ＳＩＬＡＮＧ　ＭＧＡ　ＲＡＭＰＡＤＯＲＡ
（彼女たちは目立つ存在）
　
03年：フィルマジック・プロダクションズ
監督：ポルティア・アルヴィス
主演：アイラ・マリー
　　　 メリッサ・メンデス
　　　 ジョン・アパシーブレ
　　　 ハンニ・ミレル
　　　 トリシャ・フェレリ
　　　 ジョン・メディナ
　フィリピン映画得意の通俗ドラマ。生き別れ親子の再会を扱い、くだらないことこのうえないも、ファッション業界を舞台にしていて、セクシーな興味がわきあがる。
　メリッサ・メンデス演じるのがデザイナーで、トリシャ・フェレリ演じる娘がトップ・モデル。実はメリッサは若いころ、地元でミスだったのだが、レイプ同然に出産した過去を持っている。田舎ではアイラ・マリー演じるもう一人の娘がモデルにあこがれていて、酔っぱらいだった父が亡くなったのを契機に、オデット・カーン演じる祖母とマニラへでてくる設定。
　アイラはハンニ・ミレル演じる従姉妹と水商売でカネを得るも、オデットが怒って反省。今度はワインのセールス係としてチャンスを待つ。たまたまレストランであこがれのトリシャをみかけ、ワインの試飲をすすめると、意地悪な仕打ちを受けてショック。とにかく周囲からメリッサの娘だったから「ラッキーね」といわれ続けて性格がねじれたとの暗示を含め、トリシャのタカビーなイジメ演技が全編に炸裂。これがなかなかの迫力で、ちょっとした見せ場になっている。
　偶然からメリッサのスポンサーでもあるジョン・アパシーブレ演じるメーカーの社長がアイラをみそめ、モデルに抜擢。セールス用の写真を撮るためにファッション改造していくエピソードは、もっとぞくぞくするような面白さを表現できたはずで、凡庸な描写なのが惜しい。
　メリッサが下着ショーを企画し、トリのモデルをアイラに決定すると、不満のトリシャが悪事を企む。なんと本番でアイラの下着をはぎとるも、かえってトリシャの傲慢ぶりが報道されて人気失墜。実はジョンのことを好きだったのだが、フラれた過去を引きずっているせいもあってアルコール中毒に。
　ラストで自己中心的な行動の限りをつくしたトリシャが、突然、改心するならアホなフィクションとバカにしようと思っていたのだが、一応、一年後とのクレジットが入り、療養所生活を送ったとのクッションを置くあたりが、アイラを姉と認めてのハッピー・エンドに無理を与えなかったようだ。
　それにしても下着ときいてオデットが心配するのを、アイラが「ちゃんとブラとパンティーはつけてるから」と説明はおかしいものの、ショーの会場で一緒だったオデットとメリッサが義理の親子だと思いださない展開はヘン。ジョンがみせた写真でメリッサがアイラに対してピンとくる瞬間も、そのあとの接しかたに疑問を残し、平坦な劇構成に終わっている。
　またファッション・ショーの舞台裏を興味深く描くわけでなく、ステージそのものが怪しい照明の使いかたなど、バーのダンサーたちによるショー・タイムとさして違いがない内容なのは最大の短所。モデルたちにも納得するような美人が皆無で、あまりにも安手だったといえそうだ。
　さて肝心の女優陣の魅力だが、アイラはショート・カットなのがチャーミング。ジョンと愛し合うようになっての愛撫はピンクのスリップ姿で、座位のバックからジョンが裾をまくるとパンティーがチラッ。スリップの上からノーブラのオッパイをもまれると、セックスは顔のアップのみで、乳首の露出がなくて残念。下着ショーでもウェディング・ドレスのようなデザインで挑発性が少なく、トリシャに引っぱられて脱がされても、オッパイに腕をあてたままだから不満タラタラ。
　トリシャは大胆さを恐れず、ジョンの弟で、これまた陰険なジョン・メディナ演じる男性ファッション・モデルとつき合っていて、二人のブランコに乗ってのセックスで全裸。ここは肝心のパーツをみえなくしたポーズだったが、アイラを辱める罠を練るときに下着でベッドにうつ伏せで横たわり、パンティーからヒップの盛りあがりがキュート。乳首がのぞく寸前なのもカッカ興奮させてくれる。弟のジョンとフロへ入るシーンでは、ボディーに巻いていたバス・タオルをパラッととると素っ裸になるや、こちらへお尻のアナルがみえそうに突きだすからキャーッ。オッパイが下向きでプラプラッと揺れるショットもあって、もう我慢できない。兄のジョンとの回想におけるセックスでは、乳首がでるか…　でるか…　あや、ニプレスしてるかな？　といった感じで鼻息が荒くなる。ショーでの光沢ブラの下着や、療養所からでたときの下半身にフィットした赤いピタパンなど、さすがにバツグンのプロポーションをアピールするも、容貌がちょっとブスっぽいのがマイナス要素。
　ハンニはアイラたちがやってくる出会いのときに男娼とセックス中で、騎乗位になってもだえる全裸が視線を奪うながら、乳首は隠れたまま。ショーの下着はそそらないし、あまりにもブスだから、正直なところヌード・スターとして通用しているのが不思議なくらい。
　熟女のメリッサは確かに美人といえないかもしれないけれど、個人的にムズムズくるタイプで、ショーの直後にトリシャへアイラを「姉よ」と告げるときのバストの谷間を強調したドレスや、エピローグでの背中がスケスケ素材のイヴニングなど、ビンビンに刺激してくれる。とくに後者は銀ラメの光沢タイトで、ホント抱いてみたい中年女性だった。