ＰＡＤＲＥ　ＡＭＡＮＴＥ　ＧＵＥＲＲＥＲＯ
（アマンテ・ゲレロ神父）
　
(92)年：ＦＬＴフィルムズ・プロダクションズ
監督：ルーベン・デ・グスマン、エドガルド・“ボーイ”・ヴィナラオ
主演：エディー・ガルシア
　　　　ロナルド・ヴァルデス
　　　　デニス・ロルダン
　　　　マリトニ・フェルナンデス
　　　　ララ・メリッサ・デ・レオン
　　　　ロルダン・アキノ
　　　　キング・グチェレス
　　　　エドウィン・レイエス
　　　　デンショ・パディーリア
　　　　ティト・アレヴァロ
　　　　オレステス・オヘダ
　　　　エディー・アレナス
　　　　ルシタ・ソリアノ
　　 　 ハイメ・ファブレガス
　エディー・ガルシアが神父に扮し、独特の人間味でおもしろさをだすアクション映画。ハイメ・ファブレガス演じる宗派の異なる神父が不満からルシタ・ソリアノ演じる人質をとって立てこもるのを、詭弁の説得で解決との冒頭が、いかにもエディーらしい個性を際だたせる。
　メイン・ストーリーはデニス・ロルダン演じるエディーの弟が刑事で、キング・グチェレス演じる部下などとともに麻薬取り引き現場へ踏みこんで粉砕し、エディー・アレナスやエルニー・サラテ演じる大物ディーラーを殺害も、ロナルド・ヴァルデス演じるシンジケートのボスとロルダン・アキノ演じるロナルドの相棒を取り逃がす。仕返しにロナルドたちがデニスを罠にはめて重傷を負わせ、入院先の病院まで襲うので、ララ・メリッサ・デ・レオン演じる看護婦の協力を得てエディーが脱出させる。デニスはどこだとシンジケートの魔の手が伸びてきて、エディーが巻きこまれるというもの。デンショ・パディーリア演じる親友の信者やジェス・オルメド演じる教会の小人の助手を殺され、回復のデニスと一緒にエディーもついに銃をとってシンジケートと戦うわけで、とくに目新しさはない。適度にカー追跡や銃撃戦を盛りこみ、型どおりの動きや展開だから、こんなもんでしょとの印象。
　ただし神父が主人公ゆえに当然とはいえ、宗教色の強い部分がフィリピンっぽい特徴をつくる。ロルダンにつかまったエディーが肩に丸太をくくりつけられ、背中にムチ打ちの拷問を受けるのが明らかにキリストを意識している。エドウィン・レイエス演じる見張りの男をエディーが信仰の話で説き伏せ、エドウィンがエディーの縄をほどくのだが、エドウィンが撃たれて亡くなるときにエディーが祝福の祈りを与えていて、なんと単細胞な人たちよ。ロルダンが死の直前にエディーが皮肉の祝福を送ると、やめろみたいに拒否しているから、反対の視線での信仰もでてくる。
　とくに核をなすのはマリトニ・フェルナンデス演じる若い女性の存在で、殺し屋だった過去を懺悔し、ロナルドの組織から抜けたいとエディーに保護を求める。以後、エディーと行動をともにし、車の中で抱きついたり、ベッドへもぐりこんできたり、誘惑しまくる。懸命に拒んでいたエディーは、無理やり上に乗られると欲望に勝てず、とうとうセックス。エディーが後悔から嵐に打たれて神に許しをこい、ティト・アレヴァロ演じる枢機卿を訪ねて自分の弱さを告白に、ホント聖職者は大変ね。
　マリトニが実はエルニーの娘で、エディーへの接近がデニス捜索のためとの逆転は意外性を欠くも、ロナルドがマリトニをただ単に利用していただけとわかり、マリトニがロナルドに「ウタン・ナ・ロオブはないのか」といっているのが、また宗教とは別の面からフィリピンの国民性をひねくっていて、ちょっと興味深い。
　もっとも最大の見せ場であり、個人的に嬉しいのはマリトニのセクシーさに尽きる。エディーに打ち明ける中で、オレステス・オヘダ演じるターゲットを射殺するのは、なんと混浴のとき。オッパイは乳首のところだけ泡でみえないながら、頭部に一発命中のあとにサブッと水から立ちあがるではないか。一瞬、スッポンポンかと心臓がとまりそうなくらい興奮をあおるも、ピンクの薄いパンティーをはいているとわかって、やっぱ、そーか。でもパンティーは濡れてピタッとお尻に貼りつき、ほとんど全裸も同然だし、バス・タブからでるショットは股間の超アップで、陰毛がスケていてスゴすぎる。ビーチのコテージへエディーと潜むと、花柄ビキニの水着が挑発的。やや小さめのバストや、片脚をあげたポーズに浮かぶヒップラインなど、思わずさわりたくなる。もうひとタイプの水着がパレオを巻いていたり、エディーと騎乗位のセックスで露出不足だったり、スリップのまま嵐に打たれる際に乳首がくっきりじゃなかったり、ロルダンにレイプのあとでエディーに助けられるときにボディーをシーツで巻いていたり、不満をいえばきりがないが、シャワーを浴びるシルエットでのプロポーションがそそることもプラスし、マリトニに拍手。
　マジでここまで下半身に刺激をくれるとは、予想だにしていなかった。
　ララはデニスとの間にロマンスが芽ばえ、ベッドでの愛撫でスリップ下着姿を披露。
　というわけでアクションは冴えないながら、エディーのとぼけた演技と女優陣の魅力で一応はみたかいがあったようだ。
　なお、ヘロインの取り引きシーンでタイ語の通訳がいて、シンシア・カリエド演じる白人女性だから、ちょっと発音のヘンなのが気になった。