部分に焦点が合わされていて、一応コメディーなんでしょう。
　ちゃんと部屋にいるかどうかルーシー・キント演じる叔母がチェックにくるので、オギー・ディアス演じるオカマの友人にマウイが留守中の代役を頼み、オギーが女装して窓からシルエットで姿を映し、ルーシーが「帰ってるね」と納得するエピソードなど、笑えなくはない。
　カチャはセックス大好き女で、マウイと正反対のキャラクターづけ。カチャのオルガニズム談義にマウイが耳をふさいで「聞こえない、聞こえない」と騒ぐのだが、巨大チンポに追いかけられるマウイの幻想にしても、ユーモアというか、ウッディー・アレンの『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいＳＥＸのすべてについて教えましょう』の巨大オッパイを思いだして、とりあえずはニタニタ。
　もっともロード・ムーヴィー的には旅の出会いを通してマウイが成長するという構成を予想するも、カチャの影響とウェンデルの告白からマウイがセックスに目覚めていく心理を意図的なのか、バサッと割愛しているから、まったく説得力を持たない。ウェンデルがマウイのほうに引かれて、カチャがイライラする気持ちもおざなりで、やはり人間ドラマを期待したほうがバカだった。
　まあ、セクシー・パワーがずいしょに爆発だから、他になにを望もうか。
　事故のあとウェンデルが泥棒に身ぐるみはがされて、パンツ一丁になってしまうのはオイオイオイ。男の色気で人気のあるウェンディーのハダカをみせようという女性ファンへのサーヴィスだろう。フラッシュで暗示が挿入されていたものの、あとでウェンデルがアントニオのホモＳＭの相手と判明し、ベッドに手錠でつながれてムチでペシペシッというのは、いくらなんでもちょっと…
　お楽しみ、マウイとカチャのヌード合戦は、鼻血ブーッ程度のレヴェルではない。まず浴室で二人一緒に着がえるシーンで、マウイのＴバック・パンティーが大胆。冷蔵庫の中からのアングルでカチャが過去のセックスを回想するショットでは、下向きのオッパイがブラブラ揺れていて、スス、スゲーッ。ホテルのベッドにいる女同士の下着姿では、マウイの赤いパンティーがキュート。カチャの友人であるケヴィン・マクスウェル演じるアメリカ人風の農夫の家に立ち寄り、カチャとセックスになったのをマウイが目撃するときにカチャのオッパイがみえないのと、巨大チンポに追いつめられたマウイがバス・タブにつかるも、濡れて乳首の浮きでるアップがないのはイマイチかな。ウェンデルがホテルでカチャの部屋のドアを開けると、下着のカチャがいるところから、いよいよ天国へと誘ってくれる。Ｔバック・パンティーのうしろ姿で、カチャのお尻が肉感的でよだれダラダラ。振りかえればブラから乳首がスケているではないか。いよいよマウイとウェンデルのセックスへと進み、ウハウハの興奮が頂点に。ウェンデルがマウイを脱がせると、上向きのオッパイがポロッとでて、驚くほどに張りがよい。濃厚に谷間をなめるショットでは、全裸のマウイのオマンコがのぞきそうなポーズに唖然。バックでワンワンのスタイルに変わると、下向きのオッパイがこれでもかと迫ってくる。終わって寝ているときの半ケツもそそるが、まだ続きがある。今度は二人の間に全裸のカチャが入ってきて、ウェンデルの上へ。左右にカチャとマウイのお尻が並び、どっちに視線を送ろうかと迷うばかり。３Ｐに発展する直前でカットなのだが、サガダのホテルでは、エロティックな３Ｐを繰り広げるからドキドキじゃないか。赤い紐Ｔバック・パンティーの下着をつけたマウイがウェンデルに目隠しをするところからで、マウイが自分の身体のポイントをウェンデルになめさせる。ウェンデルの舌先がマウイのひざ、肩、ひじとふれ、アナルと乳首で、ウワッ、おいしそう。黒いビキニ下着のカチャが加わり、カチャがブラをはずして、豊満なのに形がしまり、ムギュムギュもみがいのありそうなオッパイを堂々の全開。すぐにマウイもオッパイを丸だしで、二人してウェンデルに乗り、上から愛撫し、座位で前後からはさむと、ウェンデルの乳首と背中をペロペロ。もちろん全裸になってオッパイをスリスリするだけでなく、ウェンデルの頭部をバストの谷間ではさみうちしながら、マウイとカチャがキス。アララ、レズっぽい雰囲気にキャーッ。ロウソクの光の中で隠微にみせる騎乗位のセックスも、さながらファイザー製薬状態を招く。
　個人的な話ながら、かつて３Ｐフレンドがフィリピンにいたことがあり、二つの舌を使っての全身リップや、ディープキスしながらのフェラチオなど、さすがに快感だった。騎乗位で挿入している真っ最中にアナルへ指を入れられた瞬間など、思わずドピューッとイッたものの、いくら相手が仲よしの二人とはいえ、さすがにレズっぽくはなかったな、なんてことは余談。
　あとＶＩＶＡホット・ベーブスのメンバーであるグウェン・ガルシがジェイの新しい恋人役で出演していて、サガダのホテルでセックスし、大きなうめき声にマウイが怒って抗議するシーンが用意されているものの、みたくもいないジェーのお尻がジャマをして、せっかく全裸なのにグウェンのボディーが隠れているのが残念。
　とにかくマウイにすれば『ＧＡＭＩＴＡＮ』、カチャにすればこの前の『ＳＵＫＤＵＬＡＮ』を越えていること間違いない。マジでカッカ燃えさせてくれるすごい作品。
　ほぼ１００％満足で、正直いって降参です。　
　ところで映画公開とほぼ同時期にマウイ、カチャ、グウェンなどの紹介を兼ねたイメージ・ヴィデオ『ＶＩＶＡ　ＨＯＴ　ＢＡＢＥＳ』が発売されたが、まったく彼女たちの魅力を理解せず、誘惑的なみせかたのツボを押さえることもなく、演出家が自らの技量で適当に仕上げた失望作だった。比べてみればドラマとして落第とはいえ、こちらのほうに大差で軍配があがるわけで、あたためて官能とは？　との問いかけを確認する。
　その後、しばらくしてリリースされたマウイのイメージ・ヴィデオ『ＳＥＸ　ＧＯＤＤＥＳＳ』は、ギリシャ神話の女神たちをマウイが肉体で表現し、陰毛のあたりに貝殻をあてただけの全裸もあって、何度も昇天を呼ぶ露出ぶり。単純にマウイのヌードを堪能したいだけなら、こちらもオススメです。
　うーん、マウイ、愛してるよ。

※　さらにしばらくしてカチャのイメージ・ヴィデオ『ＷＥＴ，ＷＩＬＤ＆ＫＩＮＫＹ』が現れ、黒いレザーの水着にブーツやスケスケ下着、ハミ乳シャツに白ピタパンといったイマジネーションをくずぐる衣装からオッパイをモロだしで、またまた性的ドーパミンを無駄遣いしてしまった。