ＰＵＧＡ
（脱走）
　
80年：シナグタラ・フィルムズ
監督：ジュン・ガリアールド
主演：ルディー・フェルナンデス
　　　 チェリー・ヒル
　　　 パキト・ディアス
　　　 ルエル・ヴェルナル
　ルディー・フェルナンデス主演のＣ級アクションで、ファイティング・インストラクター担当のバルド・マーロは書かれるながら、監督名のほか、主要スタッフのクレジットが欠落しているのには困ったもの。資料からジュン・ガリアールドとわかるが、さほどタッチのうかがえるほどの個性はないので、誰でもいいかなんて気になってくる。まあ、こじんまりとしたまとまりには仕上げている。
　刑務所から始まり、妹のレイプ犯を殺したルディーが服役中。ケンカを売られたのをパキト・ディアスとルエル・ヴェルナル演じる囚人仲間に助けられる。やがて三人が脱獄し、パキトの弟の家に潜む。パキトとルディーが銀行強盗をおこない、嫌々ルディーが運転手で手伝わされる。チェリー・ヒル演じるパキトの姪とルディーは恋に落ちて、二人が駆け落ち。パキトはルディーを探しだしてまた犯罪に加担させ、ルエルが襲撃戦で亡くなる。ルディーはうまくパキトを振りきるのに成功。一方でルディーの脱獄を知って有力者である被害者の父がボンバー・モラン演じる刺客を雇い、ボンバーがルディーの行方を追っている。まさに滞在先のモーテルでチェリーの妊娠を聞いて喜んだとき、ルディーがボンバーに撃たれるとのストーリー。
　起立としゃがみの集団点呼があり、服役囚の土木作業でルディーへ殴りかかった囚人が看守に射殺や、パキトがルディーにホモを迫って殴り合いのすえに二人が独房にぶちこまれるといった刑務所の風景がいかにも。暴動から脱獄になって何名もが殺されるのに、ルディー、パキト、ルエルの三人だけが成功のご都合主義は、先へ進めるためにしょうがない構成かな。途中、車や服を奪うのをハショらないあたりはまずまずといえ、ルディーが足をケガして引きずるのはチェリーの看病をうけるための下地だろう。
　ローズマリー・ヒル演じるチェリーの母が夫やパキトと口論が絶えず、ルディーとチェリーの接近をうるさく警戒する。ローズマリーとチェリーは実際の親子なので顔が似ているし、ともに美人だからついついみとれる。ルディーがパキトをゴミ集積場へ放り投げ、奪ってきた札束が風に舞うと、子どもまで含むクズ拾いの男女がむらがるのにフィリピン社会がにじむ。といった興味深い要素がゼロではない。
　刑務所のシャワーで男たちがみんな全裸なのにルディーだけ短パンをはいているのは、安易にハダカをおみせできないスターゆえん。それにしてもパキトとルエルのお尻がアップになり、ルエルはアナルやチンポのつけ根がのぞきそうなのにゲーッと吐きそう。パキトとルエルがバーで連れだすホステス二人は、色っぽいシーンがなくて残念な感じ。
　でも興味の焦点はチェリーの魅力がどうかに尽きる。満月の下、田んぼの積み藁のもとでルディーと着衣のまま愛撫を繰り広げ、モーテルのベッドではシーツの中で抱き合う。最初からハダカにはならないだろうと予想していたので、この程度の露出でも十分に満足だったのだが…　モーテルでシャワーを浴びるのをルディーがのぞき、入ってくるときにチェリーの上半身をカメラがうしろからとらえる。もちろんブラをつけてなくて、もし振りかえるポーズでオッパイがチラつき、ワーッ、乳首がみえたらどうしようとドキドキする。ままま、まさかのチェリーのセミ・ヌードにカッカ興奮が高まり、もう我慢の限度を越える。あこがれのハミチチがおがめるなんて、本当に生きていてよかった。幸せ！　と歓喜がきわまったのに、なんとまだ終わりではなかった。続く全身ショットではシャワーの横にある仕切りからチェリーのボディーが半分だけ現われ、ビビビッとけいれんが走るくらい驚くことに素っ裸。腕の位置でたくみに隠しているとはいえ、片方のオッパイは乳首がポロリ寸前だし、もしレフで光をあてていたなら、間違いなく股間には陰毛がうつっていたはず。しかも斜め前から真横へと動くのでお尻の割れ目はみえないものの、腰からお尻のラインがくっきりで、ほとんど丸だし同然に近い。
　しばらく自失呆然の状態を招く天国的なワン・ショット。たまたまこの作品をみたことが、宝くじで一等に当たったに等しいだけの幸運をくれた、と恍惚＆至福感に満たされる。
　チェリー、大好き。
　物語の内容などはいっさい蚊帳の外。ただチェリーの素っ裸に百点満点をあげたくなった。