RATRATAN
(銃撃戦)
 
99年:シルヴァー・ライン・フィルムズ
監督:ダンテ・ヴァローナ
主演:ダンテ・ヴァローナ
    アンジェラ・ヴェレス
    ガルド・ヴェルソザ
    ダニエル・フェルナンド
    ボブ・ソレル
    アキ・サバルテ
    アルベルト・デ・エステバン
 どうってことない内容のB級アクションだろうと予想するも、アンジェラ・ヴェレスが出演となると無視できない。
 主役のダンテ・ヴァローナが監督を兼任で、まず人質救出のシーンがある。ライフルをもって突入する警官の中に、暗闇の中でスラリとバツグンのプロポーションを浮かびあがらせる者がいて、これがアンジェラなのはいうまでもない。ジーンズ姿があまりにキュートなのに、きっとあとで中に隠されたみごとな裸身をさらしてくれるぞ、とワクワク感が盛りあがる。
 しばらく食事だのデートだのほのぼのシーンが続き、アキ・サバルテ演じるダンテの娘が誘拐されて、再びアクションっぽくなる。アキはおそらくこれがデビュー作で、上半身はだけてブラをちらつかせるが、『Bukas May Ligaya』でオッパイの全開を先にみたので、控え目な露出。まずまずかわいいが、アンジェラの前ではかすんでしまう。
 誘拐犯が議員の息子一味だったことで、合法的に逮捕できないと知って、ダンテたちは自らの手で取り戻そうと決心。フィリピン映画ではしょっちゅう、この悪徳議員というのが登場するが、そんなに政治家には横暴な人物が多いのだろうかと不思議になる。
 犯人が出没するディスコへ行って誘惑のシーンでは、腰を意味深に動かせて踊るセクシーなアンジェラを下からパンティーをのぞきこむように撮っていて、ダンテ監督、スケベな男の気持ちをよくわかっているじゃないかと共感。でもそのあとの扇風機越しにうつされたベッド・シーンは納得いかない。騎乗位でもだえるアンジェラの裸体がよくみえないし、カメラが寄っても、汗で赤くなった肌は誘惑的なものの、最後まで乳首が隠れたまま。オイオイ、ヌードの場面がこれだけだったらどうするんだ、と一瞬不安がもたげる。いくら罠にかけるためとはいえ、対立する悪党とセックスでもだえる展開も、ちょっと首をかしげる。
 まあアンジェラが身体を張ったおかげでアキは救出されるが、無事に解決のあとにアンジェラが好きでもない男とセックスを後悔していないのは、強引な展開じゃないか。
 当然、これで映画が終るわけなく、身内を殺された議員一味が復讐してくる。アンジェラは恋人と池へ泳ぎに行き、水につかるとシャツを脱がされ、待ってました、上半身裸にオッパイが乳首までチラチラみえて、ドキドキもの。そこへ悪党一味が襲ってくるや、恋人は撃ち殺され、アンジェラは乳房をプラプラ揺らしながら逃げる。さて、やってくれるのはここからで、水の中で抱き合っていたときアンジェラは下半身にまだジーンズをはいていたはずなのに、カットが変わるとなぜか全裸。あのキュートなお尻を丸みえに走る。つじつまなんてどうでもよく、サーヴィス精神に感謝感激。
 追う悪党のリーダーも何を考えたかズボンを脱ぎ始め、オイオイ汚い陰毛をみせるなよと思わせながら全裸になり、そうすると素っ裸の対決があるのかと期待したが、それは一瞬に終ってしまう。でも、やっぱりアンジェラは期待に応えてくれたと、満足満足。
 かけつけたダンテに救われたアンジェラはリーダーに全裸のまま手錠をかけて、議員の家へ乗りこんでいく。アンジェラのような女性に素っ裸で犬のように連れまわされたらたまらんなあ、なんて意外と自分にM気があることに驚くも、あっさりとリーダーは仲間であるはずの議員の息子に撃ち殺され、あとは議員宅での銃撃戦が展開する。当然、ダンテとアンジェラが勝つに決まっているし、それで終り。
 やっぱり予想通りのどうってことない内容だったなあ、とアクションの平凡さにあきれるも、アンジェラが期待を裏切らなかったことに拍手を惜しまない。
 アンジェラ〜!!!