ＯＯ　ＮＡ　ＳＩＧＥ　ＮＡ
（いいよ、大丈夫）
　
94年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：リカルド・“ベボン”・オソリオ
主演：ロビン・パディーリア
　　　 アナ・ローセス
　　　 エディー・ロドリゲス
　　　 ニーニョ・ムーラック
　　　 トントン・グチェレス
　　　 アマド・コルテス
　　　 ロイ・ヴィンゾン
　　　 アーミー・ペレス
　ロビン・パディーリア主演のアクション・コメディー。下品で教養がなく、英語をうまく話せないながらも、子ども好きのいい奴という、いつものキャラクターに扮する。
　エディー・ロドリゲス演じる有力者のボディー・ガードだったロビンは、アナ・ローセス演じるエディーの娘であるお嬢さまと恋に落ち、許されるわけがないので、アナの部屋へ忍びこむ逢いびきを続ける。アマド・コルテス演じる叔父、ニーニョ・ムーラック演じる従兄弟とボロ家に暮らし、アナがご馳走をもってくるのを近所の子どもたちが楽しみにしている。エディーはトントン・グチェレス演じる自分の会社の青年重役と、アナを結婚させようと考えている。アナとの関係がエディーの知るところとなり、無理やり引き裂かれてロビンが荒れる。一方、殺人事件を目撃したアーミー・ペレス演じる女性がロイ・ヴィンゾン演じる警察の保護下にいて、ロイやアーミーに買収の話がくるも、きっぱり断わる。アーミーが狙撃手に狙われ、偶然にロビンが助ける。ロビンへときめきを抱いたアーミーがボディー・ガードに雇い、トントンとアナ、ロビンとアーミーがゴルフ練習場や射撃場ではち合わせ、お互いをみせつける。麻薬取り引き現場をオリヴァー・オソリオ演じるカメラマンと一緒に撮影したロビンは、証拠のヴィデオをエディーに送りつけ、映っていた内容からトントンの正体を示す。エディーがビジネスマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、表彰式典の会場をトントン一味が襲ってくる。
　ベースには階級社会の現実があって、ロビンの住む貧民街へエディーがリムジンで乗りつける違和感が、まさに格差を強調する。ロビンが高級レストランで困惑し、オン・ザ・ロックの意味がわからず、安食堂だと落ち着くあたりに生活の違いを匂わせる。もっとも、日本でも同様だが…　ロビンがエディーの会社で暴れたり、自転車を奪ってアナの車を追いかける行為は、アナへの一途な純情さというより自分勝手さのほうが目立ち、かえってこんな男とは別れろと思わせる。マニン・ボルラサの脚本が単純なら、リカルド・オソリオの演出に説得力を欠く部分。アーミーとの三角関係の清算もはっきりせずじまい。途中で『続・夕陽のガンマン　地獄の決斗』の音楽が流れていたが、ロビンへトントンが決闘を迫り、マカロニ・ウェスタン風に盛りあがったところで、背後からアナがトントンをバットで殴って撃ち合いなしのオチは、まあまあおかしかったかもしれない。
　それで注目のアナのセクシーさだが、みんなでビーチへ遊びにいくシーンで黒いワンピース水着を披露し、溺れたふりをするロビンに人工呼吸でワンワンのポーズをとる。けっこう太めとわかるが、まずまずそそる。ロビンとトントンが殴り合って会社のプールへ落ち、飛びこんだときはザバッとあがるショットがあるが、さして服が身体に貼りついてなくてイマイチ。アーミーはロビンを誘惑でガウンからスリップがのぞくのみにとどまり、けっこうやってくれたのがトントンの愛人を演じたジャニン・バレド。ほんのチョイ役なれど、プール・サイドに黒いワンピース水着で現われ、お尻のウルトラ・ドアップに興奮を呼ぶ。さすがジャニン。あとロビンへの手紙の使い役で、ジャニカ・パレニョがバニー衣装をみせてくれた。