ＳＡＹ　ＴＨＡＴ　ＹＯＵ　ＬＯＶＥ　ＭＥ
　
05年：ＭＡＱプロダクションズ
監督：マック・Ｃ・アレハンドレ
主演：ジェニリン・メルカド
　　　 マーク・ヘラス
　　　 トントン・グチェレス
　　　 ジョエル・トーレ
　　　 ジーン・ガルシア
　　　 ベアウィン・メイリー
　　　 チューズデー・ヴァルガス
　冒頭、エリア・ゲヴァラ演じる少女が手紙をビンに入れ、海へ投げる。またメッセージ・イン・ア・ボトルものか、といきなりあきれる。フィリピン映画というのは、本当にアイディアの模倣が平気だ。
　目下、人気絶頂の青春コンビ、マーク・ヘラスとジェニリン・メルカドの共演によるラヴ・ロマンスで、ロベルト・ジョセフ・ヌエヴァスとズセット・ドクトレロの脚本のもと、この手の作品にかっちりした手腕を示すマック・Ｃ・アレハンドレがメガフォンをとっている。
　マーク演じる家業を手伝う男の運転する軽トラックとジェニリン演じる配達のアルヴァイト中のスクーターが事故を起こしそうになり、ジェニリンがケガをおう。スクーターが壊れてジェニリンがくってかかり、その猛烈ぶりに押されてマークが逃げだし、ジェニリンを避ける。マークにはミーガン・ヤング演じるあこがれの女性がいて、告白に踏みきるや、ミーガンからベンジー・パシア演じるボーイ・フレンドがいると紹介され、あえなく失恋。またジョエル・トーレ演じる父が妻、つまりマークの母が亡くなったあとに言葉を発しなくなり、筆談でコミュニケーション状態。ジェニリンはトントン・グチェレスとジーン・ガルシア演じる両親が離婚し、ジーンの再婚相手であるアラン・パウレ演じる新しい父とイマイチとけこめないでいる。たまたまなりゆきで酔ったジェニリンをマークが介抱のはめに陥り、無理やりジェニリンの用事に連れまわされるなど、いいように使われるうち、マークがジェニリンに恋するわけである。ジェニリンはジェーク・クエンカ演じる最愛の男性と会えない日々で、自宅を訪ねてみれば、メル・キムラ演じるジェニリンを嫌う母から「息子はアメリカだ」とあしらわれる。一方でジェニリンの明るい性格に接してジョエルがしゃべるようになり、笑顔をとり戻す。ジェニリンが日記を忘れてマークが読み、いかにジェークへの思いが強いかわかるも、スクーターの修理が終わったとき、意を決してマークがキスをかわす。いざジェニリンへ告白へいけば、ジェークが帰ってきたため、またもや失恋。悲しみの息子をジョエルがなぐさめる。しかもマークが日記を読んでいたのに気がつき、ジェニリンが「プライヴァシーを」と怒り、マークとの仲が最悪に変わる…
　これにハンバーガー店に勤めるタイロン・ペレスとナディーン・サモンテ演じる同僚同士のサブ・ストーリーがからみ、タイロンを好きなのにナディーンが客に引かれるふうにかもをかけ、クリスティン・レイエス演じるガール・フレンドができたとタイロンが連れてきたのにナディーンが嫉妬するも、タイロンが素直に好意を表して二人が手をとり合う。ベアウィン・メイリー演じる近所に住むマークの親友と、チューズデー・ヴァルガス演じる花屋を営むジェニリンの親友が登場し、あわてもののベアウィンとうるさいチューズデーをマークとジェニリンがくっつけようとして、お互いに嫌がるながら、なんとなくまんざらでもない。ＫＣ・ホルマンとベブス・ホルマン演じる双子がマークにほれていて、容姿のみならず、動きも鏡に映したごとく対称的なコミカルさをつくる。
　わりと前半でマークが手紙入りのボトルを拾い、大切に保管している事実を観客に教え、ビンを投げたのが幼少のころのジェニリンだから、あとで二人を結びつけるキーになるだろうなと予想がつく部分は、フラれたマークが自らもビンを海へ放り、やはり安易な小道具にすぎないとの印象に効果を疑問視する。三人組の不良にからまれてジェニリンの前でマークがのされ、空手の型だけ習って、次回に撃退のエピソードもバカバカしすぎて、いくら真剣に語るドラマじゃないとはいえ、適当さの失望を高める。ラストでマークを追うジェニリンが道から大声をあげるところで、スクーターをとめたままになり、またがらない活用不足もいかがなものか。
　もっともジェークがマークを殴る単細胞キャラなのは感心しないも、トントンがオカマでレジー・カーリー演じる同姓の伴侶をもち、理解のある娘と打ちとけ、悩むジェニリンをさとすあたりに素敵な人とのイメージが盛りあがるほか、アランも根はいいオヤジで、ジョエルの人間味やベアウィンとチューズデーのおせっかいを含め、脇の存在がしめる。好きな人に対してだとマークがちゃんと話せず、ジェニリンにろれつがまわらなくなって恋心の芽ばえを暗示する構図もまずまず。観客の対象を考えれば、けっこう評価できるかもしれない。ジェニリンに振りまわされっぱなしのマークがナイフでジェニリンを刺すジェスチャーに『サイコ』のシャワー・シーンに似たフレーズの音楽を流すのはお遊び。
　とにかく嬉しい点は、ジェニリンの水着姿がでてくる興奮につきる。下半身にピッタリの白パンや、マークが驚くヘソだしの衣装だけでもうっとりなのに、ビーチでは赤いセパレーツがまぶしい。ボトムはローライズぎみの浅いホット・パンツ型で露出が少ないも、三角ブラからは小さめオッパイのセクシー光線が迫る。しかも目隠しで鬼ごっこの際にブラの紐がゆれ、その紐をつかまれそうな瞬間があって、もし引っぱったらブラが落ちてオッパイが丸だしだなあと想像すると、キュートなジェニリンだけに妄想がふくらみまくる。浅瀬でマークに抱きあげられるショットでは、ボトムがお尻に食いこんでいるのにカッカ燃えまくり。マックの用意した水着がツー・ピースだったのでジェニリンは恥ずかしがったらしいが、実際、拍手もの。
　びっくり仰天はチューズデーまで水着を披露し、三角ブラにショート・パンツかと思えば、ショート・パンツを脱いで転び、青い紐ビキニのパンティーをお尻に貼りつかせるサーヴィスぶり。
　ほかにミーガンがかなり美人で色っぽく、白パンのスタイルにみごとなラインを浮かばせる。双子のＫＣとベブスには庶民的なかわいさがあり、こちらもそろって白パンに視線を奪われた。ジーンの美貌については、今さらくり返す必要もないだろう。