ＰＵＷＥＲＡ　ＢＩＲＯ　ＭＡＨＡＬ　ＫＩＴＡ　　Ｄ’ＢＥＡＣＨＢＯＹＳ
（冗談なしで愛してる　ビーチボーイズたち）
　
95年：オクトアーツ・フィルムズ
監督：トニー・Ｙ・レイエス
主演：オギー・アルカシド
　　　 ミシェル・ヴァン・エメレン
　　　 マイケル・Ｖ
　　　 レーチェル・アレハンドロ
　　　 ラニー・レームンド
　　　 ジェネット・フェルナンド
　　　 リョイド・ウマリ
　　　 ロセル・ノヴァ
　　　 レジット・ミスフィッツ
　フィリピン映画得意の海岸ものコメディーで、くだらないながらも、バカバカしさを肯定できるなら楽しめるかもしれない。
　オギー・アルカシド演じる勤労学生が主人公で、マイケル・Ｖ、ラニー・レームンドなどが演じる同級生と寮に住む。クラスにはレーチェル・アレハンドロ、ロセル・ノヴァ、ジェーン・サレータなどが演じる女学生がいて、ラニーがレーチェルにほれている。一方、オーストラリアにジェネット・フェルナンド演じるレーチェルの従姉妹が留学し、ミシェル・ヴァン・エメレン演じるホーム・ステー先の友人をフィリピン旅行へ招く。バーテンのアルヴァイトをするオギーは、偏屈なマネージャーともめてやめる。ソクシー・タパショ（トパショ）演じるオカマが寮を訪ねてくるや、実はラニーの従兄弟。トニー・マベサ演じるラニーの祖父が経営するビーチ・リゾートで夏休みを過ごすことに決め、レーチェルたちを誘うが、ロルダン・アキノ演じるレーチェルの父の「従姉妹がオーストラリアのお客さんを連れてくるからダメだ」のひと言でオジャン。仕方なく野郎だけででかける。ミシェルはジョシュア・スパッフォード演じる恋人があまりに自分勝手で落胆し、失意でフィリピンへやってくる。沈んだ気持ちをなぐさめようとレーチェルたちがリゾート行きを提案し、たまたま同じ施設だったのでオギーたちとバッタリ。
　あとはもう予想の範囲内。小柄なオギーが長身のミシェルにほれ、アンバランスな二人だが、オギーの人のよさにミシェルが好意を抱く。ラヴラヴ・モードになったとき、ジョシュアが現われて強引にミシェルを連れさろうとする。仲間たちの協力をえてオギーが撃退。みごとミシェルのハートをつかむ。ロルダンの反対もとけ、ラニーとレーチェルもハッピー・エンド。
　他にロセルはマイケルと結ばれるのかと思えば、リョイド・ウマリ演じるハンサムな漁師とであって引かれ合う。
　ほとんどストーリーはあってないようなもので、主体はギャグの応酬といえる。学校でや海岸でと、ちょっとケンカが多すぎる気がしないでもないが、ルー・ヴェロソ演じるリゾートのマネージャーとのボコボコ合戦など、ニヤニヤできる内容を含む。オギーとルーの二人ともが落とし穴にドスン、なんて確かに笑える。程度の低さを前提においてだが…
　オギーに合わせてレーチェルとレニーが続く主題歌や、ロセルにリョイドが合わせる挿入歌など、オギーの仲間役のレジット・ミスフィッツを入れて、せっかく歌手の多い配役を生かすのはわかるが、アフレコ然の撮りかたは困ったもの。
　やはり楽しみの焦点は水着の女性たちに尽きる。リゾートにいるのが欧米人中心なのは、大胆水着でも肌が汚いためにいささか興ざめ。探せばフィリピーナも目だち、黒人から墨がとけだしてプールが真っ黒になるギャグで、逃げる女の子たちの水着が濡れてピチピチに貼りついているのに目を奪われる。さすがにミシェルはハイレグ・ワンピースやビキニで色っぽく迫るも、どこか白人なので興奮が起きない。ちなみにミシェルはＣＭモデルだったと推測され、そのＣＭらしきポーズをとるギャグがある。レーチェルはハイレグ・ビキニを披露し、浅瀬で遊ぶのが最高の見せ場(!?)。赤いジーンズ姿もそそる。ファニー・フェイスながらも魅力あふれるロシェルは短パンどまりになり、けっこうかわいいジェーンはワンピースの下にパレオを巻いたまま。一番美人のジェネットに水着がないのは残念。レーチェルだけで満足するか、なんて感じ。
　なおマイケルがときめくリョイドの妹を演じるのはプレシャス・ヴァレンシアのように思えるが、クレジットに表記がなくて不明。