81(82)年：アンソー・インターナショナル・ピクチャー
監督：エドワード・マーフィー
主演：キャメロン・ミッチェル
ジェフ・ビニー
ジリアン・ケスナー
ジョン・ドレスデン
ジェニファー・ホームズ
ホープ・ホリデー
アメリカ合衆国とフィリピンの合作で、脇役として『悪の花園』などでけっこう好きなキャメロン・ミッチェルの主演作。個人的に大ファンのフィリピン女優のチャンダ・ロメロと、フィリピンのアクション・スターのレイ・マロンソの出演に期待が高まる。ロングビーチのクィーン・メアリー号の前以外はすべてフィリピン・ロケになる。編集や効果の処理はハリウッドでおこなう。
カラテ・クラブをつくるアメリカ人のマイク・オマリー（ジェフリー・ビニー）とジョン・テーラー（ジョン・ドレスデン）とゲーリー・シュウォーツ（ジョン・ロック）の三名が南シナ海にあるウォリアーズ・アイランドという島を訪れるコースを含むクルーズのツアーに参加の話。ウォリアーズ・アイランドは格闘家たちの霊が集まっているとの設定。
冒頭に悪徳グループのボスらしきスピアー（ラルフ・ランバルディ）が手下のクーパー（マーク・タノース）とウォリアーズ・アイランドに女性を運び、ひとり一個で僧たちからヒスイの原石をうけとるエピソードがおかれる。異端のキリスト教っぽいコスチュームの僧たちが女性を裸にして檻に閉じこめ、やせているとつき返す一名をスピアーがみすてる。うるさい僧どもを殺そうと提案のスピアーを今後の商売のためとクーパーがとめる。残った女がハチマキをしめたゾンビの餌食になる、なにやらあやしい出だし。ちなみに僧のリーダーをフィリピンの性格俳優のヴィク・ディアスが演じる。
あまりのオンボロ船にあきれながらもツアーが出発で本題にはいり、船上でカラテを披露の三名に女性の達人のクッキー（ジリアン・ケスナー）がワザをかけてシュウォーツを倒し、マイクがマリアン（ジェニファー・ホームズ）をナンパで夫のロイド（カール・アンソニー）がいたも、マイクとロイドが親交を結ぶあと、マニラ市内、船内でのパーティー、島に漂着後の全体が三部構成をつくる。
カレッサの走るマニラのチャイナタウンで船のオーナーのヘーゼル・バック（ホープ・ホリディー）とマリアンがヒスイなどのショッピングを楽しみ、現在はゴミだらけで異臭のただようどぶ川に面するマニラの中華街の門がある当時の風景が興味をそそる。マリアンをまいたロイドが売春宿へいき、いやいやマイクがつきあう。そこへ僧に差しだす女たちを捕獲目的のスピアーとクーパーの一味が警察にバケて踏みこみ、マイクとロイドが逃げる。売春宿をとりしきる女将のメイ・ルー役がお目当てのチャンダ・ロメロになる。たまたまマイクのツアーがウォリアーズ・アイランドに寄港とスピアーが聞き、そうはさせじと阻止をクーパーに命じる。全裸のダンサーが踊るバーでマイクたちが飲み、船長のハリー・ダッズ（キャメロン・ミッチェル）が強欲なヘーゼルの文句をいい、船のコックのゴー・チン（レイ・マロンソ）が中華料理店をもつ夢を話す。クーパーの一味が襲ってくるも、マイクたちとともにクンフーのマスターでもあるゴー・チンがけちらす。
船がマニラ港を出帆し、洋上で客のスティーヴ（ガーリー・マクリンティック）のバースデー・パーティーが開かれる。乱交のバカ騒ぎの中、ヘーゼルの友人のアイリーン（カルラ・レーノルズ）をジョンが口説き、ねんごろの関係になる。マイクはデッキでマリアンとお互いのことを語りあい、ロイドは浮気のうえに酔っぱらう。シュウォーツとクッキーにもロマンスが芽ばえる。淫行が各所で佳境に達したとき、クーパーの一味が闇にまぎれて乗船で次々と殺害をはじめ、アイリーンを海へなげこむ。船に火を放って沈没も、ギリギリでゴー・チンが救命艇をだし、カラテ・クラブの三名とクッキー、ロイドとマリアンの夫妻、船長とヘーゼル、ゴー・チンの九名が助かる。マイクがひきいる悪党どもにナチスのかっこうのものがいるのは、とくに意味がないように思える。
ウォリアーズ・アイランドに流れつき、まだ生きていたのかと墓場で銃撃戦をしかけてきたスペアーとクーパーを反対に撃退。僧たちが現われ、島を脱出の協力がほしければ強さの実力を証明しろといわれる。僧の屋敷で拉致のメイ・ルーに会い、料理のうまさでゴー・チンと意気投合。ヒスイの原石と交換の娼婦はゾンビに食わせるいけにえだったみたいで、僧たちが戦士のゾンビどもを蘇生の儀式をおこなうや、捧げものに殺される女性の悲鳴がアイリーンだとジョンが気づく。とっさに救出も、ゾロゾロと戦士のゾンビが出現でバトルに発展。戦いのうちにロイドが死亡し、船長とヘーゼルがヒスイの採掘場を発見で原石をスピアーのセスナに積みこむ。クーパーがゾンビにやられ、海に落ちたスピアーが湾に生息の海洋性というピラニアの餌食になる。残ったメンバーがゾンビ軍団をやっつけてセスナで飛びたつ。ヒスイの原石で船長とヘーゼルが新しい船を買おうと結婚を決め、ゴー・チンとメイ・ルーが中華料理店を開こうとくっつき、マイクとマリアン、ジョンとアイリーン、シュウォーツとクッキーもめでたしの全員がハッピー・エンドを迎える。
