ＰＡＲＡＩＳＯ　ＳＡ　ＧＵＢＡＴ
（森の中の天国）
　
05年：ラヴ・フィルムズ
監督：セザール・ＳＢ・アベーリア
主演：ニカ・マドリッド
　　　 シャンハイ
　　　 ミラ・ミラソル
　　　 クリソル・モレナ
　　　 ジョエル・オルテガ
　　　 クラーク・コンセプション
　　　 レネ・ロメロ
　　　 エルニー・フォルテ
　２００５年にセザール・ＳＢ・アベーリアは、十三本の作品を監督した。ざっとあげれば『ＡＧＯＳ』（カト・デ・サントス、ヴィア・ヴェロソ主演）『ＧＲＡＣＩＡ』（カト・デ・サントス、ヴィア・ヴェロソ、ラジャ・モンテロ主演）『ＬＡＭＡＴ』（カト・デ・サントス主演）『ＭＡＨＡＲＯＴ』（クーデット・ホナサン主演）『ＭＧＡ　ＫＡＬＡＰＡＴＩ　ＳＡ　ＧＡＢＩ』（カト・デ・サントス、メエ・トンコ、ラジャ・モンテロ、ニカ・マドリッド主演）『ＰＡＳＡＷＡＹ　ＮＡ　ＭＵＬＴＯ』（ラジャ・モンテロ主演）『ＲＯＳＥＳ　ＡＮＤ　ＬＯＬＬＩＰＯＰＳ』（クーデット・ホナサン、カト・デ・サントス主演）『ＳＡ　ＰＡＧＩＴＡＮ　ＮＧ　ＬＡＮＧＩＴ』（ニカ・マドリッド、ラジャ・モンテロ主演）『ＳＡＫＳＩ　ＤＲＩＶＥＲ』（メエ・トンコ、ラジャ・モンテロ、ニカ・マドリッド主演）『ＴＡＧ−ＵＬＡＮ　ＮＧＡＹＯＮ…　ＡＮＧ　ＢＵＫＩＤ　ＡＹ　ＢＡＳＡ　２』（ニカ・マドリッド主演）『ＴＡＧＯＳ　ＳＡ　ＬＡＭＡＮ』（カト・デ・サントス、ヴィア・ヴェロソ主演）『ＴＵＫＳＯ』（クーデット・ホナサン、ラジャ・モンテロ主演）と本作で、サン・ブエナヴェントゥラに監督をまかせて脚本執筆の『ＬＩＰＳＴＩＫ』（カト・デ・サントス、ニカ・マドリッド主演）を数えれば十四本。実に一ヶ月に一作を越えていて、ほとんどＴＶの連続ドラマなみといえる。ロケ地や衣装がダブっているだけでなく、同じショットを使いまわしているケースもみられ、ホント、シャーシャーと手を抜いたもの。女優とのコンビを整理すれば、カト・デ・サントスが『ＡＧＯＳ』『ＧＲＡＣＩＡ』『ＬＡＭＡＴ』『ＬＩＰＳＴＩＫ』『ＭＧＡ　ＫＡＬＡＰＡＴＩ　ＳＡ　ＧＡＢＩ』『ＲＯＳＥＳ　ＡＮＤ　ＬＯＬＬＩＰＯＰＳ』『ＴＡＧＯＳ　ＳＡ　ＬＡＭＡＮ』と七本でもっとも多く、ラジャ・モンテロが『ＧＲＡＣＩＡ』『ＭＧＡ　ＫＡＬＡＰＡＴＩ　ＳＡ　ＧＡＢＩ』『ＰＡＳＡＷＡＹ　ＮＡ　ＭＵＬＴＯ』『ＳＡ　ＰＡＧＩＴＡＮ　ＮＧ　ＬＡＮＧＩＴ』『ＳＡＫＳＩ　ＤＲＩＶＥＲ』『ＴＵＫＳＯ』と六本、ニカ・マドリッドが『ＬＩＰＳＴＩＫ』『ＭＧＡ　ＫＡＬＡＰＡＴＩ　ＳＡ　ＧＡＢＩ』『ＳＡ　ＰＡＧＩＴＡＮ　ＮＧ　ＬＡＮＧＩＴ』『ＳＡＫＳＩ　ＤＲＩＶＥＲ』『ＴＡＧ−ＵＬＡＮ　ＮＧＡＹＯＮ…　ＡＮＧ　ＢＵＫＩＤ　ＡＹ　ＢＡＳＡ　２』に本作と六本で続き、クーデット・ホナサンが『ＭＡＨＡＲＯＴ』『ＲＯＳＥＳ　ＡＮＤ　ＬＯＬＬＩＰＯＰＳ』『ＴＵＫＳＯ』の三本となる。四、五年前によくコンビを組んだヴィア・ヴェロソはサポートにまわって『ＡＧＯＳ』『ＧＲＡＣＩＡ』『ＴＡＧＯＳ　ＳＡ　ＬＡＭＡＮ』の三本で、二、三年前によくコンビを組んだメエ・トンコは『ＭＧＡ　ＫＡＬＡＰＡＴＩ　ＳＡ　ＧＡＢＩ』『ＳＡＫＳＩ　ＤＲＩＶＥＲ』の二本。映画のできはどれもお世辞にもほめられた水準ではないが、とにかくカト、ラジャ、ニカ、クーデット、ヴィア、メエと大好きな女優たちを出演させ、ボンネル・バリンギット主演のコメディー『ＰＡＳＡＷＡＹ　ＮＡ　ＭＵＬＴＯ』と『ＳＡＫＳＩ　ＤＲＩＶＥＲ』はさておき、ボールド映画でセクシーさを引きだした点は買える。その意味だと、頑張って撮ったなあと感謝をおぼえる。中でもニカを主役に起用は個人的に嬉しいところで、いわゆる隣のかわいこちゃんタイプであってスターのイメージじゃないが、恋人にしたいくらいの親しみを感じるだけに。
