ＲＥＳＩＫＬＯ
（リサイクル）
　
07年：イムス・プロダクションズ／イグナイト・メディア
監督：マーク・Ａ・レイエス
主演：ラモン・“ボン”・レヴィーリア・ジュニア
　　　 ディンドン・ダンテス
　　　 ジェニリン・メルカド
　　 　ロイ・ヴィンゾン
　　 　マイリーン・ディゾン
　　 　ベンジー・パラス
　　 　ボビー・アンドルーズ
　　 　ミシェル・マドリガル
　　 　エンプレス・シュック
　　 　パオロ・コンティス
　　 　ＴＪ・トリニダッド
　マーク・Ａ・レイエス監督、ラモン・“ボン”・レヴィーリア・ジュニア主演の近未来ＳＦで、たぶんにガソリンの調達など、『マッドマックス２』を連想させる内容になる。一方で以前なら核戦争で死滅した世界で生存者たちのサヴァイヴァル劇だろうが、今は宇宙からの侵略が原因におかれる。
　世界各地が破壊のあと、フィリピンでは生き残った人類が秘密の街に隠れて暮らし、宇宙人の手下となった人類がこれを探している設定。軍隊の元士官のクリスヴァル（ラモン・“ボン”・レヴィーリア・ジュニア）を中心に、市長（チンゴイ・アロンソ）の息子であるアンヘロ（ディンドン・ダンテス）がリーダーのバッド・ボーイズと名のる若者たちがクリスヴァルの部下となって街を守る。これに街の外でクリスヴァルが幼い女の子のキアラ（エリア・クルース）と男の子のアルキン（ハイルス・アキノ）を助け、ビアンカ（ジェニリン・メルカド）の幼い妹のバンバン（バービー・サビノ）を一緒に救ったときの誤解でビアンカがクリスヴァルを嫌うが、やがてロマンスに変わるサブ・ストーリーをからめる。宇宙人サイドについた人類のボスであるアデス（ロイ・ヴィンゾン）の息子のアボンをクリストヴァルが殺す。市議のジェルソン（ＴＪ・トリニダッド）がいったん裏切るも、クリスヴァルを窮地から脱出させて犠牲や、洗脳でアデスの手下になっていたウタノ（ルイス・アランディー）がクリスヴァルと街へ戻り、内部情報を伝えるなどで進み、ビアンカがアデスの娘だったと判明の、定番といえば定番の人間関係を示す。
　とにかく登場のメカやキャラが、どれもどこかでみた感じのものばかり。敵の戦士のマスクが『プレデター』ふうなら、地上を走る車のデザインが『マッドマックス２』を思わせる。サーチ・ライトを地面にてらしながら飛行の小型船は『ターミネーター』の冒頭っぽく、空中走行ののりものは『ブレードランナー』をイメージさせる。宇宙人らしきモンスターがあらわれ、ネバネバした口など『エイリアン』に近い。なんといってもコメディー・リリーフにもなる研究者のデンス（パオロ・コンティス）たちが廃品再生のリサイクルで武器を開発し、腕や胴に防具を装着や、モビルスーツ型のロボットが攻めてきて、迎え撃つクリスヴァルもモビルスーツを操縦で対決は、どうみても『機動戦士ガンダム』にアイディアをとったもの。ここにもガンダムの亜流が…、との思いが起きる。バッド・ボーイズたちがモトクロスでチェイスは、ちょっとフィリピン・タッチかな。
　いかにも『スター・ウォーズ』をまねたファースト・ショットに続くオープニングで、地球に宇宙船らしきものが接近のとき、地表の形が反対なのは、とくに意味がないようだ。街でストリート・ファイトがおこなわれているあたりは、荒廃した未来の舞台におけるパターンだし、アデスたちの制服がかつてのソ連邦のそれっぽいのに、八十年代のハリウッド映画がにじむ。
　盲目の女性のジーラ（エンプレス・シュック）に予知能力があり、キアラがテレポートのパワーをもつ。キアラのパワーでクリスヴァルが敵の基地の内部へ侵入や、住民たちの危機一髪をテレポートで回避させたキアラが、パワーの限界で倒れるなどはよいが、アンヘロとアデスの部下のガス（ボビー・アンドルーズ）がモビルスーツで対戦のあと、モビルスーツを降りて肉弾戦は、敵の基地を爆破でクリスヴァルが崩壊の煙の中からでてくるのと同様、本当に『機動戦士ガンダム』を模倣したのかと勘ぐりたくなる。クリスヴァルがエイリアンもどきをモビルスーツで撃退など、ＣＧの使用でアニメーションと実写の合成が容易になったため、こうした表現を使いたいのだろう。
　クリスヴァルとアデスの決闘でワイヤー・アクションを駆使は、この手法が嫌いなので、シラけて迫力がない。
　個人的にはアデスの仲間のアノラ（マイリーン・ディゾン）がボンデージふうの衣装なのがうれしいポイントといえる。黒と金のニタイプの光沢レザーのシャツとスリット入りのミニスカに網タイツをはき、ジェルソンに蹴りをくらわす。ビアンカが宇宙人の配下に変身で生存のラストでジェニリン・メルカドも白いボンデージながら、ほんの少しの登場で残念。街の女医のマイルスを演じるミシェル・マドリガルは白パンがキュートで視線を引きつける。エンプレス・シュックはオッ、美人とときめいたが、じっとうかがえば普通よりも上程度だけど、スリットのワンピースで太腿をあらわに立ちまわりで興奮をくれる。はじめてエンプレスで下半身にムズムズっと刺激をうけたしだい。クリスヴァルの亡くなった妻のメリッサと娘のパトリシア役は女優名が不明になる。それにしてもビアンカがパトリシアに嫉妬でクリスヴァルと恋愛に発展だが、ラモン・“ボン”・レヴィーリア・ジュニアとジェニリン・メルカドでは年齢がはなれすぎだろうと感じるも、三十六歳違いのガールフレンドとつき合うものの指摘では説得力がないか。
　まずまずの女優陣に対し、若手の俳優陣はバッド・ボーイズをストライク役のブライアン・レヴィーリア、アイス役のホロ・レヴィーリアのレヴィーリア一家とティモン役のアンドルー・シマーが演じ、ブリット役と、敵のアボン役は誰かわからない。ヴェテラン俳優陣では市議役にクロイド・ロビンソン、キング・グチェレス、ランディー・デラ・クルースともに、やはりレヴィーリア一家のラム・レヴィーリアが顔をだしている。

※　この作品は『トランスバトラー』の題名でＤＶＤ発売された。