ＰＲＩＶＡＴＥ　ＰＡＲＴＳ
　
05年：ＡＴＤエンターテインメント・プロダクションズ／トップ・オブ・ザ・ライン・オートセールス
舞台演出： エルウッド・ペレス
出演：マウイ・テーラー
　　　 アレン・ディゾン
　　　 ベーン・セルヴァンテス
　　　 イネス・ヴェネラション
　　　 ヴァンジー・ラバラン
　　　 ウィルマ・ダズント
　　　 マイルス・ヘルナンデス
　　　 アヴィ・シワ
　　　 ソフィア・メッシナ
　演劇公演をうつした記録映画に分類されるだろうが、そもそも演劇自体、ヴィデオ撮影が目的だったように思える。主役のアレン・Ｔ・ディゾンが制作指揮を担当で、これは同様の舞台ドキュメンタリー『ＨＩＰＯ』に続くもの。エルウッド・ペレスが劇場の演出なので、共同監督にクレジットのアルマンド・レイエスが撮影のほうの演出だったのだろうか。
　セクシーな映画を制作しようとのシチュエーションにおいて、実際に佳作『ＭＡＳＩＫＩＰ　ＭＡＳＡＫＩＴ　ＭＡＨＡＰＤＩ』の監督であるベーン・セルヴァンテスが監督役に登場し、オーディションを告げる。参加者たちが歌って踊るミュージカル要素の自己紹介のあと、紅一点ではなく黒一点のアレン演じるライアンがお尻をだし、残りの七名の女たちがそれに駆け寄ってプロローグが終了。まずはイネス・ヴェネラション演じるレイプで自殺役のセクシー女優のアグネスがブラとパレオのビキニ、ウィルマ・ダズント演じるハリー・ベリーから芸名をとった黒人のハリーがタンク・トップにお尻へ貼りつくホットパンツ、アヴィ・シワ演じるノーマルとレズの両刀役の女優志願のエヴァが赤いメタリックの肩紐なしシャツにハミケツぎみの黒い短パン、マイルス・ヘルナンデス演じるセックス・シンボルを目ざす役のマイラが下着のブラに白い小さなパンティーがのぞく黒いレースの大きなパンティーに前かけ、マウイ・テーラー演じる落ち目の青春スター役のデイジーが下着のブラとシルヴァーのミニスカでセクシーな興味を引きつける。ソフィア・メッシナ演じる太めの中年女性のヴィクトリアや、ヴァンジー・ラバラン演じる肥満のおばさんのロサリーまで「セクシー女優志望」といっていて、どんな展開なのかと期待半分、怖さ半分。
　全体は“監督と役者たち”“好色な撮影現場”“突き刺すような鋭さ”“撮影現場でのひとつの練習問題”“監督の評価…”“グループで演じる映画のドラマとなるいくつかのシーンの撮影現場”“肯定的な反響と反応”“ロサリー女史がいなくなる：後悔が残り、大人の愛情へ進むか？”“撮影現場では演技が続く”“制作中の映画のクライマックスとハイライト”“よいニュースと悪いニュース！”“ロサリー女史が帰ってきた！”“俳優になることが実現し、愛情が本物になる”の十三場にわかれ、ドラマのみの場もあるが、基本的には歌とダンスを盛りこむ。最後に全員でアクロバティックなスペクタクルをつくるフィナーレでしめくくる。
　表面的な内容はさておき、鏡の前で全員がセクシー・ポーズをとったりのあと、アレンのチンポをほかの女たちがジーンズの上からさわるのをバックにベッドで芝居を演じるマウイが主役の存在になり、スケポチのワンピースやシャツで歌い、ジーンズの短パンにブラのみならず、とくに大胆な露出をみせる。黒マントをはおってあらわれ、下は黒いベビードール。マントを脱ぎ、アレンにベビードールのブラの部分をおろされるとトップレス。乳首モロだしのオッパイ全開でアレンに騎乗位でまたがり、お尻のあたりのシースルーの生地をまくりあげる。個人的に美人だと感じるのはイネスがイチバンで、インテリっぽくメガネをかけているのがさらにセクシーさをまし、もうたまらない。黒いシャツに黒い短パン、黒いブラに黒いピタパン、ストライプのビキニ、そしてレイプ・シーンでは黒い短パンからお尻の割れ目がチラつき、アレンに黒いシャツを破られて乳首に白いニプレスを貼ったオッパイがでる。吊りさがってまわるラストでもシルヴァーのブラと短パンが半ケツぎみ。マイルスは黒い網のパレオからＴバック・パンティーがのぞき、ヘソだしのシャツにジーンズの短パンがそそる。アヴィは白シャツに短パン、紐なしシャツに黒い短パン、赤いシャツにお尻へ食いこむ短パンのヴァリエーションのほか、バストの部分がパカッとふたつにわかれた水色のハイレグ・ワンピースにポッチが浮かび、今にも乳首がポロリとこぼれそうなのにハラハラさせ、お尻がＴバックっぽく半裸状態。ウィルマは貧乳だが、四タイプのビキニのうちのパレオをまくのはさておき、小さなパンティーでお尻をくねらせるポーズをとりまくり、なかでも白いパンティーが視線を奪う。光沢のボディコンも着る。ソフィアのレザパンはいいにして、ワンピースの黒ランジェリーはオイオイながら、ついにはヴァンジーもおふざけでスカートをまくってニセものの陰毛をつけた股間をみせる。
　赤い布をステージに敷いての血の表現や、ソフィアを女神のごとくバックに配しての乱舞がエルウッド・ペレスの才気の発露とうかがうも、まずまずです程度の評価。人物のアップや動きを追いきれず、カット割りのぎごちなさがイライラをつのるところもあるが、こうしたセクシーな公演を映像に残すのは嬉しい限り。
　本当なら、あと二台くらいカメラを使ってほしいなあ。