　看板女優としてリーディング・ロールをになう作品では『ＴＡＧ−ＵＬＡＮ　ＮＧＡＹＯＮ…　ＡＮＧ　ＢＵＫＩＤ　ＡＹ　ＢＡＳＡ　２』以上に本作は、ニカの魅力がでた内容といえる。レネ・ロメロ演じるトライシクル・ドライヴァーにクリソル・モレナ演じる妻がいて、ジョエル・オルテガ演じる男と浮気の現場を発見し、思わず二人を刺殺。まだ幼いケイシャ・セヴィーリエ演じる娘を連れて山奥へ逃げこみ、小屋を建てて住む。かごをつくるなどで生計を立て、娘が成長でニカが演じるようになると、都会からシャンハイ演じる地主がでてくる。ニカに会ってシャンハイがときめき、川で洗濯中のニカを訪ねてキスにおよぶが、ニカも悪い気がしない。ミラ・ミラソル演じるシャンハイの妻がクラーク・コンセプション演じる使用人と不倫しているのをみつけ、シャンハイが二人を追いだし、ニカに服をプレゼントする。レネがニカの服を怒り、交際を頼みにきたシャンハイを受けつけず、頭から猛反対。レネの目を盗んでニカとシャンハイが逢い引きを始める。ミラがニカとレネのところへシャンハイとのツー・ショット写真をもってきて「私のカレだ」というと、ニカがシャンハイに説明を求め、「もう別れた」の返事と同時に、ニカの妊娠が発覚。レネに正式な結婚の許しをこうも断られたので、ニカが家出でシャンハイと暮らす。やっとレネが認めようと思ったとき、逮捕の警官が現れる。刑務所の面会でレネがニカにシャンハイとの幸福を願う。もはや学芸会レヴェルにも達しないチンプさのうえ、通例のごとく“サムワン・トゥ・ウォッチ・オヴァー・ミー”“フィーリング”“アンフォゲッタブル”のインストゥルメンタルなど、既製曲を安易に使うながら、エルニー・フォルテとオカ・レイエス演じる山の男たちがいつも昼間から飲んだくれていたり、ニカとシャンハイが六人も子どもをつくっているあたり、フィリピンっぽくて愉快。
　それでニカの露出度はというと、いきなり滝の池で水浴びの登場シーンで、遠景にとらえるのが惜しいも、全裸で陰毛がみえる。シャンハイに乳をもまれる川での洗濯はワンピースの上からだが、服をもらっての愛撫はワンピースを脱ぎ、オッパイ丸だしのパンティー一枚。セックスを思いだす中でもオッパイが全開になり、パンティー一枚の水浴びではオッパイがモロと、濡れて貼りついたパンティーに陰毛がチョロっと浮かぶ。レネが財布を忘れたと戻ってきたのであわててやめる愛撫は着たままなものの、シャンハイの家に移ってからのセックスで座位と女性上位のオッパイをたっぷりと披露し、パンティーが食いこんだワンワン・ポーズのあと、正常位のオッパイで乳首がアップになる。しかも手前に椅子なめ構図で肝心の部分を隠す撮りかたはヘタでも、乳首のなめ合いが気持ちよさそうとムズムズさせる。オチの子どもを生み始めるセックスにいたって、さらにオッパイを堂々にみせる。
　まさに性欲を刺激してやまないニカの素晴らしさ。
　クリソルとミラにもヌードがあり、クリソルはジョエルがワンピースをまくってパンティーをだしたうえ、手前にポットなめのダサい構図で正常位のオッパイをバッチリにする。ミラはけっこうかわいく、シャンハイにベッドでセックスを迫ると、正常位で小さな乳首をおがませるのみならず、オマンコのみえそうなカラミのかっこうに興奮をくれる。クラークとの座位のセックスでもオッパイが明らかだが、シャンハイにみつかって逃げる全裸が暗くてボケぎみで残念。ほかにミラの妹を演じるフェー・ナヴァロには色っぽいシーンがなし。
　いずれにしてもニカの裸体に快感の一編だった。