98年：スコルピオ・フィルムズ
監督：ダンテ・Ｖ・ハヴィエール
主演：マリセル・モラレス
ダニエラ
フアン・カルロス・カストロ
リコ・ミゲル
クーキー・ホッケンスミス
籠の中の鳥だった女性が自立していく物語だから、ポルノグラフィーだといったらダンテ・Ｖ・ハヴィエール監督らは心外だろう。でも殺人がからんできてイマイチ納得のいかない展開なれど、ダニエラのセクシーさは全開だから、ビンビンに興奮の作品であることは間違いない。
田舎町の中流家庭が舞台で、マリセル・モラレスとダニエラ演じる姉妹が住んでいる。実は叶姉妹のように本当の姉妹でないとわかるのだが、姉のマリセルはちょっとブスっぽい。しかもお高い性格ブスでもあり、すましたり、嫉妬したり、マリセルはイヤな女をみごとに演じている。鏡の前で白い下着姿になり、自分のボディーを観察するシーンでは、スタイルがバツグンであるとわかり、容姿的なブスも許せるブスだから、あとのヌードに期待がかかる。
ダニエラはハッとするような美人で、マリセルがでかけたすきに物置でいなくなった義理の兄（？）の衣服を身体にすりつけ、悶えるポーズをみせてくれる。オッパイのみならず、オマンコにまでゴシゴシ押しつけるから、脱いではいないものの、けっこうなまめかしい。突然、帰ってきたマリセルに衣服をとりあげられ、焼かれてしまうのだが、夜にマリセルがダニエラのベッドへしのんでくる展開になって、二人がレズとわかる。それもマリセルからの片思いが強いようだが、ブスが美人にあこがれるという設定は納得がいくところ。
マリセルが庭師というか、住みこみの男性のお手伝いさんを募集していたのだが、フアン・カルロス・カストロ演じるセックス・アピールのある男を雇ったことでドラマが動きだす。そんな、これじゃ最初から問題に発展することが丸わかりじゃないか、と無理なシチュエーションづくりにあきれるも、そこはフィクション。フアンにはクーキー・ホッケンスミス演じる恋人がいて、住みこむことを納得させる。
クーキーはいきなり石鹸で身体を洗うシーンから登場して、泡まじりの水がお尻をつたわっていき、チラリ乳首もみえて、最初からの全裸にキャー。美人とはいかないが、マリセルよりはかわいいから、嬉しいサーヴィスじゃないか。バス・タオルを体に巻いてでてくると、赤いパンティーをはくのだが、バス・タオルがめくれあがって、パンティーに包まれていくときにお尻がみえちゃってる。そのあと上にキャミを着るからオッパイが隠れるのは残念だが、パンティーのまま動きまわって、ベッドでのキス・シーンではそのパンティーの中にフアンの指が入っていく。
ダニエラよりも先にクーキーで鼻息が荒くなろうとは。
稼ぎのないフアンを怒るときに、クーキーからサウジ・アラビアの話がでるのも興味深い。
さらに日曜日で姉妹が教会へ行くときに、フアンは家へ帰ってクーキーとセックス。白い下着にヒップラインが色っぽいクーキーは、ブラをとるのだが、乳首がみえなくて、じらしてくれる。ただ、これにマリセルとダニエラのレズのベッド・シーンがダブってきて、スリップのダニエラにうっとり。
音楽がどこか『タブー』に似ているのだが、音楽担当のレイ・マグトトの狙いだろうか。
当然ながらダニエラはフアンを意識するようになり、フアンも同様で、マリセルを不安にさせる。マリセルがフアンをクビにしないのは、やはりフィクションだろう。
マリセルが気持ちを確かめようとレズの愛撫を始め、脱がされたダニエラが乳首を手で隠して座るポーズが悩殺もの。マリセルも脱いで、照明で暗っぽいが、乳首も少しみせての女同士のセックス（？）に迫力がみなぎる。全裸で横たわるダニエラのボディー・ラインなど、美人のハダカは神の芸術であると教えてくれる。
そのあとリコ・ミゲル演じる、冒頭からダニエラをつけまわしていた男がいるのだが、リコがダニエラに口説かれる夢をみるシーンで、いきなりダニエラは大胆な露出に。スリップを脱ぐとオッパイが全開で、みみみみ、みごとな美乳。ピンクの乳首がなんともかわいく、舌先でペロペロしたい。まさか今までもったいぶってきたのに、こうも不意打ちで乳首がおがめるとは予想だにしていなかっただけに、鼻血がでそう。
いよいよフアンが服のうえからチンポを押しつけるなど攻勢をかけてきて、全裸で抱き合うイメージを起こすシーンでは、ダニエラよりもフアンのほうのお尻がみえていて、そりゃないよ。
夜に外でフアンが全裸で水浴びするのをのぞいたマリセルが、ダニエラにあえて誘惑するように仕向けるあたりから、ゆがんだ話になってくる。
