（ＡＬＬＡ ＲＩＣＥＲＣＡ ＤＥＬＬ’ＩＭＰＥＲＯ ＳＥＰＯＬＴＯ）
87年：フランク・クレーマー／エッフェ・カッパ・プロダクション／シネスエルテ
監督：フランク・クレーマー （ジャンフランコ・パロリーニ）
主演：コンラッド・ニコルズ （ブルーノ・ミニティ）
ケリー・ロンドン
ヴァッシルリ・カリス
アン・カリン
ライカ・ウガルテ
マックス・Ｇ・ラウレル
Ｊ・フランシス・スコット （ジャンフランコ・パロリーニ）
イタリアとフィリピンの合作で、フランク・クレーマーことジャンフランコ・パロリーニの監督作。日本では英語題名の英語版がイタリア映画としてヴィデオ発売になっている。コロンビアと設定の舞台をフィリピン・ロケで描く。悪のボスの教授役をＪ・フランシス・スコットの名前でジャンフランコ・パロリーニ自身が演じ、フィリピンのアクション・スターのマックス・ラウレルが個性の強いキャラクターで登場。個人的にはフィリピン女優のライカ・ウガルテの出演が気にかかる。
インカ以前の南米に高度な文明が存在し、どうやら宇宙人が関与したらしく、その遺跡を探す考古学者に財宝をめぐる争いがからむアドヴェンチャー活劇。コンラッド・ニコルズことブルーノ・ミニティーによる主人公がタフな考古学者のあたり、インディアナ・ジョーンズを下敷きにおくとうかがえる。実際に「インディアナ・ジョーンズだ」の台詞があるし、「シュワルツェネッガーの弟子だ」との冗談もでてくる。
リヴェラ教授から遺跡への絵地図が届いたラフエンテ教授がエンジェル・ランスキー（ヴァッシルリ・カリス）の一味に殺されるとき、撮影場所がメトロ・マニラのマカティとわかる。ラフエンテ教授の教え子のリンダ・ローガン（ケリー・ロンドン）がリヴェラ教授の同僚のクリフトン・ブラッドベリー・三世（コンラッド・ニコルズ）を訪ねて騒動の巻きぞえをくい、若い女性のリンダがお色気の要素をくわえる。ジャングルに入った途中でクリフとリンダがたちよる田舎の村で闘鶏をおこなうのが興味深く、リヴェラ教授が不在の屋敷で世話係のおばさんをフィリピンの名脇役女優のヴァンジー・ラバランが、リンダを襲うならずもののリーダーをフィリピンの個性派役者のラリー・シルヴァが演じる。
生きて帰れないと噂のマチェーテの領域に足を踏みこみ、未発見の文明の痕跡が残る洞窟に落ち、そこで宇宙人ふうの神のインティにバケる正体をリヴェラ教授（フランク・ヴィターレ）とみやぶる。リヴェラをやっつけ、遺跡をまもる神官のマチェーテ（マックス・ラウレル）にはチャンバラの対決で絶対絶命のピンチながら、すでに遺跡の宝を奪われたと知ったマチェーテが掟で自害。ランスキーたちを撃退まで、ワニやヘビやコウモリの襲来など、確かにインディアナ・ジョーンズっぽい。洞窟の中の雰囲気はディズニー・ランドのインディアナ・ジョーンズのアトラクションを連想させる。インティが『マルタの鷹』みたいなコンドルの仮面をかぶり、京劇のごとき衣装でパイプ・オルガンをひくこけおどしは、いささかチンプ。クリフを監視にインディが現地民のインカ（ジョン・ピーブス）を利用も、テレパシーを使い、いったいパワーの源泉がなにか不明に、つっこみどころが多い。
ケリー・ロンドンはジャングルの罠にかかって宙づりでスカートがまくれ、白いハイレグのパンティーを丸だしにはじまり、ワニにスカートを噛まれて太腿を露出。ガウンで車に飛び乗って逃走で短パンに着がえる運転席で白いパンティーのお尻をドアップや、朝に起床で短パンをはくうしろ姿で白いパンティーがお尻のラインをくっきりにみせる。毒矢が刺さったために短パンを切ってクリフにお尻を吸われる。短パンの裂け目が意外に小さいのと、洞窟の水たまりで濡れ、フィリピン映画におなじみの滝のある池に落下でズブズブも、短パンの貼りつき不足が惜しいかな。
冒頭で悪の教授の講演をきく女性はアン・カリンが演じると思うが、ケリー・ロンドンとともに白人にしては魅力的ながら、ほとんど活躍のシーンのないままに終わる。お目当てのライカ・ウガルテは現地民の長老の娘役であらわれ、ふんどしが視線を奪うものの、もうひとりの村娘と一緒にランスキーの一味の攻撃で出番がわずかのうちに亡くなって残念。クリフにあいさつでタイのワイのポーズは、ただの意味なし挿入だろう。クリフとリンダが商人のボロいトラックに遭遇で乗せてもらい、中でリンダが短パンを脱ぐまわりにいる商品の娼婦たちは、たぶんフィリピン人のエキストラ。太った強欲の女の商人役はフロレンス・カルヴァハルと推測する。クレジットに載るマリリン・バウティスタは確認できなかった。
※ この作品は『インカ帝国の謎』の邦題で１９８８年９月に日本で劇場公開された。
