ＲＯＢＩＮ　ＧＯＯＤ　（ＳＵＧＯＤ　ＮＧ　ＳＵＧＯＤ）
（ロビン・グッド　冒険また冒険）
　
91年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：トニー・Ｙ・レイエス
主演：ジミー・サントス
　　　 ヘルベルト・バウティスタ
　　　 ドーン・スレータ
　　　 ジェリー・デ・ベレン
　　　 チェリー・パイ・ピカチェ
　　　 デニス・パディーリア
　　　 ルビー・ロドリゲス
　　　 ハイメ・ガルチトレナ
　　　 パンチト・アルバ
　ケヴィン・コストゥナーが主演した『ロビン・フッド』に合わせてのパロディーだから、フィリピン映画のハリウッド模倣体質そのままの作品のひとつといえる。監督のトニー・Ｙ・レイエスがコメディー役者のジョーイ・デ・レオンと脚本を書いていて、ジョーイは出演していない。
　ジミー・サントスがロビン・グッドという森に暮らす義賊を演じ、ヘルベルト・バウティスタとデニス・パディーリア演じるビッグ・ジョンとリトル・ジョンなど、仲間たちと武勇を競っている。小柄なヘルベルトがビッグで、大柄なデニスがリトルなのが凸凹コンビ。チェリー・パイ・ピカチェ演じる女性メンバーのバランキタがロビンに密かな好意を抱く。一方、お城にはトニー・カレオン演じる王のもと、ドーン・スレータ演じるマリアンとジェリー・デ・ベレン演じるダイアンの二人の王妃が暮らす。たまたま馬車をとめてカネをもらったのをきっかけにロビンがマリアンをみそめ、マリアンもまんざらではない。ダイアンのほうはロビンの一党であるハイメ・ガルチトレナ演じる二枚目のカルロスに引かれる。ロミー・ディアス演じる王の腹心のカイファスがマリアンを狙っていて、マリアンの婿を決める武芸大会の開催をうながす。ここで予想外に謎の男が優勝すると、マリアンへの嫉妬からバランキタがロビンだとバラす。カイファスにロビンがつかまって拷問をうけ、バランキタが拉致されるものの、マリアンとダイアンが助けて森へ入る。カイファスがクーデターで王をとらえ、ロビンが解放するとのストーリー。
　森の集落が移動テントを張ったジプシーふうだったり、バランキタがアラビアのリズムでダンスしたり、パンチト演じるダマソ神父にロビンが寄付をわたしにいく街がエルサレムのような石の城壁に囲まれていたり、武芸大会にエクスカリバーと名のる人物やランスロットもどき、スパルタカスもどき、アイヴァン・ホーもどきがいたり、ロビンがドン・キホーテもどきだったりのイメージづくりにほんの少し興味をそそる。でも全体的にギャグが貧困で笑いを誘わないのが致命的といえる。
　ルビー・ロドリゲス演じるブスのマルガリータがカルロスにアタックしてもダメで、ビッグとリトルの両ジョンを強引にものにすると、ロビンがマリアン、カルロスがダイアンと結ばれるラストでリトルを射とめ、リトルが情けない表情をつくるのがクスッとできるくらい。寄付にきたマリアンにダマソが思わず「ロビンもいる」といって、顔を隠すロビンが「ロビン・パディーリアのことだ」とごまかすところでも、ものまねをするとか、もう少し工夫がほしかった。
　もっとも大、大、大好きなドーンを目的にみたのだから、ドーンが美しければ文句はないのが本音といえる。城内でジェニー・ララなどが演じる七名の侍女につきそわれ、ダイアンと入浴するのをロビンやカルロスにみられるとき、白いニンファのような衣装を身にまとっているのだが、濡れてもスケないのが残念。うっとりする美貌もメイク・アップのせいか、いつもより控えめに感じる。それに対してセクシーさがきわだったのはチェリー・パイのバランキタで、ライバル軍団に襲われて池に落ちるシーンでスカートとシャツが貼りつかないものの、アラビア舞踏でバストの谷間を強調したブラの衣装になり、フリルのついた短パンにのぞく太ももが色っぽい。カイファスに縛られる際のお腹がでたかっこうにもドキドキ感を抑えきれず、太めになりかけのボディーが誘惑してくる。あとバランキタの前に踊る三名のダンサーのハイレグがムズムズとそそり、ジンキー・オダ、ミニー・アギラー、ミナ・ニコラスといった侍女を演じるコメディエンヌが目だたないあつかいなのがまあまあで、ダマソと一緒にいる女性はサンドラ・ゴメスに思えるが、違うかもしれない。