ＴＯＬＥＤＯ　ＥＮＣＥＮＤＥＤＯＲ，Ｄ．Ｐ．Ａ．
ＰＡＳＡＳＡＢＵＧＩＮ　ＫＯ　ＡＮＧ　ＭＵＮＤＯ　ＭＯ！
（あなたの世界を私が爆破する！）
　
00年：リーガル・エンターテインメント
監督：バルド・マーロ
主演：リト・ラピッド
　　　 クラウジャ・コロネル
　　　 エフレン・レイエス
　　　 ダニエル・パシア
　　　 レヴィー・イグナシオ
　　　 ジョアンヌ・ミレル
　フィリピンのアクション映画はしょせん女優しだい、というのは個人的見解だが、この作品などセクシー・ダイナマイトのクラウジャ・コロネルがいなかったと仮定したら、はたしてみるべき要素があったかどうか。
　とにかくドンパチ撃ちまくる内容ではある。リト・ラピッド扮するトレドという主人公は軍隊の元・特殊工作員の設定で、いきなり山奥にある吊り橋が爆破されるのをバックに走るシーンから始まる。あとでわかるのだが、リトはエフレン・レイエス扮する同僚が誘拐強盗のシンジケートに通じていることを発見し、それで仲間になるように誘われるのだが、断ったからエフレンらの殺害の魔の手から逃走していたのである。
　一方、マニラではビリヤード場で麻薬取り引きが行われ、クラウジャ・コロネル扮する捜査員たちが踏みこんで銃撃戦になる。ジーンズ姿でピストルをかまえるクラウジャが抱きつきたいほどカッコいい。どちらかというとスラッとしたスタイルというよりも、はちきれんばかりの豊満ボディーだから、全身をもみほぐしたくなってしまう。
　物語は偶然の人間関係が軸になっていて、リトとクラウジャはかつて恋人同士だったという設定。リトには長い間行方不明になっていたジョアンヌ・ミレル扮する妹がいるのだが、たまたまジョアンヌが麻薬取り引き現場に遭遇し、お宝が入っているものと思って犯罪組織のアタッシュ・ケースを持ち逃げする。クラウジャがジョアンヌを逮捕するのだが、この事実をニュースで知ったリトが、それまで潜伏生活を送っていたのだが、クラウジャに連絡をとってくる。クラウジャたちが追っていた麻薬組織のボスが、実はエフレンだったために…
　とまあ、あまりにうまくこじつけてあるので、かえってこじんまりとしてしまって、映画からスケール感を著しく奪ってしまった感じは否めない。このあたりグレン・マルセドの脚本がイマイチなのだろう。
　ジョアンヌがエフレンにさらわれ、リトとクラウジャが救出に行き、そこでまた銃撃戦。とくにアイディアを盛りこむわけでなく、車のスタントも含めて、ただただドンドンパチパチで、バルド・マーロ監督の力量ももう一つと思えてしまう。最後にアタッシュ・ケースの中にあった書類との交換となって、やっぱりハデな撃ち合いに変貌し、エフレンを倒してハッピー・エンドで、これだけなら「くだらなかったなあ」とあきれて終わる内容という結果である。
　ところがこの作品は、クラウジャという最強の武器を持っていて、しかも１００％活用してくれるから「ああ、みてよかった」とたっぷりの満足感を与えてくれることになる。
　クラウジャがシャワーを浴びているすきにリトが部屋にアタッシュ・ケースを隠しているのを探るシーンでは、まずクラウジャがスルスルッとタンク・トップのシャツとジーンズを脱いで下着姿に。白い紐なしブラからのぞく顔をうめたくなるような胸の谷間の動きに視線が翻弄されてしまう。バスタオルでボディーをくるむと、エッ、それ以上脱がないのと一瞬不安になるものの、続くシャワー・ルームの中ではみごとな全裸。斜めうしろから撮られているので、プクッと丸みをおったお尻の割れ目を水がしたたっていく光景がなんとも隠微でなまめかしい。前かがみになると乳房がたわわに揺れるのが目撃できるし、その乳房をクラウジャが自らもみほぐして洗う。カメラはボディーをなめるように上下に動くので、もうたまらない。
　さらにリトとの思い出のラヴ・シーンでは、海岸を濡れたＴシャツ姿のクラウジャが乳首スケスケ状態で走ってくる。わざとブラをつけずにファンがみたい部分を露出させ、プラプラ揺らせるのだから、文句なしのサーヴィス精神。そのあとはハイレグ・ビキニで再び走ってきて、リトに抱きあげられるのだが、全裸、スケスケ、ビキニだと順序が反対だろうとも思ってしまう。でも先に中身の吸いつきたくなるような乳首をみせられてしまっても、それをくるんだビキニ姿でまた興奮させてくれるのだから、クラウジャ恐るべし。
　彼女の存在が作品の魅力のほぼ全部を占めているといえよう。
「ああ、やっぱりみてよかった！」
　ジョアンヌ・ミレルはボーイッシュなイメージで、ほとんど色気を感じさせないが、アタッシュ・ケースを持ち逃げするシーンでジーンズ姿のお尻のアップがあるのは、ちょっとキュートだった。