ＳＡ　ＩＹＯ　ＡＮＧ　ＩＴＡＡＳ，　ＳＡ　ＡＫＩＮ　ＡＮＧ　ＩＢＡＢＡ　（ＮＧ　ＢＡＨＡＹ）
（〔家の〕二階をあなたに、一階を私に）
　
97年：スコルピオン・フィルムズ
監督：エフレン・レイエス
主演：イッサ・イグナシオ
　　　 リタ・マグダレナ
　　　 ベルティン・ラブラ
　　　 ロイ・ロドリゴ
　　　 パリト
　俳優のエフレン・レイエスが監督した作品で、市場のケンカ・シーンにチョイ役出演もしている。くだらないセックス・コメディーだが、とにかくいかに笑わせてくれるかに期待がかかる。イッサ・イグナシオとリタ・マグダレナの共演も、セクシーさの爆発をお願いしたい。
　まずパリト演じる田舎の郵便配達のズッコケぶりが、いささか空回り。ベルティン・ラブラ演じる叔父からの手紙でロイ・ロドリゴ演じる素朴な青年がマニラへでて、アパート経営に乗りだしたベルティンを手伝う物語。金庫から宝石を持ち逃げし、質屋で換金するイッサ演じる泥棒と暗示する女性と、リタ演じるダンサーがアパートの住人に。さっそくリタがロイに目をつけ、なにかとアタック。酔わせてセックスに成功する。イッサはウブなロイに好印象を抱き、だんだんとホレていく。ロイもイッサに夢中だが、ダニー・リエル演じる探偵がイッサを捜査し、ベルティンがイッサを犯罪者と確信。フローラ・ガセル演じる近所のおばさんがやたらイッサの正体暴きにちょっかいを入れてくるのは、日本のヒマ主婦に似てるかな。イッサが逃げて、ロイ、リタ、ダニーと追うトライシクルのチェイスがクライマックス。ただ走っているのみで運転手を巻きこまないなど、ドタバタに著しくパワーを欠き、ほとんど笑えないのが残念。イッサが無実なのはバレバレだし、エルニー・フォルテとデクスター・ドリア演じる両親が現われ、ダニーとデクスターの不倫を指摘するツメもイマイチ。エフレンはヘタな演出だ、と指摘せざるをえない。ただイッサとロイが結ばれ、フラれたリタがベルティンとハッピー・エンドになるのは、無茶苦茶な強引さがまずまずだった。
　あとノノン・タルヴォ演じる金持ちの客がリタの挑発的なステージをみて心臓発作を起こし、テンテン・ガン演じる看護婦が酸素吸入しているギャグも、バカっぽさが買える。リタがロイを店で酔いつぶすとき、グラスに塩をぬってテキーラを一気飲みし、チェイサーにカラマンシーを食べるのは、実際にやらされた経験者として「きくー」との実感が伝わってくる。
　さて脱ぎっぷりに関していえば、本当に爆発が嬉しい。イッサは泥棒の登場ショットや、ベルティンにお尻をさわられるバス停で、黒いピタパンがキュート。ロイとのデートで魚釣りへでかけ、セックスする流れでオッパイをドバーッ。横からとらえた全裸のプロポーションがそそる。結婚を決めたあとのセックスは、座位をうしろから撮った半ケツのフェロモンがすごいうえ、オッパイのアップに興奮が頂点へ。寝ころぶと紐パンティーをはいているのは、あれっ、さっきまで全裸だったぞ、とつながりがヘンなものの、圧倒的なボディーを前にさして気にならない。リタは二度あるステージが絶品で、Ｔバックを食いこませる赤いビキニの一回目、黒い網のボディコンを脱いで紫のＴバック・ビキニになる二回目ともイキそうな迫力だが、とくに二回目はＴバックの紐があまりに細くてドキッ。ロイを部屋へ連れこんでの誘惑は、紫のＴバック下着がなまめかしい。泥酔でのセックスにおける騎乗位で揺れるオッパイにも唖然。また両者の水浴びをベルティンがのぞくシーンがあって、リタのほうはやや水着の跡を残す全裸をたっぷり楽しませてくれるし、イッサのほうは水がしたたって濡れたお尻や、肌の輝く乳房によだれタラタラ。たまたまイッサとリタが同じ夢をみている設定の中で、オッパイ丸だしのイッサをロイが抱き、黒いＴバック下着のリタがムチをふるう女王さまふうイメージにも鼻息が荒くなる。ぬかるみでイッサとリタが格闘を繰り広げるときだけ、濡れても衣装がスケないのに不満を残した。
　あと二階にあるリタの部屋から水浴び場の内部をみおろせる構造が愉快。ロイのお尻をのぞいたあと、囲いの高さが低いから堂々とハダカをながめ、あわててロイがチンポを隠すシーンなど、おかしいながらも、ロイのヌードにゲーッ。
　ノノンをパパにするＧ．Ｒ．Ｏ．を演じるチェチェ・ピガルがちょっとかわいいが、色っぽいシチュエーションのないままだった。