ＰＡＮＩＷＡＬＡＡＮ　ＭＯ
（あなたの信じるもの）
　
93年：オクトアーツ・フィルムズ
監督：マニン・ボルラサ（エマヌエル・Ｈ・ボルラサ）
主演：アガ・ムーラック
　　　 ドーン・スレータ
　　　 トントン・グチェレス
　　　 ジェーミー・リヴェラ
　　　 レイ・“ＰＪ”・アベリアーナ
　大好きなドーン・スレータの魅力爆発で、個人的に嬉しいラブ・ロマンスもの。オープニング・クレジットで“ストーリー＆脚色（スクリーンプレイ）がマニン・ボルラサ”とでて、あとに今度は”脚本（リトゥン）＆監督がマニン・ボルラサ”だから、なんだ、そのマヌケな表記は、と笑いが起きるが、全編にも同様のマヌケさを引きずっているようなところがうかがえる。でもドーンの美しさが、そんなマイナス要素を吹き飛ばしてくれる。
　アガ・ムーラック演じる画家が主役で、ノエル・トリニダッド演じる絵画を愛好する弁護士の依頼による婦人画の顔だけがイメージできずに困っている。たまたまエレベーターでみかけたドーン演じるビジネス・ウーマンに引かれ、ドーンの容貌をまねてみたら、ノエルに知り合いの女性だといわれる。うまくドーンの車が故障したのをきっかけにアガが近づき、ノエルの友人だと安心させてドーンの家へきてみれば、なかなかの豪邸。そこの居間にかける抽象画をアガが描き、ドーンもアガに好意を抱くようになる。ドーンがアガのアトリエを訪ね、ローズマリー・ヒル演じるアガの叔母が住むバギオでデートし、深い仲へ。ドーンにはレイ・“ＰＪ”・アベリアーナ演じる恋人がいたのだが、嫉妬深いレイに嫌気がさして別れる。ジェーミー・リヴェラ演じる若い娘がアガに恋しているも、アガにその気がない。しばらくは良好だったアガとドーンだが、トントン・グチェレス演じる仲間たちと軽薄にアガが酔っぱらうなどして、ドーンの失望を誘う。しかもシルヴィア・サンチェス演じる女性の仲間がアガに迫る現場へドーンがきて誤解を招き、アガのアトリエに置いてあった着がえをまとめると、ドーンがでていく。トントンがジェーミーを好きで告白し、今はトントンと交際を始めたジェーミーがシルヴィアを責め、アガにドーンのあとを追わせる。でもアガがレイともめて取っ組み合い、ついにあきれたドーンが破局を決める。ローズマリーがアガをいさめ、ドーンがオーナーの会社で重役をつとめるチャンダ・ロメロ演じる叔母がドーンに現実を説き、ドーンが心を開いて復活とのストーリー。
　なにがマヌケかといって、カラオケやトントンのギター伴奏でジェーミーが歌うシーンが三度あるのだが、口パク丸わかりの手抜きにドッチラケ。アガがタクシーでドーンの車を追いかけ、昼間が夜に変わっているから、いったい何時間乗っていたの、料金はいくらなの、といいたくなる。社長室に個人秘書がいるドーンの会社の仕事がはっきりせず、そんなに儲かるわけ、との疑問を起こさせる、などの手抜きが目立つ荒さの部分。アガがワザとドーンの会社の入るビルの階を間違え、メリー・タガサ演じる入り口ですれ違ったおばさんに日本へ行くダンサー志望のふりをするあたりも、さっぱりおかしさに乏しい。
　それでもノエルがスポンサーとして仕切ったアガの個展には市長まで出席するのに、アガが自ら開いた個展には客がほとんどこなかったりの風刺を含み、ミニー・アギラー演じるドーン宅の太った家政婦が二枚目のアガにときめきを感じる様子がさり気なく伝わってくる。アガとドーンがキスしようとした瞬間にディンドン・アヴァンサド演じるドーンの弟やトントン、ローズマリーとタイミング悪く三度もジャマが入るのを挿入するユーモア・センスが生きて、まずまずかもしれない。
　とにかく素晴らしいのはドーンの存在につきる。花にかこまれたドーンをアガが写生し、どうして裸体じゃないのよ、と不満なのは普通の印象。人物画の基本はハダカのはず。酔って調子をこいたシルヴィアが脱ぎ、みんなでデッサンするシーンがちゃんとでてくる。シルヴィアのモデルぶりがまったく映らないのは残念だが…　シルヴィア同様、ドーンのヴィーナスもおがめないとはいえ、すりガラスの奥でシャワーを浴びるショットにオオオオオ。まさか、吹きかえの別人か、肌色の水着をつけているに違いないとわかっていても、つい興奮。なんたってドーンだから…
　乗馬のあとのパンツ・ルックが、ビクッと予想以上にセクシー。どちらかというと普段からゆったりめのスラックスやジーンズによるファッションが主体のドーンなのに、ここではピチピチに下半身へフィットしたデザインゆえにお尻の肉づきが明らか。もう割れ目にそって指でなぞりたくなる。白いシャツとキャロット・スカートのかっこうで雨にふられたあとは、濡れて乾かさなきゃとシャツ脱ぎ、ブラの胸元があらわに。小さめのバストがキュートでタイプだけにカッカ燃えてくる。まさか下もパンティーになるのかと心臓が張り裂けんばかりにドキドキすると、それはなかったが、しめったスカートからパンティーが浮きあがり、お尻の形を浮き彫りにしてくれる。アガのアトリエでパレットの上に寝ころび、絵の具がついたとシャツを脱ぐときもブラに包まれた乳房が誘惑光線を放ってきて、はたしてどんなにかわいい乳首なんだろうとの想像が脳裏にかけめぐる。
　いやはやヌードじゃなくてもビンビンの刺激を抑えきれず、ドーンが爆発させてくれるのみ。すごい。
　あとジェーミーがローブで現われて下着になるのかと盛りあげながらも、ならないのが惜しいとはいえ、ドーンだけで十分に満足。ドーンあっての映画なのは間違いない。
　なお、ドーンの両親役でラミル・ロドリゲスとベイビー・オブライエンが、ディンドンのガール・フレンド役でジェニファー・メンドーサが出演している。