ＰＡＧＮＡＮＡＳＡ
（欲望）
　
10年：ビッグ・ドリームズ・クレアションズ／サンフラワー・フィルムズ
監督：フェリックス・ハニーフィールド（ミスター・ハンブル）
主演：カルラ・エストラダ
　　　 マルコ・モラレス
　　　 ジョン・アパシーブレ
　　　 チャールズ・デルガド
　　　 デクスター・ドリア
　　　 ソフィア・リー
　フィリピン映画特有のホモをからめて描く男女三名の愛憎劇で、演出と脚本ともに稚拙なフェリックス・ハニーフィールドの表現によってバカらしい。
　ちゃんと学校を卒業も、田舎に仕事がなく、新聞でウェイターの職を探したカルロス（チャールズ・デルガド）がマニラへでる。中年のおっさんのジョン氏（ボーイ・ピラピル）と肉体関係で、カルロスはホモを自覚する。セクシーな女性のロサンナ（ソフィア・リー）は肉体を武器に小ガネを巻きあげ、カルロスと同じエリアのマニラに部屋を借りる。ふたりの近くには少し裕福で家のある若者のニック（マルコ・モラレス）が住み、カネで男を買うホモ。たまたま意気投合でカルロスを住まわせ、ニックとカルロスともにお互いを意識も、一線を越えるにいたらない。カルロスの働くレストランにロサンナが男（ジャラミーラ）と客できて、ウェイターのカルロスに好意を感じる。大家（アイク・サジャサ）がオカマなので誘惑が通じず、ロサンナが追いだされ、廃墟をみつけて寝床にする。夜の飲み屋の入り口でフリーの売春をおこなうも、指名がなく、飯代に困って屋台のバーベキューを盗み、つかまってボコボコに殴られるとき、カルロスに救われる。ロサンナがカルロスに身の上話を語る。
　自らの出身がよくわらないロサンナは伯母という女性（カルラ・エストラダ）の家に雑用係で暮らすも、義理の伯父（ジョン・アパシーブレ）がロサンナに性欲を抱く。しばらくは伯父のアプローチを拒み、伯母も気がついて夫を怒るながら、プレゼントをくれたりの伯父に悪気が起きず、ついに寝室へしのんできた伯父とセックス。これを伯母にみつかり、家を放りだされる。実は自分に兄や弟がいるらしいというロサンナの話にカルロスは釈然としないもやもやが残る。
　ロサンナがカルロスに迫るも、カルロスがホモだと告白で、希望を失ったロサンナが橋から飛び降り自殺のとき、偶然にみかけたニックが助ける。男同士でイチャつくカルロスとニックと、それをながめるロサンナの三人の生活が始まる。
　カルロスの実家で母（デクスター・ドリア）が地鶏を飼うようすや、タバコを吸うことでロサンナがスレている印象を与え、ロサンナにカルロスがパンシット・ビーホンを食べさせたりとささいな興味は引くものの、とにかくドラマが中途半端。田舎でカルロスと出会ったジョン氏がマニラでカルロスが勤めるレストランへきてアドレスをわたすが、連絡をとるわけでなく、いきなりカルロスがレストランでロサンナと親しく話すのを目撃で、まさか女にと嫉妬の怒りで去る。カルロスの田舎へニックとロサンナが一緒に帰れば、驚きで母が卒倒し、実は三人が血のつながった兄弟と判明などアホらしくて声を失う。もはや学芸会レヴェル。
　ただし、ちょうどタライで洗濯中のロサンナに伯父が買ってきたワンピースをあげ、その場でロサンナが着るのは、ブラのバストがあらわで伯父の欲情を誘うだろうと思うも、回想ではロサンナが子どもの設定で、まだ無邪気な性格と示す。伯父が洗濯を代わってあげるといい、嬉しそうに新品のワンピースで濡れた手を拭く幼さも同様に、伯父の愛撫をうけながらペロペロ・キャンディーをなめるのはワザとらしいが、あえて子役に演じさせるのでなく、巨乳のソフィア・リーをそのまま配する手法がまずまず。ロサンナの脱いだタンクトップのシャツを伯父がかぎ、伯父はロリコンの暗示かもしれない。
　とにかくホモの描写の部分がゲロゲロになり、まずジョン氏の愛撫のホテルでカルロスの全裸に、チャールズ・デルガドがチンポを丸だしのうえ、アヌスがのぞきそうにお尻を突きだす。ニックとカルロスが一緒に寝て、全裸のニックがパンツ一丁のカルロスのチンポをさわりたい欲望にかられるとき、マルコ・モラレスのお尻に刺青がわかる。ニックがカルロスの水浴びをこっそりながめ、チャールズのチンポが揺れる。三度ほどあるニックの買春のホモ・セックスや、ロサンナの話に疑惑を感じたカルロスが三人の男と全裸で眠るニックを無視の部屋など、チンポは隠れるが、男のハダカにうんざり。
　さすがにソフィア・リーが興奮をくれて、ヘソだしのタンクトップとジーンズの短パンで登場し、タダでタバコをもらおうとサリサリでバストの谷間をチラつかせる。無料でトライシクルに乗るのにドライヴァー（ウィンストン・デ・ジョス）を色じかけはタバコをふかして立ったままで、乳首が露出のオッパイをドライヴァーがもみ、ズボンをおろしてお尻をだすや、それ以上はカネを払えと突き飛ばす。電気のない廃墟でロウソクをともして水浴びは乳首のみえる上半身のあと、パンティーをはこうとボディーをくるむバスタオルがほどけて乳首がポロリ。回想の伯母宅の水浴びは俯瞰のショットでシャツを脱ぎ、半ケツのパンティー一枚にオッパイがモロで、伯父の侵入に逃げる。外から伯父がのぞき見の水浴びはオッパイの全開に加え、パンティーを脱いで陰毛がバッチリの全裸を披露。寝室の蚊帳に伯父がくるシーンはとくにすごく、上向きのオッパイが迫る正常位の愛撫に続き、騎乗位のセックスで伯父にロサンナがまたがり、ほとんどお尻の割れ目の先にアヌスやオマンコが浮かぶ寸前。廃墟でカルロスにアプローチでオッパイをだせば、カルロスにブラのひもをはめてもらい、投身自殺をニックがとめるのにもがいてワンピースにパンティーがあらわ。もっとも貧困の設定のせいだが、いかんせん背景の場所がどこも汚くて悩殺度をさげる。きれいな環境でソフィアのヌードを堪能したかったなあと惜しくなる。
　あとニックをホモと気づかずに家の玄関先で挑発の女性がふたり登場し、ともに演じるヴィクトリア・クルトとパトリシア・ブレンコがワンピースの胸元をまくって乳首をみせる。両名ともけっこうかわいく、将来が楽しみな女優といえる。
　なお、音楽はほぼすべてがフリー素材で、自分の使用のものとかなりダブるため、個人的な印象で内容への同化が薄まった。