自分の衣装箱からマリセルが青のセクシーな下着を選んで、ダニエラにわたすのだが、背中がパックリとあいたスケスケのハイレグで、まだ着ないうちからそれを着たダニエラの姿を想像して心臓がドキドキ。フアンの部屋へやってくると、なんとフアンの上に乗ったときに、下着はダニエラのお尻の割れている部分を隠しているだけの、予想以上のハイレグ。しかも上半身を脱がされて、あのウルトラ美乳がまたもバッチリで、やめてくれー、と頭の中がパニックに。やっぱりダメとダニエラが逃げてきて、シャワーを浴びるのだが、今度は素っ裸のうしろ姿のお尻に石鹸がしたたり、ここでついに降参。
冷静にみるとダニエラは意外と安産型だが、決して嫌いじゃなく、かえって全身をナメナメしたくなる。
映画はさらにセクシー攻撃を続け、スカートからパンティーをチラつかせるなどダニエラが積極性に転じ、下着姿でフアンに抱かれ、マリセルに報告し、全裸で水あびをするフアンの身体を洗ってあげ、自分も濡れてノー・パンのスリップからボディーが貼りついて浮かびあがり、ダニエラのパワーがこれでもかとチンポを刺激してくる。台所で洗いものをするダニエラを抱くときは、フアンのジーンズが脱がされてみたくもない半ケツになるのだが、両脚をフアンのお尻にかけるダニエラのポーズが度を越えてエッチ。階段のセックス・シーンでの乳首のポロリや、ベッドで背中を向けた座位のセックスでの大胆なオッパイの露出など、もう二回でも三回でもイケそう。うしろ姿の全裸のダニエラがフアンの上に座っていて、お尻と下腹部がピッタリとくっついている格好にもノック・アウトされるのみ。
フアンはクーキーで勃起しなくなるのだが、赤いパンティー姿のクーキーは本来ならおいしそうなものの、そりゃそうだよ、と共感してしまう。クーキーがマリセルの家の前までやってきて、リコの存在に気づき、黒の超ミニでリコを誘惑して、部屋へ行くと黒いブラまでみせると、シルエットのセックス・シーンを繰り広げるのだが、けっこう短絡的なストーリー運びにオイオイとの感じが残る。
マリセルが毒を買ってきて、ジュースに入れてフアンに飲ませるようにダニエラに命令する時点で、だんだん映画は現実離れの印象が大に。途中、何度かフアンにジュースをあげたり、マリセルにミルクを運ぶ描写があったのだが、それらが伏線だったことがわかる。ジュースとミルクを前に、ダニエラがどっちに毒を、と思わせるも、とくにサスペンスはなく、あっさり二人とも殺害。フアンに掘らせていた庭の穴に放りこんで埋めるのだが、スコップで土をかけるダニエラの前かがみの乳首がのぞきそうな胸元のゆれや、キャミからパンティーがチラつく斜め下から撮ったカットがあるから、ダンテ監督ってスケベね、と嬉しくなる。ホント、趣味が合うなあ。
死んだと思ったフアンが穴からダニエラの脚を引っ張るのは、ショック演出のパターンで余計かとも感じたが、このときお股から血がでてきて、妊娠していたダニエラが流産するつながりだから、なるほどと納得。ただバスで全裸のダニエラが血を洗いながすときの座ったうしろ姿は、妙にリアルで、さすがにちょっとヌケない。
籠の鳥に何度か餌をやる光景があったのだが、これも伏線で、解放されたダニエラが鳥のようなポーズをとって家から駆けでていくシーンがラストなのだが、さあ自立のドラマですよ、といわれたら、いくらなんでも困ってしまう。突飛な展開だし、心理表現は浅いし、どうひいき目にみても表層的すぎる。
人間ドラマとしては失格である。
でも監督の意図ではないかもしれないが、個人的にポルノとして相当に高いレヴェルのもの。日本のアダルト・ヴィデオなど比較にならない、というか、興味もないし、みたくもないし、仕事以外ではみないのだが、わざとらしくアハーンと声をあげてセックスするシーンなど、ただただうんざり。実際に日本のアダルトは撮影現場へも何度か行ったことがあるのだが、自分がこの手のヴィデオで性欲をつかさどる脳神経を刺激されないことはよく認識している。反対に本当にセックスしているわけでなく、オマンコはおろか、陰毛すらみせないのに、この映画など高まったムラムラをどう処理すればいいわけ、とカッカして燃え尽きるまでおいこんでくれて、ポルノというはイマジネーションをくすぐる部分がないといけないんだなあ、とあらためて自分のフェチを再確認。
もしダニエラのほか、マリセルやクーキーの役も好みのタイプの女優が演じていたら、おそらく狂い死にしていたかもしれず、超エッチな作品だ。
ダニエラのフェロモンに思考能力など捨ててパーになります。あとはよろしく。