くだらないといえばそれまでながら、カラテとクンフーのアクションあり、ゾンビもののホラー要素あり、ウォリアーズ・アイランドは日本軍も避けたとか、日本のサムライの霊が集まっているなんて台詞で複線をはって、ゾンビ軍団に忍者がまじることでアメリカ合衆国で人気のニンジャを登場させ、さらにピラニアがでてくるし、ヌード満載のエロ・グロを全編に盛りこみ、かなり楽しめる内容と評価できる。エドワード・マーフィーがけっこうやるなと肯定的にうなずける。アクションの演技はカラテ・クラブの三名を演じる白人のジェフ・ビニーとジョン・ドレスデンとカール・アンソニーが意外とデクの坊で、女性有段者役のジリアン・ケスナーも迫力不足だが、バツグンにレイ・マロンソが異彩を放つ。ブルース・リーのかけ声を模倣はさておき、小柄な身体を最大限に活用の機敏な動きと素早い手さばきと脚さばきが目を奪う。彼が“フィリピンのブルース・リー”と呼ばれた理由がよくわかる。ここではなぜかレイ・キングと中国っぽい名前でクレジットされる。
年齢的なせいもあるだろうが、キャメロン・ミッチェルは単にウロウロするだけの役。
戦士のソンビ軍団があまりに弱いのが少しお笑いでも、タイの僧ふうがいるほかはほとんどがサムライで、しかも御家人ふう、浪人ふう、仇討ちふう、居合い抜きふう、旅の編み傘をかぶる剣客ふう、新撰組ふうとさまざまなうえ、忍者は伊賀ものと甲賀ものが混在し、白人が演じるので刀をかまえる姿勢に違和感が残るも、なかなか日本の時代劇を学んだなとうかがわせる。
エロではジェニファー・ホームズが脱がず、ジリアン・ケスナーは船上の護身術の実践でえんじのビキニを披露のみ。カルラ・レーノルズは船上でハイレグ・ビキニのあと、パーティーでジョンと部屋へしけこみ、シャワーとベッドで素っ裸。ただしボディーにオイルをぬられるいけにえの儀式は全裸でなく、ブラとパンティーの下着をつけたままになる。乱交パーティーの女性たちは全員が白人で、青いドレスをまくって太腿の刺青をだすものがジュディ・ブルックスで裸にならず、トイレの中でイチャイチャでオッパイをあらわがカミール・キートン。黒いハイレグ・ワンピース水着のＶ字型のブラからオッパイをボヨヨンと揺らすものがジェウェル・シェパード。ロイドが口説く青いシャツとヘソだしジーンズを着るも、部屋でトップレスでキスの抱擁ののち、急襲のゲリラに弓で殺されるものと、ヘーゼルがベティーと紹介し、船室でセックスをゲリラのひとりがデバガメの視線でお尻と陰毛のドアップをモロのものがジャネル・プラスリーとメアリー・ミラーのどちらかとどちらか。赤と青のブラにジーンズの短パンのものもいて、ヌードなしに終わる。いずれもときめく容貌をはずれるながら、白人でもブリット・ヘルファーと推測の青いワンピースのものは美人なうえ、露出がすごい。セックスでもだえる部屋にゲリラが侵入でガソリンをまくのに全裸で戦うや、ベッドに倒されてオマンコがのぞく。そのまま縛られるベッドで素っ裸のお尻の割れ目にロープがＴバック状にのってオマンコがチラつくかっこうが実にそそる。バーの全裸のダンサーはフィリピン人のようだが、マギー・リーという中国人らしく、やはりしゃがんだポーズでオマンコまでおがませる。ケンカがおきても平気で踊り続けるのがおかしいも、いささかブスかな。オープニングでヒスイの原石と引きかえに僧たちへわたされる女性の五名は下着にむかれ、うち一名は素っ裸をさらす。マニラの売春宿ではロイドが二名を抱いてオッパイをもみ、ウソのガサいれで二階の窓からトップレスで逃げ、ほかに三名の計五名。拉致で檻に監禁で島へ運ばれたパンティー一枚の三名のひとりはアイリーンのはずが、遠くてはっきりせず、あとのふたりを含むフィリピン人の総勢で十名はアンナ・トリノ、イヴリン・ベソ、ヴィオレタ・ベソ、イヴリン・ヤップ、ヴィッキー・アバド、ベービー・セラーロ、セナイダ・ルシアノ、ナネット・コラガイ、メイ・バコサ、ソニア・セルヴァンテスで、全員がブス。結局はチャンダ・ロメロだけが誘惑的ながら、81年に制作、82年にアメリカ合衆国で公開の本作は『ＬＡＲＵＡＮ』の一年前にあたり、女ざかりのチャンダのセクシーさを期待したのに、ほぼゼロで残念。これは真剣に大きな不満点になる。
なお、オリジナル原版でなく、日本の検閲版で鑑賞ため、オマンコはもちろん、陰毛にまでモザイク処理が惜しい。
※ この作品は『バトル・フォース』の題名でヴィデオ発売されたことがある。
