ＰＵＲＩ
（名声）
　
04年：ＡＴＢ−４フィルムズ
監督：ニール・“ブボイ”・タン
主演：ハンニ・ミレル
　　　 イサベラ・ゴメス
　　　 クーデット・ホナサン
　　　 アレン・ディゾン
　　　 ステラ・Ｌ
　　　 デクスター・ドリア
　　　 マニー・アルシーリア
　　　 ジェット・サルテ
　父親の異なる三姉妹の物語。
　まず女系家族らしく、歴代の女当主の写真が屋敷にずらりと飾られているのがおもしろい。母親の葬式から始まり、ハンニ・ミレル演じる跡継ぎの長女とイサベラ・ゴメス演じる三女のもとへ、別居していたクーデット・ホナサン演じる次女がやってくる。長女が信仰に厚く、保守的な堅物。三女が普通の娘ながら、気が弱くて長女を恐れている。次女がモラルを欠く娼婦タイプ、との対照的なキャラクターづけがいかにも。埋葬のとき長女がロング、三女が膝丈、次女がミニの喪服からも違いを表わす。三女にはマニー・アルシーリア演じる恋人がいて、二人は密かにセックスするのだが、長女にみつかり三女が折かんをうける。次女はマリー・ハヴィエール、エンジェル・サルテなどが演じる友人たちとディスコで遊び、シャブでラリったり、家に男を連れこんで乱痴気パーティーを開く。そんなご乱行をしっため、三女に強制しながら長女が神に祈るのを、次女がバナナを食べながらながめている。カナダに住んでいたらしいデクスター・ドリア演じる叔母がやってきて、外国の男をうまくつかまえ「ビジネスに成功した」というのだが、恐ろしく下品な人物。次女と意気投合するも、長女があからさまに嫌い、叔母と一緒に次女がでていく。たまたま水もれが起こって、いかけ屋を募集したとき、マニーがやってくる。修理中に浴室で抱き合ったのがみつかり、三女が追いだされる。屋敷にはアレン・ディゾンとステラ・Ｌ演じる使用人の夫婦が納屋で暮らしていて、とにかく祈ってばかりの長女がアレンに手をだすのが、ちょっと説得力を欠く進めかた。ご主人さまだからしょうがないといったんは我慢したものの、ステラがキレて長女にカラみ、夫婦でマニラへでたいと思っていたこともあり、長女が泣いてとめるのをふりきったうえ、アレンが辞めていく。一年ほどたち、念願かなって日本で働いていた次女が帰ると、結婚して妊娠中の三女と出会い、屋敷を訪ねてみれば、長女が淫乱に変身していたとのストーリー。ちょっと反宗教的なオチに、一部の反感を買わないの、なんて心配がわく。
　舞台となる町の入り口に“科学都市ムーニョス”との幕がかけられているのが興味を引くところ。ニール・“ブボイ”・タンは同年制作の『ＴＡＫＡＷ−ＴＩＮＧＩＮ』でもこの町でロケしているが、撮影につかった屋敷も供用のようだ。長女の農場の視察にスーザン・コルプス演じる日傘さしがついてきて、小作へ長女が厳しく接する態度が単細胞。長女がメガネをかけているのも、メガネ＝高慢の図式がシンプルすぎる。屋外セックスのあと、三女が恋人と下着をはき間違えたり、三女のセックスをからかって次女がソーセージを食べるなど、笑いをとる個所が冴えず、プリカション（長女）、プリタ（次女）、プリシマ（三女）の役名にもダジャレじゃなくウイットがほしかった感じで、かなりイマイチといえる。アレンの家庭円満をみせるシーンで四人の幼い子どもたちにＯＴＳＯ−ＯＴＳＯを踊らせるのに、この曲の国民的ヒットがうかがえるのと、次女が「日本へいったからカネがある」と四駆車に乗っているあたりに日本幻想がにじむのが興味深いくらいかな。
　ブスのハンニ、かわいい系のクーデット、美人のイサベラのセクシーさはどうかだが…
　ハンニはアレンを誘惑でオッパイをポロリとモロにし、ブヨブヨの質感と黒っぽい乳首がそそらない。アレンとのセックスで下向きに揺れる乳房も魅力が薄く、鏡の前でハダカになってオッパイを映してみたり、ヘソだしボディコンに変わってもプロポーションが崩れていて、ボールド・スターなのが不思議なくらい。やはりクーデットのパワーが勝り、光沢の超ミニスカに両乳房を縦長の布でおさえたシャツもどきの衣装による登場の姿から下半身を元気にしてくれる。一人ベッドでもだえるときの陰毛がハミださんばかりのハイレグ・パンティーや、シャワーを浴びる全裸、男と立位で抱き合うＴバック・パンティーでお尻やオッパイをアップの露出もウハウハ。ただし、ややお尻がタレぎみなのと、乳首の形がビビッとこないのが惜しい。個人的に嫌悪の対象であるヘソピーをつけているせいもあって、完全に燃えきれない。そうなるとイサベラに期待がかかり、マニーとの逢いびき、小屋でのセックス、浴室でのちちくり合いで脱ぎまくる。座位のお尻にアップを欠くのは残念ながら、オッパイの大写しに思わず驚嘆。でも、やっぱり乳首が黒めみたいで、満足度が少し減点となる。もっともハンニからの折かんでパンティーをはぎとられるとき、スカートを押さえるイサベラの股間に、一瞬、アッ、オマンコがみえたか、みえないか、のショットを含むだけに興奮が盛りあがって、一応はイサベラでパーになれる。あと大ファンだったステラがさすがに容貌の衰えた印象で、オッパイを全開にしてくれるも、乳首が黒ずんでいる。
　ホント、乳首の好みにうるさいものとしては、いずれもあと一歩。
　なんて注文は多いのだが、イサベラのボディーに拍手を送りたい作品ではあった。