ＳＡ　ＤＩＹＯＳ　ＬＡＮＧ　ＡＫＯ　ＳＵＳＵＫＯ
（俺が降伏するのは神に対してだけだ）
　
89年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：マヌエル・“フイク”・シンコ
主演：ロビン・パディーリア
　　　 アーミー・ペレス
　　　 ナネット・メドヴェド
　　　 レア・オロサ
　　 　ロイ・ヴィンゾン
　　　 ズバス・ヘレロ
　　　 ジミー・ファブレガス
　　　 マルコ・ポロ・ガルシア
　陰謀で消された元市長をめぐる復讐劇。ロビン・パディーリアが主人公を演じ、ホセ・ロムロ演じる市長の父とケンカして軍隊に入っていたのだが、ペルラ・バウティスタ演じる母からの手紙で父の死を聞き、故郷へ帰ってくる。そこで父のボディー・ガードたちが殺害にかかわっていた事実をつかみ、始末のうえ、背後に潜む陰謀を暴いていく。
　まだ若輩のロビンにヴァル・イグレシアス演じるＮＰＡのリーダーがその度胸を買って重装備の銃を与えたり、ザンドロ・ザモラ演じる警察署長が手榴弾の武器セットをわたすなど、ロビンが味方をつけていく過程がおもしろい。一方でＮＰＡの本拠地でヴァルと話すときにタバコの吸い殻をポイと捨てているから、まったく共感を呼ばない人物。こんなヤツは正義をかかげる資格なしで、応援の気持ちのうせるあたりが困ったもの。
　ボディー・ガードたちからマルコ・ポロ・ガルシア演じる弟が人間狩りゲームのように遊びで殺され、同じようにロビンが人間狩りでボディー・ガードたちを処刑する際に耳を切りとったり、火あぶりといった残虐さが目だつ点も、敵がやるならともかく、ヒーローの行動として疑問を感じる。
　ロビンのやっつけるべき相手がハイメ（ジミー）・ファブレガス演じる現市長のグループと、ズバス・ヘレロ演じる有力者のグループの二つがあって、両者は結託しているながら、ロビンへ共同戦線を張るわけでないあたりの構成も弱い。ハイメを倒し、ズバスを襲撃で、同じようなクライマックスが二つは、さすがにあきるというもの。安易にロビンを攻撃したロイ・ヴィンゾン演じる息子に対し、ズバスが「頭を使え」と怒っていて、実際に頭を使ってほしいのは監督のマヌエル・“フイク”・シンコかもしれない。エディー・インファンテ演じる神父がロビンに報復の殺戮をやめるように説得するのは、ホント、嫌になるくらいカトリックのフィリピン体質。
　とにかくイマイチな印象をぬぐえないながらも…
　女優陣の魅力が相当なパワーを与えてくれる。ロビンにはレア・オロサ演じるアメリカ人とハーフと設定の恋人がいて、レアがなかなかの美人。ビーチでのデートでザバッと海からあがると、白いシャツ姿だからボディーに濡れて貼りつき、乳首がスケていないのは残念ながら、パンティーがくっきりでムズムズとそそる。ナネット・メドヴェド演じるズバスの娘がロビンに目をつけ、レアと争うのだが、ズバス宅のプールで披露する水着姿が素敵。スリムなボディーを黒いワンピースが浮きあがらせ、あまりのハイレグに視線を奪われる。ロビンを誘惑する別荘ではピンクのビキニ水着になり、オッパイは小さめなものの、だからこそキュートだし、お尻に食いこむパンティーにウヒョヒョッと興奮。セックスになってシーツをボディーに巻いているのが惜しいとはいえ、太腿の色気がすごく、ナネットにキスを贈りたい。アーミー・ペレス演じるロビンの妹はロイに狙われていて、あとでレイプになるぞと予感したところ、ちゃんとそのシチュエーションにウハウハを呼ぶ。でも服を引き裂かれないうちに死体となって発見され、かわいいアーミーの肌をおがみたかったよおと落胆。まあ、ナネットのセクシー・パワーだけで満足としよう。
　なお、冒頭のミンダナオにおける軍隊とゲリラの戦闘が日本の特撮戦隊もののような雰囲気で、安手なイメージが失笑だった。