ＰＡＭＩＮＳＡＮ−ＭＩＮＳＡＮ
（現在とそれから）
　
92年：セイコ・フィルムズ
監督：ダンテ・Ｖ・ハヴィエール
主演：グレッチェン・バレート
　　　 ガルド・ヴェルソザ
　　　 ペルラ・バウティスタ
　　　 マーク・ヒル
　　　 シルヴィア・サンチェス
　　　 マリオ・サルセド
　　　 ゲムソン・サイ
　グレッチェン・バレートの魅力でみせるというか、それしかとりえのないアクション映画。
　マリオ・サルセド演じる夫、ゲムソン・サイ演じる幼い息子、ペルラ・バウティスタ演じる夫の母と幸福な家庭生活にあったグレッチェンのところへ、マーク・ヒル演じる横恋慕する男が、ダン・フェルナンデスなどが演じる手下を連れて現われ、グレッチェンをら致のうえ、自分のコンドミニアムに監禁する。ずっと奪還のようすをうかがっていたマリオが、たまたまマークがでかけたときに救出を試みるも、戻ってきたマークによって射殺。なりゆきでガルド・ヴェルソザ演じるコンドミニアムの守衛がグレッチェンの逃亡を助けるストーリー。
　まずマークの態度がいささか異常者っぽいのが不自然だし、レナート・デル・プラドがチーフを演じる警察がマヌケすぎるのが短所といえる。マリオの葬式でマーク一味と別々に張っていって、あとでガルドと撃ち合いになるとき、マークたちを逮捕しないのはなぜ、との疑問にまったく答えていない。グレッチェンとガルドが海岸の別荘に隠れ、けっこう立派な家だけに、こんな資産をもっているグレッチェンの環境にも説得力が薄い。ガルドにシルヴィア・サンチェス演じるマーケットに勤める妻がいて、ディーノ・エスピリトゥ演じる男がいいよっている。ガルドが事件で消えてから寂しさがこうじ、ついにディーノと浮気の真っ最中にガルドがようすをうかがいに帰ってくるタイミングの悪さはわかるながら、ガルドがさっぱり見張りに無警戒な態度なのはヘンだろう。ディーノが撃たれ、シルヴィアまで命を落とすご都合主義は、いかにもグレッチェンとガルドをくっつけるための安易さ。フミルデ・“ミーク”・ロハスの脚本が手抜き、と指摘せざるをえない。
　頼りない雰囲気だったガルドが男らしさをみせる変化を骨格にすえるのはうなずけるも、いったんつかまったガルドが逆襲に転じ、けっこうな人数がいるマークの一味を一人で全滅へ追いこむ銃撃戦に無理があり、ダンテ・ハヴィエールの演出もイマイチ。
　グレッチェンが亡くなったマリオへの気持ちが離れず、ガルドがシルヴィアを愛する中、いかに二人にロマンスが芽ばえるのかと注目したところ、ゲムソンがなついて、子どもをダシにつかうあたりはまずまず。パンツ一丁で夜に海へ入って、ゴシゴシとパンツを脱いで洗うガルドをグレッチェンが盗みみたあと、ガルドがゲムソンに泳ぎを教えているとき、グレッチェンが誤って桟橋から転落。ガルドがマウス・トゥ・マウスで人工呼吸、なんて笑っちゃうよなあ。
　もっとも冒頭で述べたように、グレッチェンさえセクシーなら、まったく文句のないのは事実。マークにパンティーをはぎとられ、四つんばいでアナルに挿入される変態レイプはワンピースを着たままだし、部屋でトップレスにむかれるのもうしろ姿のみだが、海に落ちてガルドに救われるかっこうが、白いシャツから乳首の半スケ状態のうえ、パンティーには陰毛が黒ずんでいてウハウハ。ビーチでたわむれるマリオとの思い出でガルドにイメージが変わる夢において、ハイレグのビキニがそそりまくり、ほどよい大きさの胸元と、豊かな下半身の肉づきに興奮が爆発する。ガルドと泳ぎの練習で身体を海面に浮かべるショットでは、パンティーが水着じゃなく下着だから、濡れてお尻にピタピタッと貼りついているのが丸みえよりも色っぽい。確かに美人とはいいかねるものの、葬式へ潜入するメガネをかけた尼僧のかっこうのハッと息をのむようなかわいさはビンビン必至で、こりゃ、奪いたくなる欲望も当然じゃないか。
　グレッチェン、大好き。
　あとシルヴィアがガルドとのセックスで全裸になり、うつ伏せポーズでオッパイとお尻をだす寸前まで披露し、黒いパンティー一枚の寝姿がゾクゾクを呼ぶ。ディーノとベッドのあとに撃たれるとき、シーツをボディーに巻いたままが残念。マークがガルドを拷問の際に、横で愛人らしき女（ベベン・アモーラ？）をいたぶるのはオマケだった。