Ｓ．Ｅ．Ｌ．Ｄ．Ａ
（刑務所）
　
02年：タウルス・フィルムズ
監督：アンヘリート・Ｊ・デ・グスマン
主演：イロナー・マルケス
　　　 ナターシャ・レデスマ
　　　 イーアン・ヴァルデス
　　　 ジェフリー・ゴンザレス
　　　 ラセル・アンジェラ
　　　 カルメラ・コルテス
　　　 パム・ラクソン　（カト・デ・サントス）
　　　 エレイン・ディゾン
　　　 アンジェラ・ルイズ
　　　 ロサリンダ・ロサル
　単細胞な内容とバカにするのは簡単だし、二線級のセクシー女優ばかりそろえ、パム・ラクソン以外に美人がいないぞと不満をいいたくなるが、これをウハウハ興奮しながら楽しんでいるのだから、スケベな低レヴェル人間にとっては嬉しい作品である。
　実にシンプルなストーリー。イーアン・ヴァルデス演じるオカマの斡旋屋がビコールへやってきて、日本で働かせてあげると女の子たちを釣る。それぞれ家族の教育費、入院費の必要性や、貧困から逃れたいといった願望でこの話に乗る。実は罠で、マニラへ向かう途中のバスが検問に会い、荷物からシャブがでてきたと、イロナー・マルケス、アンジェラ・ルイズ、エレイン・ディゾン、ロサリンダ・ロサル、パム・ラクソン演じる五名の女の子たちが刑務所送りになる。ジュン・アレナス演じる所長はイーアンとつるんでいて、彼女たちを売春の道具に使う。イロナーにホレたジョフリー・ゴンザレス演じる看守が裏にある悪行の事実を知り、女の子たちを脱獄させて一緒に逃げる。
　それだけの話。
　五人の役名であるソニア、エレナ、リンダ、ダリア、アーリンの頭文字をとると“セルダ”、つまり刑務所になるという語呂合わせもまったく生かされていない。
　とはいえ、女囚ものだから色っぽいシチュエーションのオン・パレード。おなじみ、受刑者同士の対立がでてくるのはいうまでもない。ナターシャ・レデスマ演じるボスのような女がイロナーに目をつけ、もう一人のロナリン・ゴンザレス演じるボスとケンカする。ナターシャにはパロマ・ロサル演じる手下がいて、モミモミとマッサージされているのが、いかにもという印象。ロナリンのほうにもオデッサ・ザンブラノ、ナデズ・ザンブラノ、モニカなどが演じる子分がいて、ロールス・アキサ演じる売春を手伝う看守とぐる。
　レズ・シーンがないのはアレッと期待はずれだし、ナターシャが脱いでいないのは意外なうえに残念だが、五人のヌードはたっぷりと堪能をくれる。下半身をムズムズさせる要素をもっているパムを除くと、いずれもイマイチのタイプなものの、じゃっかんストライク・ゾーンを広げればアンジェラはそこそこにかわいいし、ロサリンダは美形の範疇に入るから、とにかく視線釘づけ状態。まず縛られてボディー・チェックを受けるところは照明が暗すぎてみづらいものの、ロサリンダ、パム、エレインのオッパイが浮かんでいる。エレインの横からのボディー・ラインが妙にそそる。
　部屋で個別に売春となって、イロナーの度を越えた巨乳がドバーッ。ちょっと言葉にならないくらいの迫力だが、あまりにデカすぎるのは好みじゃないから、かえって興奮しない。エレインとアンジェラの小ぶりな乳房のほうによだれを流す。
　そして女囚ものには欠かせないシャワー・シーンとなり、真うしろからではなく横に並んだアングルで五人をとらえ、チラチラとオッパイがみえるのがモロだし以上に刺激的。ロナリンがイロナーをナイフで切りつけにくるときに、服を着たままなのがサーヴィス不足なものの、あわてて逃げるあとの四人のお尻だけでなく、陰毛までチラつくからオーッ。
　再びセックスではロサリンダとパムがオッパイを丸だしにし、とくに三人の男に手ごめにされるパムがイカしてくれる。
　シャワーを浴びながらパムがアンジェラに泣きつくシーンで、手前にいるパムの腕でオッパイを隠したポーズが生つばゴックンでおいしそう。中央にいるアンジェラの横チチとお尻のみえた立ち姿も鼻血もの。しかもさらに奥には三人が全裸でいて、真ん中のエレインの腰からお尻へのラインが手を伸ばしたいくらいに挑発的。ブスっぽいけど、正面を向いたときのスリムな長身に似合った小さめのオッパイがフェロモンを漂わせてくる。
　ほかに刑務所の中以外でもセクシー・シーンがあって、パムの母親役でライラ・ロレナが出演し、ディスコ・パブのダンサーという設定。赤い紐ビキニの下着の上に薄くてややスケた赤いローブを着てステージに登場。年増だし、まさかローブを脱ぐまいと予想したのだが、パラリと落とすと、Ｔバックが食いこんだお尻を全開にみせる。プロポーションがバツグンのライラは、中年と思えないお尻の張りのよさと肌の艶に、これぞ熟女のパワーと圧倒をくれる。
　まあ、イロナーが水牛で田を耕していたり、ロサリンダがブタ小屋の掃除をしているといったビコールの農村描写にリアリズムをうかがわせるうえ、パムの自殺や、エレインが射殺のあたりに非情さをプラスしたり、イロナーがジュンを撃つといったドラマを盛りこんでいるながら、正直なところ、どうでもよい。
　ヌード以外に興味なし。
　だからこそスケベ人間のための作品なわけだ。
　オマケだが、イーアンのおつきを演じているフレス・キランテが、コメディエンヌとしての片りんをうかがわせてくれた。