ＳＡＮＡ’Ｙ　ＬＡＧＩＮＧ　ＭＡＧＫＡＰＩＬＩＮＧ
（ずっと一緒にいられますように）
　
94年：セイコ・フィルムズ
監督：アボ・デラ・クルース
主演：ドーン・スレータ
　　　 ガルド・ヴェルソザ
　　　 グロリア・ロメロ
　　　 ウィリアム・マルティネス
　　　 トビー・アレハル
　　　 テレサ・ロイサガ
　冒頭、大好きなドーン・スレータが池で泳いでいる。ひょっとしてハダカ？　といきなり鼻息が荒くなったが、まさか、そんなわけがなく、ブラをしているのがみえる。それにしても嬉しい出だし。セクシーなドーンの活躍に期待がかかる。
　ドーン演じるのはニンファで、この世のものじゃない。たまたま山の中へＣＭ撮影にきたガルド・ヴェルソザ演じるディレクターに一目ぼれし、グロリア・ロメロ演じる母の制止をきかず、人間社会へ現われる。しょうがなくベヴァリー・サルヴィエホとゾライダ・サンチェス演じる側近が魔法の元になるぶどうの実の房をもって、あとについてくる。ドーンの美しさに引かれたガルドも恋に陥り、トビー・アレハル演じるエージェントの担当者にドーンをディワタ（女神）石鹸の新しいモデルに推薦。ガルドにほれていたテレサ・ロイサガ演じる前のモデルは当然おもしろくなく、ドーンのことをかぎまわる。それで正体に気がつき、トビーに教えると、ドーンにフラれたトビーが結託。ディワタ石鹸のキャンペーンに利用しようと二人でドーンを誘拐。はたしてガルドがドーンを守り、一緒になれるか。
　との安手ファンタジーで、とにかくくだらない。
　ドーンが口から香水のような息を送ってガルドを魅了し、グロリアがガルドを金縛りに合わせ、ドーンがぶどうにふれると透明になり、盗んだぶどうの実をテレサが食べると顔にぶつぶつができる。テレサとトビーが小人化したドーンを花瓶に閉じこめると、まったく同じ花瓶がワザとらしく三つ置いてある、などアイディアがしょうもなさすぎる。ドーンが火を恐がる設定はあまり生かされないし、ラストでベヴァリーとゾライダがカワイコちゃんに変身するのもイマイチ。
　それでもドーンたちの仲間や、ＣＭ撮影のモデルたちがボッチチェルリの天使のような白い衣装をまとっていたり、ドーンが天岩戸のようなものを開けて外界へでたり、テレサが洗剤のＣＭ出演でくさったり、ちょっと興味のわく要素がゼロではない。
　とにかく焦点はドーンがセクシーかどうかだが、テスト撮影でうっとりするような美貌をうかがわせてくれるも、山を降りてからは着衣ばかりで、さっぱり肌がみえないじゃないか。同じくけっこうファンのテレサもなぜかそそるシチュエーションを欠き、一体どうしたの、と疑問をぶつけたくなる。プール・パーティーのシーンがあるのに、ドーンもテレサも水着じゃないのはなぜ？
　もう、失望も失望、大失望。
　アボ・Ｑ・デラ・クルースのチンタラした演出をドーンとテレサの魅力がカヴァーするはず、と確信していたのに…　こんな駄作にドーンの出演はもったいない。
　ああ、しょうもねー。
　あとカレン・サレス（サブリナ・Ｍ）、エリー・ローズ・アップルなどの名前が出演者のリストに読めるながら、はっきり確認できず、ジェニファー・ディムラはガルドのスタッフの助手役だろう。
　なおエプリル・ボーイズの歌う主題歌は長渕剛の『乾杯』で、エプリル・レジーノが作詞とあるも、作曲のクレジットは抜けていた。