ＯＲＡＳ　ＮＡ　ＰＡＲＡ　ＬＵＭＡＢＡＮ
（もう戦いのときだ）
　
00年：リーガル・エンターテインメント
監督：ホヴェン・ムナル・タン
主演：ガーリー・エストラダ
　　　 ロイ・アルヴァレス
　　　 シャルラ・トレンティノ
　　　 リカルド・セペダ
　　　 オレステス・オヘダ
　　　 ダン・フェルナンデス
　　　 ルエル・ヴェルナル
　　　 ロイ・ロドリゴ
　　　 レオ・ラバゴ
　　　 アレン・ディゾン
　　　 レヴィー・イグナシオ
　　　 タラ・ヴィロス
　　　 ライアン・ラモス
　　　 テス・ゴンザレス
　　　 カレン・デロス・サントス
　オープニングの競馬場シーンからディック・フランシスの世界かなとの予感がしたのだが、タイトル・バックのイメージにすぎなかった。
　そこそこそろったキャスト、デモの様子を映すときの群集が一面に広がっているカットなど、とにかく構えの大きさをうかがわせるも、ほとんど感心する点のないアクション映画になっている。
　ガーリー・エストラダ演じるのは市長の私生児で、ロイ・アルヴァレス演じる市長の家族が惨殺されて、住んでいたアメリカから帰ってくる。惨殺というのがレイプによるもので、テス・ゴンザレス演じる市長の妻、タラ・ヴィロス演じる娘のみならず、カレン・デロス・サントス演じるまだ幼い娘までを含む残酷な内容。このレイプ・シーンを映画は途中で何度もはさむのだが、いささかくどいような気がする。ガーリーにカレンとの記憶がよみがえるなどの情景カットや、車椅子で入院しなければならなくなったロイをガーリーが看病するシーンがちょっと長いかなとの印象もある。
　それで独自の捜査のすえにガーリーはレイプを仕組んだとされるロイの政敵をやっつけるも、警察に逮捕され、ロイが犯罪に手をそめた息子を勘当したと記者会見で発表する展開になって、実は罠にはめられたことがわかる。レイプはロイが裏で手配したものだったのだが、ルエル・ヴェルナル、レオ・ラバゴ、アレン・ディゾンなどが演じるその犯人たちは二重に裏切っていて、ロイまでも殺してしまう。
　最後は真相が明らかになり、釈放されたガーリーがアメリカへ戻って行って終わりだから、どこかキツネにつままれたというか、すっきりしないストーリーに唖然、といった感想。
　ダン・フェルナンデスとロイ・ロドリゴが演じる警官の扱いもイマイチで、人物がうまく整理されていないのが、また残念な結果の一因だろう。
　あと、男優陣の豪華さとは反対にこれといった女優がでていないのでセクシー・シーンも期待できないものの、とりあえずシャルラ・トレンティノはみせてくれる。泡風呂に入っているシーンや、プールでの黒い水着が素敵。太めのプロポーションなのに、だから余計バストの谷間が視線を引きつける。このシャルラの豊満な胸元が、映画のいちばんの嬉しい要素かもしれない。ただし口封じのためにレイプで殺されるシーンは、ビリビリッと服を破られる音が聞こえるのに、肝心のセックスの様子が暗くてみえない。ここは見せ場なんだから、しっかりと撮ってほしいよなー、と不満タラタラ。
　タラもプール・サイドへやってくるシーンでビキニを披露していて、シャルラの迫力あるヴォリュームには及ばないも、そこそこの谷間がキュート。でも容貌が好みじゃないから興奮しない。
　あとジョアン・ロルシクラとエデルリン・カハヨン演じるホステスが悪どもとセックスする設定もあるのだが、暗い中で遠くに小さくという構図になっていて、これまたよくみえない。
　いやはや、楽しめない作品だ。